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これから個人起業したい方へ

【序章】

僕は2024年11月現在、整体院を開業して11年目です。
開業から今日まで順風満帆とはいかず、苦しい時間を長く過ごしてきました。

  • 1年間、新規顧客なし。

  • スタッフを雇用するも2日で辞められる

  • コロナ禍で売上60%減少

など、いろんな経験をしてきました。

知識習得型教材

この記事は、そんな僕の経験から、「独立起業”前に”知っておきたかった」と思う内容をまとめました。

さらに、僕のように起業前に何も準備せずに独立開業してしまい、経営に苦しんでいる整体院家経営者や個人事業主へ、アドバイスやコンサルティングをしてきた経験を、なるべくわかりやすく解説しています。

そして、これから「独立起業への一歩を踏み出したい」と考えている方に向けて作成しました。

成功への道

起業の道のりは決して平坦ではありません。統計によると、新規事業の約80%が5年以内に廃業するとされています。しかし、この数字に臆することはありません。なぜなら、成功への確実な道筋は存在するからです。

それは以下の3つの要素から成り立っています。

  1. 正しい知識の習得

  2. 実践的な行動

  3. 継続的な自己改善

僕自身、起業当初は数々の失敗を経験しました。最初の半年間はほとんど収入がなく、貯金を切り崩しながらの生活を強いられました。しかし、その経験が今では何よりも貴重な財産となっています。

テキストの目的

このテキストには2つの重要な目的があります。

1つ目は、ビジネスの基礎知識からスタートアップの成長に必要なスキルまで、体系的な知識を提供することです。

2つ目は、あなたの内なる可能性を最大限に引き出すためのインスピレーションを提供することです。

この教材記事があなたの起業を後押しするのか、考え直させるのかはわかりません。

ですが、嘘偽りなく真実と実体験を語り、何かの参考になれば幸いです。


起業の現実

「会社を辞めて起業すれば、自由な生活が送れる」

残念ながら、これは大きな誤解です。むしろ、起業後の方が時間的な制約は大きくなることも少なくありません。なぜなら、個人事業主として、経営者として全ての責任を負うことになるからです。

しかし、その責任の重さと比例して、得られる充実感も大きくなります。自分の意思で決断し、行動し、その結果に責任を持つ。その過程で得られる成長と達成感は、サラリーマン時代には決して味わうことのできないものでした。

次章からは、具体的な起業の手順とノウハウについて、実践的な視点からお伝えしていきます。この旅の第一歩を踏み出す勇気を持ったあなたに、心からのエールを送らせていただきます。

個人事業の現実

「独立すれば自由になれる」

僕もかつて、そう信じていました。しかし、実際に独立してみると、その「自由」には大きな責任が伴うことを身をもって知ることになります。

起業家に必要なスキル

起業から10年が経った今、振り返ってみると、独立に必要なスキルは想像以上に多岐にわたっていました。

最も痛感したのは「強い決意」の重要性です。安定した収入を失うことへの不安、家族への責任、そして何より、誰も答えを教えてくれない孤独との闘い—。これらに打ち勝つには、並々ならぬ覚悟が必要でした。

僕の場合、脊柱側弯症の治療に特化した整体院を開業することを決意しました。しかし、技術や知識だけでは足りないことにすぐに気付きました。経営者として必要なスキルを、実践の中で必死に学ぶ日々が始まったのです。

例えば、クライアントとの信頼関係構築。これは単なるコミュニケーションスキル”以上のもの”が求められました。患者さんの痛みや不安に真摯に向き合い、その声に耳を傾け、最適な治療プランを提案する。この一連のプロセスには、高度なカウンセリング能力と、専門家としての確かな判断力が必要でした。

