チェスのレシピ(47) チェスでまずスコア1000点超えを目指す人のために
以前、ダッチ・ディフェンスについて軽く触れましたが、それきりだったので今回はもう少し詳しく。
ダッチ・ディフェンス(上記の形はレニングラード・ダッチと呼ばれています)においては、さっさと自分の駒組みを完成させてしまうほうが有利にゲームを進められることはかねてより知られていましたが、ソフトやAIの発達、またその活用により、それが裏付けられた格好になっています。
白は黒に上図までの駒組みを許してしまうと、ここから最善手を指し続けても黒が若干ずつですが良くなっていきます。
上のようにキャスリングをする前に、
b6とする手も有力です。その狙いはもちろん、
フィアンケットです。
ダッチ・ディフェンスで黒が初手f5とするのは、e4の地点を白に自由にさせないという意味がありますが、Bb7とすることでその狙いがさらに強化されます。
ここまで黒に駒組みされてしまうと白は左辺(クイーンサイド)から手を作っていくしかありませんが、
これに対しても黒は、
Bxf3、同クイーンの後に、d5であったり、
Nc6など着々と手を進めていくことができます。
これは白に妨げられずに黒が駒組みできてしまった例ですが、こんなにうまい話はそうそう転がっていません。むしろ白は黒の駒組みを妨害してくるはずです。それについてはいずれまたご紹介するかと思います。
ダッチ・ディフェンスのもうひとつの利点としては、先々まで手が読みやすいという点を挙げることができます。上図の局面でも白が指せる手は数手に限定されています。