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散り際
季節の移り変わり。
時代の変化
バブル時代を大学生として生き、社会人になったと同時にバブルが崩壊した。
失われた10年を生きていく中で、「あぁ、あれがバブルというものか・・・」と思い返すことも多々あった。
バブルも失われた10年もすでにはるか昔のことで、我ながら齢をとったものだ。
学生駐車場にフェラーリとポルシェが停めてあったし、大半の学生は自分の車を持っていた。
学生ながら起業し、女をはべらし、まさに「酒池肉林」の夜を生きていたあいつは今、日銭を稼ぐ生活をしている。
夜の街で悪さの限りを尽くしていたあいつは「物足りない」と言ってクウェートに飛んだ。
空前のバイクブームの中でタイムを削ることを夢見た男は平凡な暮らしの中で一区切りつけた。
結局何事も、絶頂を少し過ぎて、下り基調に入ったころが一番美しいのではないか?
かつての大英帝国の貴族が夢がついえたとも気づかず、相変わらず七面鳥のローストを切り分けていたように・・・
桜の花弁が風に吹かれて舞うように。
そして、次の世代への種を残して消えていく。
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