起業家が直面する壁

独立して最初に直面したのは、資金の問題でした。治療機器の購入、店舗の賃貸料、広告費...。想定以上の支出に、貯金は見る見る減っていきました。

特に辛かったのは、市場理解の甘さに気付いた時です。「良い治療さえ提供すれば、患者さんは自然と集まる」そんな素朴な思い込みは、すぐに現実に打ち砕かれました。

競合分析の不足も痛感しました。近隣には既に何軒もの整体院が存在し、それぞれが独自の強みを持っていました。その中で、どうやって差別化を図るのか。この課題に向き合うのに、かなりの時間を要しました。

成功するための心構え

しかし、これらの壁を乗り越えるなかで、重要な気付きを得ることができました。

それは「すべては準備次第」ということです。入念な市場調査、綿密な事業計画、そして何より、自己の強みを活かしたサービスの構築—。これらの準備を怠ると、必ず後で大きなツケとなって返ってきます。

また、「クライアント中心」の考え方も、成功への重要な鍵でした。患者さんの声に真摯に耳を傾け、期待以上の価値を提供する。この姿勢を貫くことで、少しずつですが、リピーターや紹介による新規患者さんが増えていきました。

現在では、レッドコード整体という独自の治療法を確立し、安定した経営を実現できています。しかし、これは終着点ではありません。医療技術は日々進歩し、患者さんのニーズも変化していきます。

そのため、継続的な学習と自己投資は欠かせません。セミナーや研修への参加、新しい治療技術の習得、そして何より、患者さんとの対話から学び続けること。これらを通じて、自身のサービスを常に進化させていく必要があるのです。

個人事業の現実は、決して甘くありません。しかし、その分、やりがいも大きいのです。自分の信念に基づいてサービスを提供し、それが患者さんの笑顔につながる。この喜びは、雇われていた頃とは比べ物にならないくらい、味わい深いものでした。


以下に、上記で書いた内容を箇条書きでまとめます。
ここだけでも繰り返し読んでいただき、必須のチェック項目として、起業の参考にしてみてください、

起業家に必要なスキル

個人起業家として成功するためには、以下のようなスキルが不可欠です。

1.強い決意と覚悟

  • 安定した収入を失うリスクへの対応

  • 孤独との向き合い方

  • 失敗を恐れない精神力

2.継続的な学習能力

  • 業界の最新トレンドのキャッチアップ

  • 経営スキルの習得

  • 専門知識の更新

3.効果的なコミュニケーション力

  • クライアントとの信頼関係構築

  • わかりやすい価値提案

  • ニーズの的確な把握

起業家が直面する壁

僕自身、起業後に以下のような課題に直面しました。

1.資金不足

  • 運転資金の確保

  • 収入の不安定さ

  • 投資判断の難しさ

2.市場理解不足

  • 顧客ニーズの誤認

  • 競合分析の甘さ

  • 価格設定の難しさ

3.経営能力の欠如

  • 時間管理の課題

  • 営業活動の不慣れ

  • 事務作業の煩雑さ

成功するための心構え

これらの課題を乗り越えるために、以下の点を意識することが重要です。

1.忍耐力の重要性

  • 短期的な成果を求めすぎない

  • 失敗を学びに変える姿勢

  • 長期的な視点での判断

2.クライアント中心の考え方

  • お客様の課題に真摯に向き合う

  • 期待以上の価値提供を心がける

  • フィードバックを真摯に受け止める

3.継続的な自己投資

  • スキルアップへの投資

  • ネットワーク構築

  • 健康管理の重要性

しっかりとした準備と覚悟、そして継続的な努力が必要不可欠です。この章で述べた現実を十分に理解した上で、起業への一歩を踏み出すことをお勧めします。

起業に必要な費用と準備期間(法人化)

