大人になってから語学の学び方に初挑戦して分かった5つのポイント
バイリンガル、トリリンガル…多言語が話せるようになりたいという人は多いのではないでしょうか?
私もその一人。
ドイツに単身渡り、ドイツ語学習で苦労しました。
私は、語学の学習方法を知らなかったからです。
9ヶ月で、ドイツ語力ほぼゼロ→英検準1級相当になりました。
世の中には半年で自学で英検1級レベルのドイツ語を習得される方もいるので、すごく早い訳ではないと思います。
語学は好きだと思っていた私でしたが、挫折しそうになったポイントが何回かありました。振り返ると、そのポイントが変化のタイミングでもありました。
「他言語を本気で話せるようになりたい!」
「他言語の勉強を続けたけどなかなか続かなかった」
「語学学習のポイントを知りたい」
こんな方のご参考になれば嬉しいです。
ちなみに、他言語をすでにネイティブ並みに話せる方は、私の気づきはあまり参考にならないかもしれません。なぜなら、他言語がネイティブ並だと、その言語に新しい言語を紐付けるのが簡単だからです。
私は、ドイツ語学習を通じて、語学という領域でも目標設定ができると学び、自己理解も深まりました。
私は、ドイツで語学学校に通いましたが、学校の有無に関わらず通じる学びの方法と思います。
5つのポイント
○目標設定:自分の目的をしっかり見つけ、目標を数値化する。(特に単語)
○初級文法を1冊やり切ってから本格的な勉強をする。
○環境設定①:学ばないとマズイ状態を作る。時には休む。
○環境設定②:オンライン授業は2画面で。
○記憶術:自分に紐付けられると人は記憶できる。
なぜ、ドイツ語習得に苦労したのか?
私は、英語は得意な方だと思いますが、今回役に立ったと思いません。むしろ、英語での成功体験が応用できずに、自分なりの道が見つかるまでちょっと苦労しました。
今から思うと、私にとって英語は趣味のようなものでした。中学生から色んなものを丸暗記していつの間にか話せるようになっていたタイプです。いわゆる【勉強】をしなかったので、単語の覚え方、文法の学び方などが分かりませんでした。
それを自覚せずに、ドイツ語も丸暗記しようとしたのですが、時間が足りず暗記どころではなく…
英語は、8年でゼロから準1級。
ドイツ語は、7ヶ月でゼロから準1級のコース。
学びにかけられる時間が圧倒的に違うので、ドイツ語は効率よくテストに受かる方法を樹立する必要があったのです。
○目標設定:自分の目的をしっかり見つけ出し、目標を数値化する。(特に単語)
あなたは、なぜ、他言語を話せるようになりたいのでしょうか?
理由が、他人のモノだったり、ふわっとしていると上手くいきません。
本当に実現したい自分の目的を言葉にしましょう!
私の場合、「一年以内に公式テストでB2(CEFR)に合格する」という目標でしたが、これは失敗です。なぜかというと…
以内→締め切りがはっきり分からない。期限は、何年何月何日と定める。ゴールは一つ!
B2レベルに合格する→これはこれでいいのですが、合格してどうするのか?(目的)もはっきりさせる。
○○さんと話すため
好きな映画を英語で理解するため
イギリスで音楽を学ぶため…
何でも良いのですが、自分が他言語習得で本当に実現したい物事は何なのか?をしっかり見定めるのが大事です。
修正目標:
「ドイツで仕事をするために、2024年2月28日までに、公式テストでB2レベルに合格する。」
こうして、実現したい状態と締切が決まると、現時点から逆算して、中途目標を立てることができます。
例えば;
2023年
7月 A1
8月 A2
9〜11月 B1
12〜1月 B2
2024年
2月 公式テストに向けたテスト勉強、2月中に公式テスト
※この例は、いわゆる語学学校の集中コース(平日5日、1日4時間の授業)のタイムラインです。
私の中で、語学習得は数値化しづらく目標設定は難しいのではないかという思いがありましたが、一通りドイツ語を学んだ今、「できる!」という結論です。
語学力は単語力、と言っても良いくらい語学習得には単語が重要です。
単語さえ知っていれば、読むのも聞くのもあまり苦労しません。
(後述しますが、私は単語が覚えられませんでした)
どのレベルにどれくらいの単語が必要かをざっくり認識しておくことで、毎日襲われる新しい単語の波にパニックにならずに学びを続けられると思います。
参考;各レベルに必要な単語数
A1 500
A2 1100
B1 1800
B2 4000
C1 表現語集 6000 理解語集 20000(いわゆるペラペラには1万語)
1ヶ月に600語覚えればよいので、1日20単語。
集中コースでこれくらいの量です。
こう考えると、「私にもできるかも!」と思いませんか?
