前編【人材育成の方法とその手順を徹底解説】スタートアップ・中小企業向け
こんにちは、ヤマタクです。
梅雨の晴れ間の青空は、もうすっかり夏の色をしています。梅雨明けが待ち遠しい今日この頃ですが、皆さまお変わりありませんか?
さて、今回はスタートアップ・中小企業さまに向けて人材育成の方法と手順について解説をしていきたいと思います。
長くなりそうなので、前編と後編に分けて解説をしていきます。
今回は「前編」として、そもそも人材育成とは何なのかという点から、具体的な育成方法をお話しします。
「後編」では人材育成を始める手順と、よくある課題について解説をしていきます。
【この記事はこんな方に向けて書いています。】
▼離職率が高くて人手不足を感じている経営者さま
▼スタッフのスキルが停滞していると感じる経営者さま
▼人材育成にも力を入れていきたい経営者さま、人事ご担当者さま など
上記のような方々に向けて、人材育成の方法と手順をお伝えできればと思います。
そもそも人材育成とは?
まず、人材育成とは一体どのようなものでしょうか?
簡単に言うと、人材育成とはスタッフを「経営戦略に貢献できる人材へと成長させること」を意味します。
人材開発には「能力やスキルを伸ばしていく」という意味があり、じっくり時間をかけて育てていくプロセスを表します。
人材育成によりスタッフの能力を底上げされ、企業に貢献できるようになれば業績向上が期待できます。
また、スタッフ側も役割を任せられ、やりがいのある仕事を続けられるのでモチベーションが高まり、結果的に離職率の改善にもつながると言えるでしょう。
人材育成がなぜ重要なのか?
なぜ人材育成が大切なのかというと、企業が抱える資源の中で、人こそが最も大切なものだからです。スタッフの能力は企業の業績に直結します。
逆にいうと企業の成長が止まっていて業績が思わしくない場合は、スタッフの能力が停滞している恐れもあります。
現在の少子高齢化社会では、すべての組織が人材不足に陥る危険があります。
また、昨今のグローバル化によって海外でも通用する人材の必要性も高まってきました。
厚生労働省の「外国人雇用状況の届出状況まとめ」によると、2020年の外国人労働者数は1,724,328 人で、前年に比べ 65,524 人(4.0%)増加しているという結果が出ています。
厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】(令和2年 10 月末現在)より
外国人労働者を雇用するメリットとして若く優秀な人材や労働力が確保できるだけでなく、
ダイバーシティの推進、さらにインバウンド対応や海外進出時の戦力になることなども挙げられます。
国内より安価な海外での労働力に対抗するためには、国内の人材が海外でも通用するレベルの高い人材へと成長する必要があるのです。
このように、企業が安定して成長するためには、有能な人材を育て、自社で確保しつづけることが肝心と言えます。
人材育成の具体的な方法
人材育成には「こうすれば優秀なスタッフが育つ」という絶対的な手法は存在しません。
なぜなら、個人や企業の成長はそれぞれの状態や能力などによって異なるからです。
そのため数ある方法のうち、スタッフや企業のシチュエーションに合ったものを適宜カスタマイズすることが求められます。
次は、現在多くの企業で導入されていたり、注目を集めたりしている手法をご紹介します。
・OJT (On-the-Job Training)
代表的な人材育成がOJT (On the Job Training=職場内教育) です。
新人スタッフが先輩スタッフに付き添われ、現場で経験を積み重ねていきます。
基本的には、先輩スタッフの仕事に同行したり、直接教わりながら実際の現場での仕事を行ったり、実体験を通して仕事を覚えていきます。
気軽に相談できる先輩スタッフが常に近くにいる上、実務をすぐに習得できるのがメリットです。
・Off-JT (Off-the-Job Training)
Off‐JTとは (Off the Job Training=職場外訓練) の略で、研修やe-ラーニングなど職場から離れて行われる教育訓練など、実務以外で学ぶ育成手法を指します。
実際の業務に取りかかる前に、土台となる知識や理論を体系的に学べることが特徴です。
業務の土台となる知識をあらかじめインプットするため、分からない点を解消してから実務に入れるので、仕事の理解が早いのがメリットです。
・自己啓発
自己啓発とは、個人の意思により行われる能力開発やメンタルの成長を果たすための活動です。
休日や隙間時間を利用し、書籍や勉強会などで必要な知識を取り入れていくなど、スタッフが主体的に学んでいくのが特徴です。
企業によっては学習にかかる費用や時間を支援する制度を設けているようです。
