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折々のチェスのレシピ(535)少しだけ高度な知識をあなたに
g5の地点に駒がたくさん効いている白はここで強引に決めに行っても良さそうに感じるかもしれません。
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ここでBxh6とサクリファイスできるのではないか?
![](https://assets.st-note.com/img/1730890119-LI1Ajfko208MaXOVWK4FrReu.png?width=1200)
取ってくれても取ってくれなくても白にとっていいことはありません。取らない場合、
![](https://assets.st-note.com/img/1730890205-M4yIp6C7kxJbhLPjK15forXg.png?width=1200)
かえって白が受ける必要が出てきてしまいます。
取ってくれた場合でも、
![](https://assets.st-note.com/img/1730890250-MbDtWaVI954cBsP3kCGjReg6.png?width=1200)
きちんと受けられてしまうと寄せの筋がありません。相手の端筋のポーンをサクリファイスする手筋はよく知られていますが、決まることは(相手が間違わない限り)かなり限定された場合にしか実現しません。
例えば、
![](https://assets.st-note.com/img/1730890443-lfO5MARwPYjuD87oUkFZbNW3.png?width=1200)
上の局面であればやってみる価値はあります。
![](https://assets.st-note.com/img/1730890477-1i60EacMZhsHQVFw5GASCUdb.png?width=1200)
やや有利な局面を作ることは可能ですが、それでもまだメイトまでは見えません。
という具合に、相手がキャスリングした側のポーンをビショップでサクリファイスするのはほとんどの場合、無理筋です(と憶えておいていいぐらいです)。スコアがまだそれほど高くない段階では相手が受け間違う可能性も結構あるので勝つこともあるはずです。しかし、そのうちきっちり受けられる相手と当たるようになると、かえって形勢を損ねることになってしまいます。
参考までに黒が受け間違ってしまった実戦例を置いておきます。
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普通はこんなに白にとって好都合にはいかないです。今回ご紹介したような黒の受けのテクニックを憶えておけば、相手が強引にサクリファイスをしてきても慌てなくてすみます。