福島昭和村、田舎暮らしとお仕事
こんにちは、広報の山本です。
前回、社長の記事はお読みいただけましたでしょうか!?
まだの方は コチラ→ 青森・福島出張 <福島編>
今回は福島出張の昭和村体験で出会った「株式会社SATORU」の「橋本」さんをご紹介します。
福島県磐梯町出身。大学卒業後、都内のWEB広告会社に勤務し、執行役員を務める。2016年に独立し、株式会社SATORUを設立。
昭和村にUターンし、地域を盛り上げる事業として『SHARE BASE PROJECT』を発足。 PROJECTでは古民家民泊施設 『SHARE BASE 昭和村』の運営、 地域のコト・モノをつなぐWEBプラットフォーム『SHARE BASE MATCHING』の運営などを行なっている。
また、一方で自治体や首都圏の大手メーカーや多くの企業のデジタルマーケティングを担当し、広報戦略や商品開発の事前マーケティングも手掛ける。
◾キャリアの転機
橋本さんは、広告代理店で企画営業をしていた頃、多くの企業と一緒に商品をプロモーションする仕事に携わっていました。しかし、売上が思うように伸びなかったり、仲の良かったクライアントが事業をやめてしまう経験を経て、「アイデアを形にしても結果が伴わないことに違和感を覚えるようになった」と語ります。そこで営業職からマーケティングの仕事へとシフトし、より成果に結びつく仕事を目指していきました。
◾福島への帰還と独立
震災をきっかけに、橋本さんは「やっぱり福島に戻りたい」と強く感じ、思い切って東京の広告代理店を辞めて独立することを決意しました。福島に戻ってからは、前職のクライアントとリモートで仕事を続けながら、地元で新たなマーケティング活動をスタート。東京での仕事に疲れた仲間たちも一緒に福島へ移住し、地域を盛り上げるためにいろいろなプロジェクトを立ち上げました。
◾地域マーケティングの取り組み
福島に移住した後、橋本さんたちは地域の魅力をもっと発信しようと考えました。特に昭和村のような小さな村では、インターネット上での情報が少なく、地域の良さが外に伝わっていなかったからです。そこで、ウェブサイトやブログを使って地元の情報を積極的に発信する活動を始めました。この取り組みによって観光客が増え、地域のPRにも大きな効果が見られるようになりました。
◾地域住民との交流
橋本さんは、地元の高齢者と観光客を結びつける「体験プログラム」を企画しました。観光客が地元のお年寄りと一緒に料理をしたり、農作業を体験することで、お互いに良い影響が生まれました。こうした活動を通じて、観光客との深い交流が生まれ、単なる観光以上に地域の魅力を伝えることができるようになったのです。
◾地域おこし協力隊とプラットフォーム作り
さらに橋本さんは、若者や地域おこし協力隊が地域に入り込めるようにするための「シェアベースマッチング」というプラットフォームを立ち上げました。この仕組みにより、地域の課題解決のためのチームが作られ、住民や観光客、そして行政との連携がスムーズに進むようになりました。
◾昭和村の産業課題と伝統工芸の継承
昭和村には「カラムシ(苧麻)」と「カスミソウ」という伝統産業がありますが、後継者不足や収益性の課題に直面していました。橋本さんは、この問題に対して、工芸品の受注生産をマッチングするシステムを導入し、全国の人々に伝統工芸を広めることで、収益化を目指しています。
◾行政との連携と地域課題への取り組み
橋本さんは、地域の課題解決に取り組む際、行政と民間の橋渡し役としても活躍しています。行政担当者の異動で事業が途中で止まってしまうこともあるため、民間主体での取り組みが重要だと強調しています。
◾地域モデルの展望
昭和村を含む7つの町村が連携し、地域全体の発展を目指す「只見川電源流域振興協議会」が設立されました。各町村が個別に動くのではなく、連携して横断的に事業を進めることで、地域全体の活性化を図っています。人口減少が進む昭和村では、こうした取り組みを通じて新しい地域モデルを築き、未来に向けて歩みを続けています。
◾終わりに
橋本さんの活動は、単なるマーケティングやPRの枠を超えて、地域の持続可能な発展や高齢化による課題の解決を目指すものです。移住者として地元の人々と深く関わりながら、新しい視点で地域を活性化させている橋本さんの姿は、まさに地域の未来を切り開く力となっています。
彼の挑戦は、昭和村を含めた地域全体に新たな可能性をもたらしています。