完全テレワークの会社がよく聞かれる5つの質問
こんにちは、ヤマタクです。
テレワークを導入することに不安や疑問を持つ経営者さまから、よく質問を受ける「テレワークの実態」について今日はお話ししたいと思います。
周りにテレワークを導入されている会社・経営者が少ないと、リアルな声を聞けないこともあり不安になるのは当然のことでしょう。
弊社オレコンを1つの参考事例にしていただければ幸いです。
文字だけのやり取りでチームワークが取れるのか?
対面でスタッフ同士が会う機会がないとコミュニケーションが取れないのではないか?という不安を持つ経営者さまがいらっしゃいます。
メールやチャットなどでこまめに連絡を取れば、普段と変わらない効率で作業を進めることができます。
しかし、テレワークで仕事を進めていると「チャットではなく顔を見て打合せしたい」と思うことはよくあります。
全てのスタッフがテレワークで働く弊社オレコンでは、重要なコミュニケーションの場としてオープンタイムを設けております。
オープンタイムとは、各スタッフ自らが週1回、都合の良い時に1時間程度のZoomミーティングを開くこと。
何かスタッフに質問や相談がある時、急ぎでない場合にはオープンタイムを活用し、早く解決したいことであれば別途ミーティングを依頼しています。
テレワークを導入した経営者さまにぜひ試していただきたい仕組みの一つです。
オープンタイムについてはこちらの記事もぜひご覧ください。
情報漏洩のリスクが怖い
テレワークは持ち運びが簡単なノートパソコンやスマートフォンなどの端末を使い、自宅や外部など様々な場所で行われています。
そのため他の場所から社内ネットワークにアクセスする機会が増え、セキュリティのリスクを考える経営者さまも多いことかと思います。
情報漏洩の原因には以下のようなものが挙げられます。
・端末のウイルス感染・不正アクセス
・電子メールなどの標的型攻撃
・端末の紛失・盗難
・内部者による不正
株式会社東京商工リサーチの調査によると、情報漏洩の原因として最も多かったものは「ウイルス感染・不正アクセス」で約5割を占めます。
次いで多い原因は「誤表示・誤送信」「紛失・誤廃棄」などの人為的ミスでした。
株式会社東京商工リサーチ|「上場企業の個人情報漏えい・紛失事故」調査(2020年)
これらの原因は社内、テレワーク問わず起こり得るため「テレワークだから情報漏洩リスクが高まる」というのは、基本的な誤解と考えられます。
では、テレワークにおける情報漏洩を防ぐために、企業や個人はどのような対策を行うべきなのでしょうか。
・端末の取り扱いルールを見直す
・端末にデータを残さない
・アクセス制御
・データ暗号化
・セキュリティソフトの導入
情報漏洩の原因として最も多い原因であった不正アクセスは、高度な技術によって侵入されてしまうこともあります。
しかしセキュリティ管理の甘さによって引き起こされるケースも多々あるので注意が必要です。
自社にとって適切なセキュリティレベルを確保するための対策を実施し、テレワークを安全に行える環境を構築しましょう。
企業のテレワーク環境も、行うべき情報漏洩対策も様々なので、自社でセキュリティ対策実践のためのガイドラインも作成しておくとよいでしょう。
困ったときや気になったときに気軽に確認できる資料があると便利です。
IPA(独立行政法人情報処理推進機構)より「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」も公開されていますので、ぜひガイドラインもご覧ください。
逆に勤務時間が増えるのではないか?
テレワークに移行すると「仕事終わりが曖昧になりそう」「休憩せずに働いてしまいそう」「逆に勤務時間が伸びるのではないか」という不安の声もあります。
カオナビHRテクノロジー総研の調査によるとテレワークによって勤務時間が増えたという人は全体の20%、5人に1人の割合でした。
カオナビHRテクノロジー総研調査|リモートワークで生まれた余裕と不安
~リモートワーク実態フォロー調査レポート2~
こちらの図によると勤務時間に変化がなかった人は52.0%、勤務時間が減ったという人は27.0%になります。
カオナビHRテクノロジー総研調査|リモートワークで生まれた余裕と不安
~リモートワーク実態フォロー調査レポート2~
テレワークによって勤務時間が減少した人がいる中で、通勤時間もなくなり時間の使い方が変わった人も多いようです。
上の図では85.2%の人がテレワークによって、本業の勤務時間以外の活動時間が増えたそうです。
新しく増えた活動時間はどのような活動に充てられているのでしょうか?