厚生労働省の令和元年度「能力開発基本調査」によると、57.5%の企業がスタッフのOff-JTまたは自己啓発などの支援費用を支出しているようです。
自己啓発は個人の費用負担が大きいため、取り組みやすい環境を整備することも重要です。
・目標管理制度 (MBO)
目標管理制度 (MBO) とは「Management by Objectives」の略で、経営学者のピーター・ドラッカー氏が提唱したマネジメント手法です。
スタッフに目標を立てさせ、その達成度によって評価を決めるという制度です。
企業が一方的に評価するのではなく、スタッフが自分で設定した目標を企業と共有し、定期的に「どれだけ達成できたか?」を自己評価させていきます。
スタッフは目標達成のために自分で工夫や努力をして仕事をするようになり、主体的に行動する人材の育成につながります。
また目標管理制度 (MBO) は評価プロセスの透明性が高く、スタッフに人事評価の不満を抱かせにくいこともメリットと言えます。
・ジョブローテーション制度
ジョブローテーション制度とは、人材育成の目的に応じて一定の期間ごとにスタッフを異動させる人事異動制度のことです。
単なる人事異動とは違い、企業の人材育成計画に基づいて行われます。
例を挙げると「商品理解を深めたうえで販売を担当してもらうために商品開発を経験させる」などです。
様々な部署で経験を積み上げていった結果、スタッフは多角的に企業内の仕事を捉えられるようになります。
・メンター制度
この方法では知識や経験のあるベテランスタッフが、若手スタッフをマンツーマンでサポートします。
若手スタッフは同部署の先輩スタッフに相談しにくい、将来に関する悩みやプライベートな相談をメンターにすることができます。
スキルの伝達はもちろん、若手の精神的なケアもできるのがメリットです。
ベテランスタッフ側も若手スタッフへの指導を通じて、メンターのスキルが上がり、業務の習熟度、コミュニケーション能力向上、マネジメント力などの向上が見込めます。
・コーチング
コーチングとは、上司がスタッフの「将来なりたい姿」を支援する育成手法です。
コーチングは命令や指示によって行動を強制するのではなく、質問や問いかけによってスタッフ自身が「理想の自分」や「目標」を決めます。
上司はスタッフの悩みのポイントに臨機応変に対応する必要があり、豊富な知識や経験が求められますが、
コーチングがうまくいけば、スタッフのモチベーションアップや個性を引き出す効果が期待できると言えます。
・1on1ミーティング
1on1ミーティングとは、上司とスタッフが1対1で対話することを指します。
一般的な面談とは異なり、上司は基本的には聞き役となります。
このミーティングは上司が業務の現状把握をするためのものではなく、スタッフの成長のために設定され、
長期的にスタッフが着実なステップアップをとげられるよう、上司が悩みや希望を聞き出していきます。
1on1ミーティングはアメリカの有名企業では当たり前の習慣として実施されていますが、近年日本企業においても大きく注目されている育成手法です。
・ストレッチアサインメント
ストレッチアサインメントとは、スタッフ本人の力量よりも難易度の高い業務を割り当てることです。
スタッフの能力開発の手法のひとつとして広く知られていますが、注意しなければならないのは、むやみにスタッフに難題を押しつけることではないということです。
考えなしにスタッフへ無理な試練を与えるのではなく、当事者一人ひとりの性質を加味した上で、成長に必要な経験を得られる機会を提供することが重要です。
ストレッチアサインメントが成功すると、難易度の高い業務を与えられたスタッフ本人は大きな自信を得ることができ、問題解決能力やチャレンジ精神に一層の磨きがかかるのがメリットです。
最後に
さて、「前編」では人材育成の必要性や具体的な方法ついて解説していきました。
具体的な人材育成方法として多くの企業で導入され、注目を集めているものをご紹介しましたが、
効果的に人材育成に活かすためには、これらをスタッフや企業のシチュエーションに合わせて適宜カスタマイズすることが求められます。
しかし人材育成だけでも沢山の方法があり、どれが自社にとって効果的なのか試行するのは負担が大きいと言えます。
弊社オレコンのサービスの中にも、採用や人材育成に力を注ぎたい経営者さまのための「採用マーケッター養成プログラム」というものがあります。
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「後編」では人材育成を始める手順と、よくある課題について解説しますので、是非こちらも合わせてご覧ください。
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最後までお読みいただきありがとうございました!