僕が起業を決意してから実際に開業するまでの道のりは、想像以上に複雑でした。しかし、この経験から得た知見を、これから起業を考えている方々と共有できればと思います。

「とりあえず会社を作ってしまえば、なんとかなるだろう」

これは、僕が最初に抱いていた甘い考えでした。実際には、法人設立から事業の軌道に乗せるまでには、綿密な計画と適切な準備期間が必要不可欠でした。

準備期間の実際

本来、市場調査と計画立案には、かなりの時間を要します。僕の場合、この市場調査と計画立案を怠ったため、開業直後に大きく失敗することになりました。

なので、起業前には必ず、

  • 競合施設の調査と分析

  • 潜在的な患者層のニーズ把握

  • 立地条件の検討

  • 差別化ポイントの明確化

これらは入念に時間をかけて練ることをお勧めします。この準備をするとしないとでは、スタートダッシュもとい、今後を生き残れるかどうかが大きく変わります。

ビジネスプランの作成には1〜2ヶ月を費やしてもいいと思います。特に苦労するのは収支計画です。この時点で多くの人が、予想以上に初期費用がかかることが分かり、現実を突きつけられることになります。

法的手続きと設立準備には、想定より時間がかかりました。特に医療関連の許認可取得には予想以上の時間を要し、約2ヶ月を要しました。

  • 会社設立登記の準備

  • 保健所など各種許認可の申請

  • 銀行口座開設

実際にかかった初期費用

法人設立費用は、想定以上でした。僕の場合、当時の記憶を頼りに概算ですが、以下のような費用が発生しました。

1.法人設立関連費用:約15万円

  • 定款認証費用:5万円

  • 登録免許税:6万円

  • 司法書士への依頼費用:4万円

2.店舗関連費用:約520万円

  • 内装工事:300万円

  • 基本設備:20万円

  • 治療機器:200万円

3.システム構築費用:10万円

  • パソコン・周辺機器:15万円

運転資金の確保

最も重要だったのは、運転資金の確保です。僕の経験から、最低でも半年分の運転資金が必要だと実感しました:

  • 家賃・光熱費:月30万円

  • 人件費:月20万円

  • 広告宣伝費:月10万円

  • その他経費:月5万円

つまり、月65万円×6ヶ月=390万円の運転資金が必要でした。

教訓として

起業の準備期間と必要資金は、当初の予想を大きく上回るのが一般的です。なので教訓にして欲しいのは、

1.余裕のある資金計画

  • 予想費用の1.5倍程度の資金を準備

  • 予期せぬ支出への備え

2.十分な準備期間の確保

  • 焦って始めると後で苦労する

  • 特に許認可関連は時間に余裕を持つ

3.専門家への相談

  • 税理士との早期相談

  • 司法書士への依頼

  • 同じ業界での成功者へ相談

このような準備を丁寧に行うことで、起業後の様々なリスクを最小限に抑えることができるはずです。あなたも、十分な準備期間と資金を確保してから起業に踏み切ることをお勧めします。


【第1章】 自分の強みを見つける

僕は整体院を開業する前、自分の強みが何なのか、長い間悩み続けていました。

開業当時は「脊柱側弯症の治療」という専門性を持っておらず、「本当に独立していけるのか?」と、そんな不安を抱えながら、毎日を過ごしていました。

しかし、ある患者さんとの出会いが、僕の人生を大きく変えることになります。

その方は、10年以上も脊柱側弯症に悩まされ、数々の治療院を渡り歩いてきた方でした。僕の治療を受けた後、涙を流しながらこう言ってくれたのです。

「先生の治療は違います。単に症状を治すだけでなく、なぜこの症状が起きているのか、どうすれば改善できるのか、その本質を丁寧に説明してくれる。この説明力こそが、先生の最大の強みだと思います」

この言葉が、僕の目を開かせてくれました。

自己分析と市場ニーズの理解

強みは、他人から指摘されて初めて気づくことが多いものです。

僕の場合、「治療技術」という表層的な強みだけでなく、「複雑な症状のメカニズムを分かりやすく説明できる力」という本質的な強みに気づくまでに時間がかかりました。

そして、この強みは市場が求めているニーズとマッチしていたと仮説を立てました。なぜなら、多くの患者さんが「なぜ痛いのか分からない」「どんな治療法を試しても治らない」という不安を抱えていたからです。

強みを活かしたサービスの設計

この発見を基に、僕は従来の整体院とは異なるサービスを設計することにしました。

具体的には:

