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感動レベルのデザインを目指して|デザイン室の挑戦と共創

こんにちは、中途採用部の矢藤です。

今回は、『マネーフォワード クラウド』のプロダクト開発を手掛けるデザイン室について、CDOのセルジオ、デザイン室室長の横坂に話を聞きました。


プロフィール

グループ執行役員 CDO
伊藤 セルジオ 大輔(冒頭写真右)
デザイン事務所の代表を経て、2020年にマネーフォワードのCDOに就任。以来、経営にデザインを取り入れる、デザイン組織の強化、プロダクトデザイン品質の向上、ブランディングなど幅広くデザインに携わる。

マネーフォワードビジネスカンパニー デザイン室 室長
横坂 圭佑
(冒頭写真左)
制作会社でのWebデザインからキャリアをスタート。2009年より事業会社に転身しゲーム、コミック、エンタメ領域から、BtoBのITインフラやECシステムまで幅広いサービスや事業の中でデザインに携わる。2019年2月マネーフォワードへ入社後すぐにBtoB部門にてデザイン組織の立ち上げを行い、現在も継続してデザイン室全体のマネジメントを担当。

ユーザーの人生をもっと前へ。マネーフォワード クラウドの事業の面白さとは?


――経理や人事労務など、バックオフィスの業務効率を向上させる『
マネーフォワード クラウド』について、まずは事業の社会的意義や面白さを伺いたいです。

横坂:ユーザーの仕事の大半を占める業務をポジティブに変えることができるプロダクトであり、ユーザーとの距離が近い点かと思います。

例えば、中堅企業の経理や人事などのバックオフィス職の方の場合、仕事の大半の時間を占めるコア業務で『マネーフォワード クラウド』を利用いただいています。デザイナーに置き換えると、Figmaなどのデザインツールのようなイメージです。そういった業務の中心にあるツールが、使いやすかったり煩雑な業務を楽にできるだけではなく、新たな仕事に繋がる価値を届けられると、もっとユーザーがクリエイティブに働けるのではないかと思います。

BtoBのプロダクトは、長く使うことを前提として導入いただいていることもあり、ユーザーからのフィードバックでは温度感の高い要望をもらうことができます。新しい機能を開発している途中にも、実際にユーザーにテストで触っていただくなど、ユーザーとの距離が近いです。また、経費精算や勤怠管理などのプロダクトでは、経理などの専門職の方だけではなく、一般社員の方にも使っていただいており、多くの方の業務効率にも繋がっていると実感できます。

――プロダクトリリース前に社内のバックオフィスメンバーにもフィードバックをもらったりしていると聞いたことがあります。

横坂:はい、そうです。導入顧客にフィードバックを直接もらうことも価値があるかと思いますが、その前にクイックに社内のバックオフィスチームにテストをしてもらい意見をもらったり、機能についての要望をいただいたりは常にやっています。

――業務プロダクト、かつ普遍的なプロダクトだからできることですね!

セルジオ:当社のバックオフィスチームがとても協力的で、良いプロダクトを作ろうという想いを持っているメンバーが多いんです。これが、当社が「ユーザーフォーカス」でプロダクトを作っていける秘訣というか、原動力の1つになっています。

横坂:先ほどの話は中堅企業やバックオフィス職のユーザーの例でしたが、例えば、ご家族でお店や会社を経営されているような小規模事業者のユーザーにも多く利用いただいています。そういう方々が特に心配されているのが、資金がちゃんと回っているかということです。それを可視化したり、経営やバックオフィス業務の心配を減らしていけるところが、『マネーフォワード クラウド』の強みではないかと思っています。さらに、私たちのサービスを進化させることが、仕事の体験にとどまらずユーザーの人生もポジティブに変えることができるのかなと思っています。

セルジオ:私もマネーフォワード(以下、MF)に入社する前、個人でデザイン事務所を経営していたのですが、その時に家族に経理業務を手伝ってもらっていました。『マネーフォワード クラウド』を導入してからは作業が自動化されて、自分だけで作業が完結し、家族の時間も増やすことができたんです。

――ただ業務効率にとどまるのではなく、まさにMFのMissionにもある「人生をもっと前へ。」を実現できている世界観ですね。

(※当社のMission、Vsionについてはこちら

複雑なカオスを解決する、その難易度の高さとは?


横坂:
あとは、「複雑なカオスを解決する、その難易度の高さ」という点も事業の面白さだと思っています。

『マネーフォワード クラウド』は、ユーザーからは1つのブランドとして見られることを大事にしていますが、実際は経理、会計、勤怠など20以上のプロダクトに分かれています。プロダクトごとの専門領域・規模による難易度もありますが、この数多くのプロダクトを1つのブランドとして統一していくこと自体が、とても難易度が高いんです。

――「1つのブランドとして見られる」というのはどういうことでしょう?

横坂:例えば、『マネーフォワード クラウド』の複数のプロダクトを併用いただいた際もそれぞれのプロダクトで違いを感じさせないような一貫性を保ちたいと考えています。理想は、データがもっと自然に繋がって、当たり前のようにプロダクト間のデータが利活用されていく状態ですが、簡単には作れないなと感じています。

各プロダクトが複雑に絡み合う中で一貫した体験を作ることや品質を高めていくには、考慮すべきことも関わるステークホルダーも多くなるので、その分複雑性と難易度が高くなっていきます。

セルジオ:そうですね。当社だとマルチプロダクトだからこその難易度・その中での面白さがありますね。

横坂:課題の難しさがあるからこそ、デザインへの期待値が高くなると思うんです。先ほど話したような、複数プロダクトを共通化して、開発品質や開発効率を向上させる戦略や仕組みを考えたり、統合した全体ビジョンや制約もある中で、各事業に伴走しながらあるべき品質や体験を考えるって、すごく大きなチャレンジだとは思います。こういった経験が、デザイナーキャリアにとっては非常に貴重なものだと考えています。

デザイン室 室長 横坂

デザインの品質を「感動レベル」へ。デザイン室の展望とは?


