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理学療法士が「公衆衛生学」を学ぶメリット!

イマイチぴんとこない「公衆衛生」ってどんな学問なの?

理学療法士と公衆衛生って関係なくね?

と言うことを、大学院で公衆衛生学を専攻してきたジローが解説致します。

私は理学療法士なのですが、改めて
公衆衛生学って理学療法との相性が、めちゃくちゃ良い」と思っています。

この記事で、興味を持っていただけたら、理学療法士の立場から健康的な社会を作っていく仲間になっていただけたらと思います。




‖  公衆衛生学とはどのような学問なの?


ワクチン?
大気汚染(公害)?
食中毒?

私が恩師に、生活習慣病の予防や、再発予防についてを学んでみたいと将来の展望を話したところ、「それは、公衆衛生学だね」と言われた瞬間、最初に公衆衛生に関して感じていた、ざっくりしたイメージでした。

近くのリハビリ分野の人が、公衆衛生分野に進んだということをあまり聞いたことがなかったので、全く想定の範囲外でした。

しかし、深く学んでいくにつれて、公衆衛生学と、リハビリテーション医学はとても相性が良いことがわかってきました。



公衆衛生学とは、「人間社会の健康問題に集団的に対応すること」

→おいおい、セラピストは目の前の患者をしっかり診ていくのが大切だろ!


「健康保持・増進のため、公私の保健機関や地域・職域組織によって営まれる組織的衛生活動」

→それは行政の人がやることでしょ?しかも、リハビリの人は関与できないでしょ。


と、ツッコミが来そうです。

公衆衛生という言葉ですが、分解すると

公衆:みんなの
衛:まもる
生:生命、生活(すなわち健康)


みんなの健康を守る
学問
と言い換えができます。


‖  昔の公衆衛生学的問題


戦前の医療が未発達な時期
戦後の貧しい時期
高度経済成長で公害がひどい時期などの「みんなの健康」には

・居住環境
・ワクチン
・食品衛生
・感染症予防
・インフラ整備(キレイな飲水、危なくない道路など)
・法律の整備

が挙げられます。



これこそ古典的な「公衆衛生」のイメージなのではないでしょうか(私もそう思っていました)

みんなの健康を悪くしそうです。改善した方がいいですね。

しかし、理学療法士は、あまり関与できなさそうです。


‖  現在の公衆衛生学的問題


現在では、昔に比べてみんなが健康なのでしょうか?

現在では、高齢化の問題、生活習慣病経済格差貧困などの問題が深刻になっています。

そして、「いくら長生きしても、健康でなければ・・・」と、年齢的な寿命よりも健康寿命が意識されるようになってきました。

現在、「みんなの健康」を脅かすものとして
・タバコや加糖飲料
・食品添加物
・アルコールや違法薬物


・運動不足
・うつ病(労働環境や人間関係)
・HIV/AIDS、性感染症


など、健康には悪いことは分かっており、すでに予防対策まで判明しているのに、なかなか解決しない健康問題が山積です。

現在の「みんなの不健康」の原因を考えると、理学療法士の通常業務から随分身近になってきました。

健康寿命延伸も、現在の理学療法士にとってはパワーワードのはずです。


‖  未来の公衆衛生学的問題


さらに未来の「みんなの健康」を脅かすものとして

・新興感染症
・自然災害
・戦争
・テロ
・情報格差(情報へのリーチだけでなく、フェイクニュースなど)

未知の脅威に晒される危険も必ずあります。

その時代によって目まぐるしく変わっていく、健康を守るための実践をしていかなければ健康寿命を延ばしていくことはできません。



‖  公衆衛生活動における理学療法士の強み


リハビリテーションに従事するセラピストには

①そもそも健康増進に対する基礎知識がある

②不健康さを医学的に定量的に測定する評価技術がある

③人の行動変容を促す方法を知っている

④人が安心・安全に動いたり生活するための環境の重要性を知っている



公衆衛生活動にピッタリ
なんですよね。

不健康を、未然に防ぎたい!
「リハビリ」と関わりなく過ごしてほしい!

共感できた方がいれば、是非、公衆衛生学の門をくぐってみて下さい。
新たな視野が広がりますよ。


‖  学習のKey Word


・疫学
・生物統計学
・医療政策
・行動科学(心理学や行動経済学、ソーシャルマーケティングなど)
・健康増進
・労働衛生、産業保険
・予防医療
・ヘルスプロモーション

これらを駆使して、公衆衛生活動を実践していきます。
一つでも内容が刺さったら、公衆衛生向きセラピストかも!

私は、この本から入門しました!


■  この記事の最後に


この分野、まだまだ仲間が少ないのが現状です。
はっきり言って、色々な「しがらみ」から、公衆衛生の中核にセラピストを入れてはもらえません(察して下さい)。

Noteを通じて、一人でも仲間が増えたらと思いながら記事を書いています!一緒に、この界隈を盛り上げていきましょう!

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