  1. 初回カウンセリングに1時間以上かける

  2. 症状のメカニズムを図解して説明

  3. 自宅でできるケア方法を細分化して指導

  4. 定期的な経過観察

  5. 「身体の使い方」や「考え方」の重要性を説く

このように、「説明力」という強みを全面に出したサービス設計により、低迷していた経営が上向き、予約が埋まるようになりました。

強みの再定義と進化

しかし、ここで満足してはいけません。強みは常に進化させる必要があります。

僕は現在、説明力をさらに磨くため、以下の取り組みを行っています。

  • 医学書の定期的な購読

  • 解剖学の勉強会への参加

  • プレゼンテーションスキルの向上

  • 患者さんからのフィードバック収集

自分の強みを見つけることは、起業の第一歩です。しかし、それを見つけるだけでなく、常に磨き続けることが、持続可能なビジネスを築く上で重要なのです。

自己分析と市場ニーズの理解

自己分析は、自身の能力、経験、情熱が何であるかを明確にするプロセスです。

深い自己理解は、市場ニーズとどのように合致するかを識別する基盤となります。市場ニーズの理解は、あなたのサービスが実際に求められている場所を特定し、提供する価値を最大化することを可能にします。

この二つの組み合わせは、競争の激しい市場で独自の位置を確立するために不可欠です。 

ワーク:自己分析

SWOT分析(強み、弱み、機会、脅威)を行い、自身のスキルセットと経験を評価します。

  • 強み(Strengths) : 組織や個人が持つ内部的な資源や能力で、競争優位をもたらすもの。専門知識、ユニークな技術、強力なブランド、顧客との良好な関係など。

  • 弱み(Weaknesses) : 組織や個人が他者に比べて不利となる内部的な要素資金不足、技術的な制約、スキルの欠如など。

  • 機会(Opportunities): 組織や個人が利用できる外部環境の要素。市場の成長、技術革新、規制の緩和など。

  • 脅威(Threats) : 外部環境が組織や個人にとって不利に働く可能性のある要素。競合の台頭、市場の縮小、規制の強化など。 

市場ニーズ調査

業界レポート、顧客アンケート、競合分析を通じて、現在および将来の市場ニーズを理解します。特に、未満足のニーズ新たなトレンドに注目します。

強みを活かしたサービスの設計

自己分析と市場ニーズの理解を基に、自分の強みを最大限に活かすサービスを設計することは、持続可能なビジネスを構築する鍵です。自身のユニークな価値提案を形成し、市場が求める形で提供する方法を考えます。このアプローチにより、競合他社との差別化を図り、ターゲット顧客に響くサービスを提供できます。

価値提案の明確化

自己分析を通じて特定した強みをもとに、顧客に提供する独特の価値を定義します。 

サービス設計

強みと市場ニーズを照らし合わせ、具体的なサービス内容を設計します。
サービスの範囲、提供方法、価格設定の初期案を考えます。

フィードバックの収集と調整

ターゲット顧客や業界の専門家からのフィードバックを収集し、サービス設計を微調整します。このプロセスは市場の実際のニーズに合致するサービスを確実に提供するために重要です。

はい、「起業する意味を考える」の部分を、より読み応えのある形で書き直させていただきます。

起業する意味を考える

「なぜ起業するのか?」

予約が思うように埋まらず、貯金は日に日に減っていく。そんな不安な日々の中で、ふと立ち止まって考えました。

ミッション(Mission)の重要性

僕の場合、ミッションは「脊柱側弯症に悩む人々に、より良い人生を提供すること」でした。このミッションを見つけるまでには、自身の経験が大きく影響しています。

以前、ある10代の女性患者さんとの出会いがありました。彼女は脊柱側弯症により、好きな水泳を諦めなければならないと悩んでいました。しかし、適切な治療とアドバイスにより、彼女は再び水泳を楽しめるようになったのです。

その時の彼女の笑顔を見て、僕は確信しました。「これこそが自分のミッションだ」と。単なる症状の改善だけでなく、患者さんの人生をより豊かにすること。それが僕の整体院の存在意義なのです。

