ナイチンゲール先生に学ぶリハビリと食事のあり方
公衆衛生学の力を発揮して、健康的な社会を作りたい理学療法士のジローです。
今日は、私の本棚からFrorence Nightingale’s Note on Nursing
「フローレンス・ナイチンゲール 看護覚え書」
の6章食事についての一部を紹介します。
私は、看護師ではないので、まさかこの本を手に取ることはなかろうと思っていました。公衆衛生学の先人として学ぶことも多いであろうと手に取った途端、細部まで行き届いた分析、患者を見る目の鋭さに、脱帽です。
100年以上前に、これほどの事を考え、提言しているなんて、、、。そして、現代の私達でも、ここまで十分に患者さんに対応できているのか。考えさせられます。
以下、看護覚え書きから、私の専門でもある食事、栄養に関して需要と思ったことを抜粋します。
食事時間に配慮する
衰弱した患者が、午前11時ごろに、一律に固形食をとることは、その時間まで何も食べていないためさらに体力が弱ってしまい、以降も食事を受け付けないかもしれない。
固形食だけでなく食べ物の形態に配慮する
衰弱した患者では、夜中に発熱しやすく、朝には口がカラカラになっているかもしれない。乾いた口で固形物を食べることは難しいが、その気になれば流動食なら飲み込めるはずだ。
配膳・下膳の時間に注意する
患者が食事と他にすべきことの間に時間的に余裕がなさすぎる状態にしないようにする。まだ食べている途中で、時間だからとすぐに下膳しない。
患者が食べられるように観察・工夫すること
これには忍耐が必要であるが、患者が食べられそうな時間を話し合うこと、観察から患者の調子が良い時を予測して、その時に食べてもらうなどの配慮をする。
食事以外の要因を調整する(例えば睡眠:よく寝られるように)
食べ物を患者のそばに置いたままにしない
患者が手をつけなかった食べ物を、後で食べるからと思ってそばに置いておくと、患者が胸をむかつかせて食べられなくなってしまうかもしれない。適切な時間には下げるようにする。
患者に他人の食べ物や、患者が一度に食べられる以上の食べ物を見せたり、匂いを嗅がせない
病人食の品質には、注意しすぎることはない
患者の茶碗の外側を拭いておく
患者のコップの外側から伝った食べ物の汁が、シーツ、ガウン、枕、服について汚れてしまえば、患者の快適さが減り、食べ物を食べたい気持ちも減退する。
NST(栄養サポートチーム)では、食事摂取量の低下にどのように対応するか、日々悩みの種なのです。患者さんそれぞれの病状に応じて、できる範囲で、落ち着いた食事環境が提供できるように工夫していきたいです。