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チェスのレシピ(番外編2)

この序盤定跡を知っている人はかなりのチェス通だと思われます。

序盤定跡と書きましたが、基本はa4だけです。だから定跡とは呼べないかもしれませんが、ウェア・オープニング(Ware Opening)という呼称が与えられています(たぶんこのように発音するのではないかと)。

ほとんど指す人はいません。こんな初手を繰り出すとチェスを知らないど素人だと思われる出だしです。

基本的にはb5の地点を抑えてしまおうという戦略ですが、これの発展形にはそんなに馬鹿にできない可能性があるかもしれません。

例えば、

さらにaファイルのポーンを進め、ルークを繰り出すことで5段に飛車を構えるような姿勢を見せることもできます。将棋を知っている人にはそんなに違和感はないと思います。

この定跡(出だし)を知ったのは20年以上前でした。当時も、こんな出だしはしないようにという悪い例として紹介されていた記憶があります。しかし、そういわれるとやってみたくなるのが人の性(?)というのか、折に触れ研究しています。

ソフトやAIの環境が充実したこともあり、指し方次第では、このウェア・オープニングは、巷間言われているよりも使えることがわかってきました(あくまでも個人の研究の範囲です)。

もう少し局面を進めてみましょう(進行例)。

白は基本的には低い陣形を維持しながら駒組みしていきます。早繰りしたルークの横利きを活かすためです。評価値は黒優勢ですが、それを気にしているとウェア・オープニングは指せません。いきなり力戦志向です。評価値ディストピアにうんざりした人にはおすすめです。

今、低い陣形を維持しながらと言いましたが、「チェスのレシピ」を読んでくださっている方にはピンときたかもしれません。何度か軽くご紹介したダッチ・ディフェンス(レニングラード・ダッチ)の知見も取り入れたりしています。

また、あえてルークをビショップなどで取らせて相手の動きのいい駒を減らすという戦略も使ったりもします。

たまにこの出だしを使いますが、今のところ勝率は8割を超えています。それが、この戦略の優位を示しているのか、それとも、この出だしを知らない人が多いからなのか、まだわかっていません。


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