ビジョン(Vision)の確立

ミッションが「なぜ」を示すなら、ビジョンは「どのような未来を作りたいか」を表します。

僕のビジョンは「脊柱側弯症の治療で、日本一の実績と信頼を得る整体院になること」です。このビジョンは、日々の小さな判断から大きな投資判断まで、すべての意思決定の指針となっています。

例えば、高額な治療機器の導入を検討する際も、「このビジョンの実現に本当に必要か?」という観点から判断することで、ブレのない決断ができるようになりました。

バリュー(Values)の実践

バリューとは、ビジネスを行う上での価値基準です。僕の場合、以下の3つを掲げています:

1.患者さん第一主義

  • すべての判断は患者さんの利益を最優先に

  • 必要な場合は他院への紹介も躊躇しない

  • 治療の説明は分かりやすく、丁寧に

2.継続的な学習と進化

  • 最新の治療法の研究

  • 定期的な技術研修への参加

  • 患者さんからのフィードバックを真摯に受け止める

3.誠実なコミュニケーション

  • 治療の限界は正直に伝える

  • 期待値のコントロール

  • 透明性の高い料金体系

これらのバリューは、スタッフの採用や教育、日々の患者さんとの関わりにおいて、常に意識される行動指針となっています。

起業の本質的な意味

起業とは、単にお金を稼ぐための手段ではありません。それは、自分の価値観を具現化し、社会に貢献する手段なのです。

僕の場合、「脊柱側弯症で悩む人を救いたい」という想いを、ビジネスという形で実現することができました。確かに経営は簡単ではありません。しかし、明確なミッション、ビジョン、バリューがあるからこそ、困難を乗り越えることができるのです。

あなたの起業する意味は何でしょうか?その答えが、きっとビジネスの成功を導く羅針盤となるはずです。


【第2章】 一貫性のある価値観

「なぜ、僕のサービスを選んでいただけたのですか?」

ある日、新規の患者さんにそう尋ねてみました。

「先生のブログを1年以上読んでいました。脊柱側弯症に対する考え方や、患者さんへの接し方に一貫性があって、信頼できると感じたんです」

この言葉は、僕にとって大きな気づきとなりました。一貫した価値観を持ち、それを示し続けることの重要性を、身をもって実感した瞬間でした。

ブランドの信頼性を高める

一貫性のある価値観は、ブランドの信頼性を高める基盤となります。僕の場合、以下の3つの価値観を常に意識しています:

  1. 「そもそも論」からの説明
    治療法を伝えるだけでなく、なぜその治療が必要なのか、人体の仕組みから丁寧に説明します。

  2. 患者さん主体の治療方針
    「治療院の売上」ではなく「患者さんの人生の質の向上」を最優先に考えます。時には他院を紹介することもあります。

  3. 継続的な学びの共有
    最新の医学的知見や研究結果を、分かりやすい言葉で発信し続けています。

目標の統一とモチベーション

一貫した価値観は、スタッフ全員の行動指針にもなります。例えば、新人スタッフの教育では、技術指導だけでなく「なぜそのような治療を行うのか」という本質的な理解を重視します。

これにより、スタッフ全員が同じ方向を向いて患者さんと向き合うことができ、治療院全体としての一体感が生まれています。

意思決定の指針として

日々の診療で、様々な判断を迫られる場面があります。そんな時、この価値観が重要な判断基準となります。

例えば、新しい治療機器の導入を検討する際も、「本当に患者さんの役に立つのか」「その原理は科学的に説明できるのか」という価値観に基づいて判断します。

差別化要因として

特に医療系のサービスでは、専門知識や技術以上に「その人の価値観」が選ばれる理由になることが多いと感じています。

なぜなら、患者さんは単に症状を改善したいだけでなく、「この先生なら信頼して任せられる」という安心感を求めているからです。一貫した価値観を持ち、それを日々の言動で示し続けることで、この信頼関係を築くことができます。