――そんな『マネーフォワード クラウド』のデザインを手掛ける組織「デザイン室」についても伺ってみたいと思います。デザイン室での今後の展望を教えてください。

セルジオ:デザインの品質を「感動レベル」へと引き上げるということですね。圧倒的に使いやすいプロダクトだったり、多くの方に共感いただけるようなブランドだったり、高い目線を持つこと。顧客提供価値を高め、デザインが事業の競争優位性となるような状態を目指していきたいと考えています。

これまではデザイン組織としてまだまだ体制が十分でなかった部分もあったので、様々なプロセスやアセットの整備に注力していました。現在その体制も整ってきたタイミングでもあるので、これから先はそのベースを元に、一つ一つのアウトプットに対するこだわりを持ち、よりユーザーや社会に感動いただけるようなデザインを届けていきたいと思っています。

横坂:デザインを「感動レベル」に持っていくために、ビジュアルや言葉の表現だけではなく、社員の振る舞いまで、全てのタッチポイントにおいて『マネーフォワード クラウド』らしさを確立することを目指しています。

先ほどの一貫性の話にも通じるのですが、プロダクト自体の色や形、振る舞いももちろんですが、例えば広告、セールスやカスタマーサクセスの方が説明している時の振る舞いやスタンスなど、最終的にはこういったものも全て含めた一貫性だと思っています。

会社やサービス全体の振る舞いで一貫性があること、そして、そのデザインと体験を通して選ばれるサービスであることを実現していきたいと思っています。

――お二人から見て『マネーフォワード クラウド』らしさとはどのようなものと思われていますか?

横坂:金融関連事業として顧客の大切な情報を取り扱うので、信頼できる存在であることが大事です。そのため、顧客の遠い未来に向けて新しい技術で何かを変えていくよりも、顧客に半歩先の距離感で伴走しながら、今の事業や生活をより良くしていくというスタンスが、『マネーフォワード クラウド』らしさなんだと思います。

ただ、これがプロダクトとしてどうあるべきか、振る舞いだとどうなのかなど、ブランドコアの細かい部分はブラッシュアップし続ける必要があると思います。

セルジオ:そうですね。『マネーフォワード クラウド』らしさで大切にしているのは、最初に相談してもらえるような存在になっていくということかと思います。信頼をいただいて、最初に相談したくなるブランド・サービス・プロダクトになっていきたいと思っています。

グループ執行役員 CDO セルジオ

デザイナーの期待値とは?共創カルチャーでのプロダクト作り


――次にデザイン室の現状について伺いたいです。

セルジオ:現状ですが、デザイナーはPdMやエンジニアの伴走者として、開発チームのファシリテーター的な役割も務めています。そのためデザイナーへの期待値は高いんです。

当社では「ユーザーフォーカス」という考え方を大切にしていますが、それを牽引していき体現する役割がデザイナーであり、プロダクトのあるべき姿を考えていく上でも、デザイナーが重要になる場面が多いと感じています。

これはMFの特徴かもしれないですが、例えば何かプロジェクトを始めるときにまず最初にデザイナーに声をかけようという文化もあり、期待値が高いんです。

横坂:基本は、プロダクトチームとして目指していることに対して、どう実現していくかを考えます。例えば、PdMとデザイナーの間で、互いのスキルや経験から役割分担を柔軟に調整したり、もっとスピーディーに機能を増やさなくてはいけない場面であれば開発プロセスを整えたり、デザインスピードにコミットするなど、その時のゴールに応じて役割を変化させていくことがデザイナーとして求められていることかと思います。

そのため、MFのデザイナーは役割を限定的にしないことが多く、フルスタックなプロダクト専属デザイナーとしてアサインしていることが多いです。

セルジオ:これって「共創」というカルチャーがあるからこそ成立しているのかなと思います。共に創るという考え方がないとサイロ化されてしまいますが、コトに向かっていくというのがカルチャーによって支えられているのだと思います。

まだまだチャレンジングな環境|共創というカルチャーが良いプロダクト作りに繋がっていく


――現状の課題についても教えてください。

セルジオ:組織拡大する中で、どのように横連携をするかは課題かと思っています。

MFのデザイン組織は100名以上が在籍する大きな組織になっていて、お互いが何をしているかが見えづらくなってきています。定期的にナレッジ共有やデザイナー全体の総会などの機会を作っていたりしますが、今後もtoB・toCの領域にかかわらず、それぞれが連携していくことが重要かと思っています。

この連携をやり切れると、実はもっと強い組織になれるのではないかと思っています。多様なデザイナーが集まっているため、互いのスキルを伸ばしあっていき、それが競争優位性にもなるのではないかと感じています。

――そんなデザイン室ですが、今後はどのような人材が必要になってくると感じられていますか?

横坂:今後は大きなビジョン実現と事業成長を実現するために、デザインがどう価値貢献をしていくかがより重要になってきます。それを実現していくためには、一度ゼロベースで未来と現状とのギャップを考えたり、制約や課題を受け止めつつ乗り越える大きな変化点を作ったり、それをいかに楽しみながらできるかなど、強さのある人がもっともっと必要だなと思っています。変化は常にあるので、その困難を楽しみながら乗り越えていくという感じですかね。

セルジオ:そうですね。まさに「カオスを好物にする」という感じですね(笑)

そんな当社では現在様々なデザイナーポジションで一緒に働く仲間を募集しています!一緒に「人生をもっと前へ」進めていきましょう!