落葉

剥がれかけの夜を眺めて
ふと下を見れば
のろりのろりと這っていく
不思議な風と目があった

後はほどけていくだけの
力のない彼に一言
「昨夜は雨が振ったのでしょうね」
論拠はそこらにへばり付いている

不思議な風はくるんと舞って
景色を逆さまにしてしまった
そうして久々に思い出す
上と下の定義を

そんな私を横目に彼は
見えないところへ隠れてしまった
逆さまになったままの景色が
意味不明でどうしようもない


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