言葉狩りじゃない、とても大切な視点「炎上CMでよみとくジェンダー論」
1975年、私がまだ保育園児の時代、こんなCMが有りました。ハウス食品のシャンメンのCMです。
「私、作る人」「僕、食べる人」
ものすごい騒ぎになって、CMが打ち切りになったのを、薄らぼんやり覚えています。
CMは不特定多数の方々が目にするものだから、作り手の「これ、常識だよね?」みたいな押し付けが、そのCMを訴求したい相手には好感を持たれても、そうでない相手には、不快感しか与えない、なんてことがよく起こる。
シャンメンの時代は、女性が「作る人」だったかもしれないけれど、今は「作るし、食べるし、働くし!」。味の素のCM「日本のお母さん」がなぜ炎上したのか?著者は明快に語ってくれています。
ジェンダーというと、それだけでシャットダウンしてしまう男性も多いかもしれません。「言葉狩りだろ?」と。だからこそ、男性のジェンダー研究者が研究者向けではなく一般向けに、こういう分かりやすい新書を出してくれるのはとても嬉しい。
ぜひ読んでみてください!おかしいことはおかしいって言おう。その違和感を大事にしよう。素直にそう思える良書です。