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【日記】避けていた

 あまりにも下戸なもので。
 正直、お酒に良いイメージが全くない。

 人々が口々に押し付けてくる、
 酔って気持ち良くなる状態の楽しさ、
 というのが、
 全くもって分からない。

 全く中身の無いうえに、
 内容もかなり面白くないのに、
 どうしてか皆が爆笑している飲み会。
 とか。

 「とりあえずビール!」
 「じゃあ、私も!」
 「みんなビールでいんじゃない?」
 「そうだね!」
 「う、うん……。いいよ……」
 といって、ビールを注文したのに、
 全く口にしないから、
 あれ、飲めないの?
 と聞かれて、うん。と言ったら、
 飲めないなら言いなよ。
 無理しなくていいのに。
 と言われて、
 無理せざるを得ない状況だったことなど、
 誰も知る由がないのを憂う。とか。

 そんなこんなで避けてきた。
 酒を。避けてきた……。

 しかし、今、
 『匠が教える 酒のすべて』著:大越智華子
 という本を読んでいる。

 大して理解しないままに、
 苦手な印象で終わるのも、
 もったいないと思って。

 まだ頭に定着してなくて、
 なかなか自分の言葉で説明するのが難しいけど、
 頑張って、纏めたい。

 日本酒は、
 日本らしく四季の風情があって素敵だと思った。
 冬に新酒、春、夏に味わいに深みが増し、
 秋にはひやおろしになる。
 お酒にも旬があることを初めて知った。

 忌避していた世界は、
 知的好奇心に反応して、
 閉ざされた入口を徐々に開き始めた。

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