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「専業主婦は2億円損している」という盛大な余計なお世話

最近になってよく目にするようになった、「専業主婦wとかww損してるw」という暴言。もはや暴言。
まぁ確かに今のこの世の中で専業主婦でいることはリスキーなのだろう。

大体それ↑を言っている人は共働き世帯の男が多い。つまり旦那側だ。彼らの妻は家事や育児に加えて外で働いている。立派である。中には専門職や、役職がついている女性もいるだろう。さぞかし。さぞかし旦那としても鼻が高かろう。2億円だって損してない。
では一体、誰に向けてのメッセージなのか。それは世の中の専業主婦、つまり人様の家庭に対しての盛大なマウントと私は捉えた。

ほっといてくれねぇかな?

専業主婦が金銭的に損をするなんて事は専業主婦である者なら誰しも分かっている。皆(多分皆)、分かった上であえて専業主婦でいるのだ。分かった上で老後の貯金も投資もしている。少なくとも私はそうだ。

あろう事か子供を保育園に入れてまで働く事を推奨している輩もいる。
保育園が悪いというわけではない。
そうではなく、私が疑問なのは何故わざわざ、妻が働いていない家庭を捕まえて「2億円損してるぞ!早く子供を保育園に入れて働け!」と脅す必要があるのか。一体どういう使命を背負えばそんなお節介が言えるのかを教えてほしい。お前は一体誰なんだ。

今は息子がいるので働きに出ていないが、妊娠前から私はずっと専業主婦だった。それは夫の希望でもあったからだ。

「働くよりも、毎日俺を玄関先で見送って欲しい。君が家にいてくれてるっていう事が、俺の仕事のモチベーションにもなる。」

働くのも良いかな、なんて思っていた。でも愛する夫にこう言われてそれでも働く女がいるのだろうか。いるとは思うが私はそうではなかった。この人の為に家にいなければと思ったのだ。
幸い私はキャリアウーマン思考でも、是が非でも外に出て働きたい!というタイプでもなくむしろ引きこもり万歳!だったので全く苦にならなかった。
服やコスメにかかるお金、友達とのランチ代などについて文句を言われた事はひとつもないし、
私が「今日の番組表チェックしなきゃ♬」とキャッキャしていたら
「楽しそうでいいね♬」と夫は言う。
家事を適当にやっていても文句ひとつ言われないし、働いてないからと言って肩身の狭い思いをする事は一切なかった。

しかしやはり暇だったのでネットショップを始めると、月数万程度の収入が入ってくるようになった。今年で3年目になる。なので、正確には在宅妻なのだが、ショップもゆるーくやっているだけなのでほぼ専業主婦と変わらない。

毎日家にいて、家事や育児をしながら夫や息子と長い時間一緒にいる。それは、私にとって2億円よりも大切な事だった。
時間に余裕があるから、息子を怒らないでいられる事は多いし、朝から蒸しパンだって作れる。(息子の大好物)

専業主婦の中には、本当に心がしんどくて働きに出られない人、持病のある人、子供のために家庭に留まる人、単純に裕福な人、色々いる。それは働いている主婦達も同じ。みんな色々な理由があって働いていたり働かなかったりしているのだ。

「2億円」というインパクトの強い言葉でぶん殴ってくるな

人生には大切な事が山ほどあって、それは人によっては生涯賃金だったり、年収だったり、それらで実現できる様々な事だったりする。
でも私にとっては「家族と密に過ごせる贅沢な時間」だってものすごく価値のある事なのだ。息子の成長を見逃す事のない環境にとても感謝しているし、満足している。

きっと2億円信者の方にはそれを言っても伝わらないだろうけども。

女が男のように外に出て戦わないといけない時代に、あえてそれをしないという生き方を選んだ者を糾弾するのは、結局自分に自信がないからか。

私の周りには専業主婦の友達が多い。彼女達は総じて生き生きしている。誰も自分が金銭的に損をしているなんて考えてすらいない。だってそんな事ははなから承知だから。今のこの生活は、2億円では安いくらいだ。

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