成長痛とオスグッドの違い
「身長が伸びてほしい!」「将来、背が伸びるのか気になる」
スポーツをするお子さんを持つママなら、だれもが気になっていることであり、願ってしまうことだと思う。
もちろん、私もその一人。可能なら180㎝以上!と願ってしまう。
そんな時によく耳にするのが「オスグッドが出てきたからうちの子もこれから背が伸びるかしら?」これを聞いて、私は少し危機感を覚える。
確かに、オスグッドや成長痛は成長期の子どもに起こりやすい症状だし、イメージ的に混同しやすいのもわかる。しかし、それは似て非なるもの。ママがその違いを知らないまま、間違った認識のままだと子どもの成長を妨げかねないことを知っておいてほしい。
成長痛とは
成長期の子どもが繰り返し訴える原因不明の脚や足の痛みの総称を「成長痛」と呼び、医学的に明確な定義はありません。
しかしながら、痛みというのは神経学的には脳が身体を守るための反応であるとされているため、急激な身体の成長によって「からだの地図」が書き換えられてしまったことで脳の危険回避が発動している可能性もあります。
この「からだの地図」は身体の中にある感覚受容器が発達することで、自分のからだに起こりうる出来事を予測することが可能となり、身体を守るための反応が変わっていきます。
注意すべき成長痛
日中や運動中にも痛みがある
痛みが徐々にひどくなる
いつも同じ側、同じ部位が痛む
中学生になっても痛みがある
上記の特徴がある痛みは整形外科の受診をお勧めします。
オスグッド・シュラッター病(Osgood-Schlatter病)
これは膝の下にある脛骨粗面(膝の下の骨の部分)に痛みを伴う症状です。主に、成長期にスポーツや運動を活発に行う子どもに見られます。筋肉の引っ張りによって脛骨粗面に負担がかかり、痛みや腫れを引き起こします。
つまり、オーバーユース(使いすぎ) による障害です。
オスグッドは治るの?
成長期が過ぎる(成長が完了する頃)には自然に治ることが多いと言われていますが…オーバーユース状態が改善されれば、症状自体は軽減します。しかしながら、オスグッドによる膝下の骨の隆起(変形)は残ることがあります。また、成人になってからも運動による強い刺激が再び加わることで、痛みが現れることもあり、これをオスグッド後遺症と呼びます。
成長期に必要なセルフケア
オスグッド病はオーバーユースが原因で、大腿四頭筋(腿の前側の筋肉)の弾力が失われることによって脛骨粗面に負担がかかり発症します。そして、太ももの前側の筋肉は本来収縮することで力を発揮する(短縮性筋収縮)のが純粋な働き方ですが、多くの場合伸ばされながら力を発揮させられつづけています(伸張性筋収縮)。そして、この伸ばされながら力を発揮する収縮の仕方は、縮みながら力を発揮するよりも大きな力が発揮できます。
つまり、一般的に推奨されている「ストレッチだけ」では常に伸ばされたまま力を発揮している筋肉にさらに負荷を与えることになり、ただただ痛みに耐える苦行となってしまいます。
運動前に効果的な動的ストレッチ
ダイナミックストレッチ:関節の可動域を広げ筋肉を温めることが目的。リズミカルに動作を繰り返すことで心拍数を上げ、血流を促進ます。
バリスティックストレッチ:反動や弾みを利用して筋肉を伸ばすストレッチ方法で、瞬発力を高める目的で行われることが多い(無理な伸展が起こることもあり、ケガのリスクを伴うため、適切な指導を受ける必要あり)
運動後に効果的な静的ストレッチ
スタティックストレッチ:身体に反動をつけずに筋肉を持続的に伸ばす。
日常的に行うセルフケア
神経系の発達:感覚受容器への刺激
コアトレーニング:身体を支える筋肉の強化
頑張りすぎて硬くなってしまった筋肉の反対側の筋肉の強化
身体をつくる栄養の補給:タンパク質に偏らず、バランスよく摂取する
十分な休息:入浴や睡眠時間の確保
新生児から始まっている成長期
日常的に行うセルフケアにあげた、神経系の発達はお腹の中にいる胎児期から新生児期にも急激に発達していきます。特に新生児期は外界の刺激によって神経回路の土台となる部分が発達する大切な時期です。ママたちにとっては産後の身体から回復途中の大変な時期にあたりますが、ママがご自身の本来のからだを取り戻すことが、子どもたちの発達に大きく影響します。
特に、外界の世界に敏感な新生児期は、ママの息遣い、ママの体温、ママの
声色、ママの匂い、ママから発せられるすべてに敏感です。(ママから発せられるものに敏感なのは新生児期に限りませんので、もうずいぶん育ってしまったわ…とお嘆きにならないでくださいね)
是非、お子さんの成長・発達のためにも、お子さまのセルフケアと共に、ママ自身がご自分をいたわりながら生活していただきたいものです。
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