【R18:WORKS】現実的に、幻想的な世界を魅せる 珠玉のバラード・ナンバー
広島を拠点に活躍する弾き語りユニット・飴色りぼん。(あめいろりぼん。)。彼女たちのオリジナル曲や、その作り方、今後の展望などについて聞いた。
まるで現代版 Neo Kiroro !
飴色りぼん。は、これまでに20曲ほどのオリジナル曲を制作してきた。ほとんどはayaが作詞、maaが作曲のコライトとなっている。
学生時代の友人から「卒業制作として映像作品を撮りたい」という相談を受け、2019年2月23日、代表曲『君の知らない僕』のMV(full ver.)を発表。後日、1st Singleとしてリリースした。
翌年1月には、FMはつかいちで毎週水曜日に放送されているラジオ番組『インディーズ・アロー』のエンディング・テーマ曲にも採用された。現在は飴色りぼん。のホームページやYouTubeにて、当該曲を聴くことができる。
「実体験の一部や、読書からイマジネーションを膨らませて、詩を書くことが多いです」とayaは語る。「『君の知らない僕』は、カップルの別れを描いた恋愛ソングですが、悲しみのなかでも少しずつ前を向いていこう、というメッセージを込めています」。
ayaが書いた歌詞をもとに、作曲を担当しているmaa。
「曲は、コード進行から作ることが多いですね。先に歌詞が出来ているので、ギターを弾きながら、ayaちゃんが作ってくれたイメージを大切に、メロディを考えています」。
maaの透き通った、儚くも芯の強い歌声は、詩情豊かな歌詞とメロディを真っ直ぐに伝えてくれる。それを支えるayaのコーラスとピアノが曲の輪郭を描く。まるで現代版Kiroroのようだと筆者は思う。
現在は、2nd Singleの企画が進行中だ。
「まだ詳細は発表できないんですけど、バンドサウンドで、新曲を書き下ろし中です。一緒にミュージック・ビデオも出すと思います。楽しみにしていてください!」
日々、進化を続ける飴色りぼん。の新譜に期待である。
聴き手それぞれに寄り添う楽曲作り
特定のアーティストをリスペクトしているわけではないが、「静かなバラード曲が好き」という一点を共有しているふたり。
配信ライブでは、HYの『366日』や杏里の『オリビアを聴きながら』などのカバーを披露したことがある。
「幅広いジャンルの音楽を聴いています。学生時代は、特にボーカロイドが大好きでしたね。例えば針原翼さんの『僕らのレットイットビー』とか、もじゃさんとれるりりさんの『さよならミッドナイト』とか」。
2007年の『初音ミク』発売以降、ニコニコ動画を中心に発展し、メジャーシーンにまで波及したボーカロイド文化。米津玄師氏やYOASOBIのAyase氏がボーカロイドプロデューサーとしてキャリアをスタートさせたことは、広く知られるところである。
飴色りぼん。の楽曲の聴きやすさ、突き刺さるようなメッセージ性も、ボーカロイドシーンから培われてきたものかもしれないと筆者は思った。
実際、彼女たちのオリジナル曲の多くは、しっとりとしたバラードである。それらに共通しているテーマ、それは「聴く人聴く人それぞれが主人公になれるような曲」だ。
「歌を聴いて『自分もこうだったな』って思えるような曲、一人ひとりに寄り添える曲を作ることを心がけています」。
これまでのレパートリーはラブソングが多かったが、今後は違うテーマの楽曲も増やしていきたいと言う。
「最近、亡くなってしまった愛犬に向けて曲を作りました。恋人や好きな人だけじゃなく、家族に宛てた温かい歌とか、日常の気づきを生かした曲を作っていけたらいいなと思っています」。
最後に、今後の展望を聞いてみた。
「分かりやすく『武道館で歌う!』みたいな目標は決めていません。いつかは大きな箱でワンマンライブをやってみたい思いはありますが、まずは目の前の課題を一つずつ達成していけたらなって。
コロナが落ち着いたら、広島や山口だけじゃなくて、全国に歌いに行きたいですね。東京でもライブをしてみたいです」。
彼女たちのオリジナリティがあれば、どこへ行っても活躍できることは間違いないだろう。
地に足を着けた旅路の先に、どんな景色を見せてくれるのか、楽しみだ。
text:Tsubasa Suzuki edit:Momiji
INFORMATION
2021.06.13(Sun) open 15:00 / start 15:30
『girls girls girls』
[会場] Yise(広島県広島市中区紙屋町2-3-23 アークビルディングB1F)
[料金] 前売¥2,000 当日¥2,500 学生¥1,000 ※+1drink¥600
2021.07.24(Fri) 周年イベント@岩国ロックカントリー
[会場] 岩国ロックカントリー(山口県岩国市麻里布町2-4-21 1F・B1)
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