○初級文法を1冊やり切ってから本格的な勉強をする。
私は、ドイツ語の単語力が低く、ほぼ文法知識がない状態でドイツ語だけの授業をはじめました。4時間の授業内容を授業中に全然理解できないまま進む…という状態が2ヶ月続きました。
どの先生と話しても、教科書やブログを見ても、「日本人は文法が得意」とあります。欧州の言語と日本語は構造や文字が全く違うので習得に苦慮するのだと思いますが、その分、日本人は他言語を構造化して分かりやすく説明するのが得意なのではないかと思いました。
日本の義務教育で英語を3年間学んでいれば、英語の文法知識はあるわけです。得意な分野はサラッと頭に入れてから、本格的な学びを始めると、「アレもコレも重要なのに手が回らない!」という状態を避けられると思います。
なので、私のオススメは、何でもよいので初級文法を1冊やり切ってから本格的な勉強をする、です。
読了後、文法を全て理解して使えるようにならなくてもいいのです。
その言語ではどのような点が日本語と違うのか、その言語の文法単語はどのようなものがあるのか、これが分かっているだけでも随分楽に学びを進められると思います。
○環境設定①:学ばないとマズイ状態を作る。時には休む。
語学学校に初めて通いましたが、私にはとても良かったです。
同じような目標を目指す仲間ができるというのは、互いのモチベーション維持にとても役に立ちます。自分の現在位置が客観的に見え、「学ばないとマズイ!」という状態になりやすいと思います。
学習者だからこそ分かる文法のつまづきを教え合えますし、今でも仲良くしている友人もできました。
語学学校に通い初めて2ヶ月後、長時間座位に体も疲れてしまい、私は、2ヶ月間語学学校を休みました。
お休み期間に、You Tubeで自分に合う先生を見つけ、ドイツ語が好きになりました。この先生のチャンネルで、基本的な発音、単語、穴がある文法を学び直しました。
また、散歩する時間ができ、「近所のドイツ人のおじいちゃんとドイツ語で話す」という明確な目標ができたので、モチベーション維持に役立ちました。
学びに疲れてしまったら、時には休むのも大切だと思います。
○環境設定②:オンライン授業は2画面で。
日本でオンラインセミナーや会議に出た経験はあるものの、4時間の語学授業は初めてでした。
先生は、インターネットを駆使して色々な教材を配ってくれるのでとっても便利です。しかし、授業の教科書もオンライン上にあるため、パソコン一つでは、自分の調べ物やメモとの両立が困難でした。
コンパクト電子辞書を併用したり、メモはノートに取ったり、色々試しましたが、語学学校3ヶ月めから2画面で授業に臨み、作業効率が大幅にアップしました。
私の結論:オンライン授業は、2画面(スクリーン)必要である。
ただし、テレビを2画面にすると、目が疲れます。パソコンやテレビの液晶設定を見直しつつ、適宜画面を見ない時間も作るのも大切です。
○自分に紐付けられると人は記憶できる。
英語の場合、カタカナ語で馴染みがあるものが多いのですが、ドイツ語はそうもいかず。ガスボンベの「ボンベ」くらいでしょうか…。
他の方もおっしゃっていますが、自分の過去の記憶に紐付けられないと人間は新しいモノを記憶できません。
その解決方法として、自分で作文を作るとか、自分が好きな領域の本を読むなどがあるわけです。
こればかりは、人によって紐付けられるポイントが違うと思うので一概にコレがいいとは言えません。
色々試して、ご自身に合った方法を見つけ、見つけたらひたすらそれを繰り返すのが吉かと思います。
【私が試した方法】
紙の自作単語帳
Excelの自作単語帳
Quizlet(オンライン単語帳、Appあり)
Anki(オンライン単語帳、Appあり)
教科書にあるチャプター毎の重要単語シート
日記に、1日1単語書く
日記に、1日3文書く
写真を見て、ストーリーを書く
ドイツ語の歌を歌う
結局、私は、「気に入っている小さめのノートに、ドイツ語・意味(ドイツ語か日本語か英語)・自分に紐付けた例文を書く」スタイルに落ち着きました。
デメリットは、暗記カードや単語アプリのようにシャッフルができない点、ノートの持ち運びが必要な点。
メリットは、例文を覚えて単語の使い方そのものも学べる点、どれくらいの単語力がつけられたのか一目で分かる点、愛着があるのでモチベーション維持に役立つ点、でしょうか。
ぜひ、色々試していただいて、ご自身が続けやすいカタチを見つけてください。
まとめ
9か月ドイツ語を学ぶ中で、4つの挫折ポイントがあり、語学習得において5つのポイントがあるのに気づきました。
挫折ポイント
○英語の習得方法の応用ができない ⇒ 効率的な学習とは?
○モチベーション維持が難しい ⇒ 学習に良い環境とは?
○初めてのオンライン語学授業 ⇒ 学習に良い環境とは?
○ドイツ語単語が覚えられない ⇒ いつ、ヒトは記憶する?
5つのポイント
○目標設定:自分の目的をしっかり見つけ、目標を数値化する。(特に単語)
○初級文法を1冊やり切ってから本格的な勉強をする。
○環境設定①:学ばないとマズイ状態を作る。時には休む。
○環境設定②:オンライン授業は2画面で。
○記憶術:自分に紐付けられると人は記憶できる。
ありふれた言い方ですが、言葉が話せると、触れられる世界がぐんと拡がります。周りの世界が拡がると、自身の世界も拡がります!
人生がさらに楽しくなります!
語学学習で悩んでいる方の参考に少しでもなればうれしいです。