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理学療法士に必要な「栄養」の知識

こんにちは。公衆衛生の知識を使って、健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。普段は脳卒中リハビリの現場に居ますが、約10年間、院内の栄養サポートチーム(NST)に所属をしています。キャリアの中で、日本臨床栄養代謝学会(JSPEN)の栄養サポートチーム専門療法士も取得しました(先日無事に更新が済みました)。

今日は、理学療法士に必要な栄養の知識について記事にします。

私が10年前に栄養サポートチームに入った理由はひどいものです。
院内のNSTに人がいないからと、無理矢理入れられました。理学療法士が「栄養」に対して、どうせ何もできないと思っていたので、加わった栄養ラウンドでも苦い思いをしました。

栄養ラウンドや、院内の活動を通じて、「患者さんの栄養状態を改善させてやる!」と意気込んでいたんですよね。しかし、どうでしょうか?医師や管理栄養士さんのように、栄養状態を直接的に「操作」「治す」ことができることは理学療法士にはなく、浮いた存在になっていました。


理学療法士は、「栄養」を直接治せないけど・・・


運動機能・能力・社会参加、生活、QOL向上といった方向から栄養を見てみるとどうでしょうか。食事(栄養摂取)は毎日の事ですし、どのように生活するかに大きく関わります。病院で提案された最善と思われる栄養管理が、日常生活レベルに落とし込むと最良とも言えない状況もあるのです(摂取ルートから、何を摂取するか、そのコストまで)。

また、エネルギー量、どのような栄養素を摂取しているか、水分は足りているかなどをよく把握することで、運動療法の効果を最大に引き出すことができると思います。栄養摂取量が不足していれば、それに応じた運動負荷量にすることや、練習方法の切り替えを行えば、より理学療法の輪郭がはっきりすると思います。

通常の理学療法で評価をしている筋力(筋肉量)や日常生活動作能力の低下は、不良な栄養状態の行き着く先とも言えないでしょうか?「栄養」というフィルターを通して患者をみると、アプローチ方法も広がり、予後予測の精度も上がりそうです。


まとめ

理学療法士は、栄養に直接何かできるわけではないが、より良い機能回復や、生活を再獲得するという視点で栄養に関わると、視座が高くなる。

栄養の知識を持つことで、運動療法の効果を高められ、予後予測の精度も上がるかもしれない。


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