結果として、紹介や口コミによる自然な患者さんの増加につながっています。

価値観は、一朝一夕には確立できません。日々の実践と内省の繰り返しの中で、少しずつ磨かれていくものです。しかし、その過程こそが、選ばれる治療院となるための本質的な道のりなのだと、僕は確信しています。

価値観ワーク:人生を見える化する

人生の出来事をリストアップし、それぞれについて、どのような決断が行われたのか、その背後にある考えや価値観は何だったのかを考察します。

このワークを通じて、自己の過去を振り返り、自分自身の行動や決断がどのように自己の価値観と連動しているかを理解することが、個人事業主としての独自性と強みを形成する第一歩となります。 

  • 自己問診(社会的、環境的)
    重要な人生の決断や、影響力の大きかった出来事を振り返ります。例えば、キャリアの選択、重要な移動、または重大な失敗などがこれにあたります。 

  • 感情のマッピング(心理的、感情的)
    各出来事において感じた感情を詳細に記録します。これには、喜び、悲しみ、怒り、恐怖などが含まれます。 

素直な感情から、その時どのような価値観が作用していたかを分析します。例えば、挑戦を受け入れた場合、それは「成長」や「冒険」といった価値観が働いていた可能性があります。


【第3章】 変革の瞬間

人生において、特定の出来事や決断が大きな変化を引き起こし、新たな価値観や目標へと導く瞬間があります。これらの「変革の瞬間」は、個人のキャリアや人生観に深い影響を与え、新しい方向性を示すきっかけとなることが多いです。個人事業主としての道を歩む上で、これらの瞬間は自己の専門性やアプローチを形成する重要な要素です。

転機の識別

人生の重要な決断点や、大きな変化をもたらした出来事を振り返ります。
これにはキャリアの変更、重要な出会い病気の経験、家族の出来事などが含まれるかもしれません。

これらの出来事がどのようにして人生の方向を変えたのかを特定し、その背景となる状況を詳細に振り返り、言葉としてまとめます。

価値観の再評価

各転機が自身の信念や価値観にどのような影響を与えたかを分析します。
どのようにしてこれらの出来事が現在の自己のアイデンティティや行動に影響を与えているかを考察し、新たに採用した価値観がどのようにして自身の行動や決断に反映されているかを評価します。

変革の瞬間と起業家としての影響

変革の瞬間が個人の価値観や目標にどのように影響を与え、それがプロフェッショナルなアイデンティティやアプローチにどのように反映されるかを探求します。

これらの洞察は、経営者・起業家としての深い理解対応能力を養うための基盤となり、お客様に対するより効果的な支援を実現する助けとなります。

専門性の確立

変革の瞬間はしばしば新たな興味や専門知識を生み出し、特定の分野での深い知識と経験を形成する基盤となります。

アプローチの変化

新しい価値観や目標は、アプローチや方法論に大きな影響を与えることがあります。これにより、より革新的で効果的な解決策を提供することが可能になります。 

クライアントとの関係

変革を経験した経営者・起業家は、類似の変化や挑戦を経験しているお客様や同業種の仲間に共感しやすく、そのニーズや期待に対してより敏感に対応できるようになります。

これらの経験が、より自分自身やサービスに自信を持たせ、さらに強固な信頼関係と経営基盤を構築することができるようになります。


【第4章】 ビジネスモデルの構築

これまでは起業前に必要な覚悟やマインドセット、起業した先に起きる心境の変化などに触れてきました。この章ではいよいよビジネスの中身を考えていきます。

僕が整体院を開業して最初に直面した課題。それは「どうやってお金を稼ぐのか」という、ビジネスの根幹に関わる問題でした。

「良い治療さえ提供できれば、患者さんは自然と集まってくる」

これは、技術には自信があった僕の大きな思い込みでした。実際には、どんなに優れた技術や知識があっても、それを収益に結びつけるための「仕組み」がなければ、ビジネスは成り立ちません。

ビジネスモデルとは何か

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