カオナビHRテクノロジー総研調査|リモートワークで生まれた余裕と不安
~リモートワーク実態フォロー調査レポート2~
こちらの図は同居人の有無、子供の有無という世帯構成によって回答結果が別れていることが特徴です。
どの世帯構成でも特に「趣味や余暇活動の時間」や「睡眠の時間」は増加している傾向にあるようです。
同居人のいる世帯構成では一緒に住んでいる人と過ごす時間が増えています。特にお子さんのいる世帯では40%以上にもなります。
テレワークにより一定の人に時間のゆとりが生まれたと言えるでしょう。
上司の目が無いためサボりそう
上司の管理の目がないテレワークでは「ちょっとサボってもバレないだろう」という心理が働くのも事実です。
サボりは生産性の低下につながり、テレワークの導入を阻害する大きな要因にもなり得ます。
Sky株式会社の「テレワークに関する意識調査」によると、管理者側からスタッフの勤怠管理で感じた課題として以下のようなものがありました。
この図によると「業務量が見えづらい」「仕事をしているのか分からない」という課題が40%を超えています。
スタッフ全員がテレワークで働く弊社オレコンでは、以下のような仕組みで仕事の成果を共有しています。
離れているからこそ仕事をごまかすのが難しい仕組みなのです。
タイムログ:問題を共有。どのぐらいの時間を投資したか毎月集計。
プロセス:進み具合を共有。どれだけ変化したか毎週発表。
結果:ノウハウを共有。どれだけ実現できたか四半期に1回。
これらをスタッフ全員が確認できる状態にすることにより、ごまかすのが難しい状態を作り出しています。
テレワークで働くスタッフが「集中力が途切れる」「誘惑が多く負けそう」と感じているなら仕事の内容を見直す必要があるかもしれません。
仕事に対して「やらされている感」があったり、誘惑は「楽しめていないシグナル」だったりします。
以下のような状況に陥っていないでしょうか?
・タスクが明確でない。
・単純作業ばかり、ルーチン作業ばかりになっている。
・プロジェクトに意味を感じられない。
弊社オレコンではプライベート優先を掲げており、小さなお子さんのいらっしゃる方や、海外在住の方、ご自分でも事業をされている方など様々なスタッフが一緒に働いています。
スタッフは各自で勤務時間を管理して勤怠は自己申告制ですが、仕事の成果が自分の頑張りとして評価されます。
テレワーカーにとっては仕事の成果こそが存在感のカギになるため、自律的に動きます。
スタッフの勤怠管理についてはこちらの記事もご覧ください。
評価制度に不安がある
テレワークが普及しつつある現在でも従来の「オフィス出社を前提とした評価制度」を用いている企業はまだ多いのではないでしょうか。
パーソル総合研究所が実施した調査によると、3割以上の人が評価制度に不安を感じているようです。
パーソル総合研究所|テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査 (図1.テレワーカーの不安感)
さらに上記の観点における不安がテレワーカーに及ぼす影響について分析を行ったところ、評価不安が継続就業意向や転職意向に直結していることが判明しました。
パーソル総合研究所|テレワークにおける不安感・孤独感に関する定量調査 (図2.転職意向の高さ)
評価不安を持つ人と、そうでない人とでは転職意向の高さが1.7〜1.8倍も高くなっています。
テレワーカーが抱える評価不安を解消しなければ、離職リスクは避けられないと言えます。
このように評価制度を新しい働き方にフィットしたものへと変えていく必要があることは言うまでもないでしょう。
成果以外のプロセスや技能などについても、何をどのように評価するのかテレワークにふさわしい評価項目を明確化することが重要です。
上記の「上司の目が無いためサボりそう」の項目でも「業務量が見えづらい」「仕事をしているのか分からない」という課題がありましたが、
スタッフ一人一人の具体的な仕事やミッションが明確で、達成時の評価基準が明確なら、テレワークであっても人事評価や業績査定はできると言えるでしょう。
モチベーションを維持し続けられるための人事評価が大きなポイントになってくると考えられます。
弊社オレコンでもリモートワーカー採用を検討中のスタートアップ経営者さまからよくご相談があるのですが、
意外なことにオレコンでは、リモートワークを理由とした評価制度を導入しているわけではありません。
強いて言うならば、会社・スタッフの将来に都合良く設計されています。
テレワークに適した人事評価についてはこちらの記事もぜひご覧ください。
最後に
オレコンではスタートアップ企業などに向けて、リモートスタッフの採用・管理方法や仕事の進め方について、弊社の運用を一例としてお伝えしております。
テレワークの人事評価・テレワーカーの採用についてお悩みをお持ちの方はぜひこちらもご参考にしていただければと思います。
スタッフ定着率37.3%アップの新しい人事評価でチームの生産性UPにつながります。
今後もリモートワーカーの採用や人事評価、スタッフの働き方支援などについて理解を深めていただけるような発信していきたいと思います。
どうぞよろしくお願いします。
今回も最後までお読みいただきありがとうございました!