鈍色は使い込んだ証。台所の力強い味方、行平鍋。
こんにちわ。リアルジャパンプロジェクト河内宏仁です。
今回は、中村銅器製作所の行平鍋にスポットを当てた記事をお送りしたいと思います。
銅製品と言えば中村銅器と言われる“中村銅器製作所”
中村銅器製作所と言えば、銅の玉子焼鍋がとても有名ですが、ほかにもたくさんの暮らしの道具を製作しています。そのうちのひとつが「行平鍋」です。主に製作しているのは銅器ですが、実はアルミの行平鍋もつくっているのです。職人さんがひとつひとつ手作業で槌目を打ちだした行平鍋は、とても軽くて丈夫。アルミのお鍋はお手入れもしやすいので、普段使いに最適です。今回は、中村銅器製作所の職人さんの技術が光るアルミの行平鍋をご紹介します。
【行平鍋は万能鍋】
キラキラと輝く槌目が特徴的な行平鍋。さまざまな素材で作られています。
一般的によく見かけるものは、アルミ製のものが多いかと思います。
行平鍋は、片手鍋です。軽くて丈夫なアルミは、片手鍋には打ってつけの素材。槌目が施されたアルミは、表面積が広がって、熱伝導も良く、丈夫なので、煮物も炒め物もこなしてくれる万能なお鍋です。
初めて自分の台所を持ったとき、どんなお鍋を買えば良いか迷ったならば、「行平鍋」を用意しておけば、たいていの調理はこなしてくれる、とても頼もしい存在です。
【行平鍋で一汁三菜】
行平鍋は、和食の料理人が愛用するお鍋でもあります。丸い鍋底は熱を効率的に対流させて、短時間で素材に火を通します。さっと火を通して素材の味を楽しむ和食には、打ってつけのお鍋です。
中村銅器製作所の行平鍋をフル活用して、和食の基本、一汁三菜を用意してみました。
・主菜 鰯の梅煮
お醤油と味醂とお水を煮立たせたら、生姜と梅干しを加えて。頭と内臓を取り除いた鰯を並べたら、落し蓋をして弱火で15分~20分。行平鍋は、煮汁がうまく対流するように底が丸く作られています。鰯の梅煮も、少ない煮汁と落し蓋を使ってさっと煮つけて仕上げるので、行平鍋が最適です。
中村銅器製作所の行平鍋は、浅型に作られているので、崩れやすいお魚の煮物を器に移しやすく、オススメです。
・副菜 ごま豆腐
くず粉と練りごまと昆布出汁をお鍋に入れて、一気に練り上げるごま豆腐つくり。
熱を均一に、素早く伝えてくれる行平鍋は欠かせない道具です。お鍋に材料を入れたら、絶えず木べらで混ぜながら加熱していきます。なかなか根気のいる作業ですが、だんだんとくず粉が固まってねっとりとした状態になるまで頑張りましょう。木べらを持ち上げて、ぽたぽたと落ちるくらいまでになったら、容器に移していきます。表面にラップをしたら、容器ごと冷水に漬けるか、冷蔵庫で冷やして固まったら完成です。
今回は生姜醤油で頂きます。
・副菜 ほうれん草の和え物
あまり火を通したくない青菜。行平鍋でさっと湯がいて、熱々のうちに水分を絞って、ポン酢で和えれば、それだけで1品の出来上がりです。食べる直前に、ゴマ油をちょっと垂らすのもオススメ。行平鍋は、火にかけてからすぐにお湯が沸くので、一回の調理中に何度も活躍してくれます。
・汁物 味噌汁
お味噌汁づくりはお出汁を取ることから始まりますが、行平鍋はお出汁を取る作業にとても向いています。
お出汁を濾す作業はなかなか力の要る作業です。熱々のお出汁がたっぷり入ったお鍋を持ち上げて濾さなければならないので、お鍋はできるだけ軽いものが理想です。お鍋自体が重いものだと、少し怖いですよね。アルミで作られている行平鍋は、とにかく軽いので、使い勝手抜群。お出汁がたっぷり入っていても、片手で持ち上げられるので、空いた片手でザルを支えることも可能です。
良い香りのお出汁がとれたら、いよいよお味噌汁をつくるわけですが、お味噌汁作りにも行平鍋が最適。
お味噌汁は「煮えばな」が一番美味しいと言われています。(「煮えばな」とは煮え始め、沸騰直後のこと)お味噌の良い香りは、沸騰すると揮発してしまうため、お味噌汁は煮詰めないように煮えばなで火を消していただきます。
行平鍋でつくれば、お味噌汁を長く火に当てることなく温めることが出来るので、お味噌の風味を損ねることなく美味しく頂けるというわけです。
中村銅器製作所の行平鍋は、ひとつひとつ職人さんが手作りしているお鍋です。美しい槌目からは、丁寧な仕事ぶりが感じられます。
創業から100近く年日々を支える道具を作ってきた、職人の技が光る行平鍋。正直こんなにリーズナブルで良いのかと思うのです。
台所では、なるべく無駄な動きをせず、段取りよく調理していくことがとても大事。サイズ違いをいくつか揃えれば、段取り上手、間違いなしです。
アルミの行平鍋は、良い意味でいいかげん。
これといった、特別な手入れをすることなく扱うことができます。煮るのも炒めるのもお手の物。
どんな場面でも活躍してくれる、頼もしいお鍋です。
汚れたら食器洗い用洗剤でごしごし洗って。焦げてしまったら束子でこすって。落ちにくい汚れはクレンザーを使ってもかまいません。持ち手が破損してしまったら、付け替えればまた使えるようになります。
まとめ
手にした当初のキラキラとしたアルミの輝きはだんだんと失われていきますが、使い込んで鈍色に代わるころには、その使い勝手に日々感謝し、手放せないものになっているはずです。使い込んで使い込んで、使い倒す。行平鍋があればたいていのことは大丈夫。いつもさりげなく台所に居てくれる、台所仕事の力強い味方です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんからの道具の使い方などぜひ教えてください。
また作り手に聞いてみたい質問などがございましたら、ぜひ投稿ください。
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spacial thanks:@qillilly