(2)日本版帰化試験問題 第42問
【アメリカ市民権試験問題】
■第42問 合衆国憲法によれば、いくつかの権力は州政府に属す。それをひとつ挙げよ。
(答)学校と教育の提供、警察・消防の提供、運転免許証の発行、ゾーニング(建築規制)と土地使用の許可。
【帰化試験問題】
★第42問 現行憲法によれば、地方自治の組織や運営は、何で決められるか。
(答)法律。
【解説】
米国は連邦国家なので、各州の権限が日本の都道府県より強いのは当たり前である。また、各州の独立性が高いので、州法の規定が異なるケースもあるので、この問題は参考にはならない。
ところで、現行憲法第92条にはこうある。
「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める」。
地方自治の本旨とは、教科書的に言うと、住民自治(地方自治はその地域社会の住民の意思で行われるべきだということ)と団体自治(地方自治は地方公共団体によって行われるべきだということ)である。
もちろん、各地方の独自性は守られるべきだと思うし、ある程度の競争原理は導入されるべきだと思うが、地方分権の名のもとに、国家としての統一性が失われるようなことは、避けなければならないだろう。今日、外国(しかも仮想敵国と考えられる国)に土地を切り売りしている自治体が目立つ。そういうことを地方分権の名のもとに、勝手にさせてはいけないのだ。
移民が増えれば、そういう心配もさらに大きくなる。杞憂ではないと思うのだが、如何だろうか。
だからこそ、「法律で運営を定める」という根本は、しっかりと保持しなければならない。