認知症の気持ちを知ると何か変わるの?①
やや挑戦的なタイトルですね。
皆さんこんばんは。
認知症の方の気持ちを知ると(私たちの)何かが変わるのか
答えは・・・人による。です。
これを読んでくれている方が、介護に切羽詰まっていない。または介護をそもそもしたことがない。というのであれば認知症を持つ方の気持ちを知ることで対応方法に一部変化が出てくる可能性は十分高いです。
ただ、実際に介護をされていて、大変だと感じている方には響きにくいです。なぜか?それは、今大変な時期なのに、相手のことを考えるほどの余裕がないからです。今困っていることをなんとかしてほしい気持ちが強いからです。
私はまだ認知症にはなっていないので、書籍や文献からの想定になってしまいますが、良ければ読んでいってください。
今回はMCIからアルツハイマー型認知症初期、中期の手前までです。
認知症のはじめは「あれ?」と本人が感じることもあるそうです。物忘れが出てきたな。や、最近上手くいかないことがあるな。そんな日常生活の「不調」に似た思いから始まるといわれています。
ただ、この時点で「認知症かもしれないからすぐに病院で診察だ」とはなりません。冗談で「認知症になってしまった」なんていうかもしれませんが、本気でそう思ってはないはずです。
それから少しずつですが認知症は進行していきます。
「あれ?」から徐々に「おかしいな」と確信に変わっていくのです。
始まりは「あれ?」が、徐々に人との付き合いが苦手になったり、約束を忘れたり、道に迷ってしまったり。日常生活で焦ってしまう、上手くいかないけど、どうすれば良いのかわからないことが増えていきます。
そのころになると周囲が「おかしいな」と気づいてくれるようになります。そして病院に行こうといわれるのですが、「認知症」という言葉のレッテルがついてきます。
どうでしょう、みなさんは認知症と聞いて良い思いをするでしょうか。
認知症にどんなイメージを持っていますか?
それがそのまま自分に当てはまるのだと考えるとどうでしょうか、認知症になる可能性のある診察をしたいと思いますか?
診察を拒否していても気づけば診察につれてこられています。
そして医師から「認知症」という言葉を投げかけられます。
認知症の診断にショックを受けるでしょう。
そして数分後に忘れてしまっているかもしれません。
そして、また家族から「認知症になっている」と新しく衝撃を受けることになります。
さぁ、診断までくだるほどに進行すると生活がさらに困難になっていきます。
コンロを加熱したまま忘れてしまったり、物をどこにしまい込んだか思い出せなかったり、何かをすることに異常に時間がかかります。
どうすればいいのか考えますが、頭にもやがかかるように上手く思い出せません。
少しずつ自宅の部屋の配置もぼんやりしてきます。
人によっては施設に行くこともあるでしょう。
施設など新しい環境になるとなおさら生活が難しくなります。
トイレはどこだ?ここはどこだ?あなたは誰だ?家に帰りたい。ここにいても仕方がない。家族は?
不安ばかりが募っていきます。解消するために何度も同じことを聞きます。
「家族はいつ迎えにくるのか」「ここはどこですか」「何故誰も迎えに来ないのか」
優しい施設スタッフならその都度対応してくれますが、中にはそうでない方もいるでしょう。自分の気持ちにこたえてくれないと、思った答えが出てこないと怒ってしまうかもしれません。
年齢を重ねると持病が悪化したり、あたらしく病気になったりもするでしょう。そうなると病院に入院することも出てきます。
では病院ではどうでしょうか。
認知症ということを知っているとうまく対応してくれるのか、おそらく対応しきれません。
何故なら、看護師不足といわれるほどに看護師で仕事をしている人数は少ないのです。(このあたりは改めてかきます)
人手が足らない中で、「しなくてはいけないケア」と「できると理想だと思われるケア」のどちらを優先させるのか。
また、場合によっては治療が上手くいかないなどの理由から身体拘束を行われるかもしれません。
そうなるといよいよ「こんなところにいたくない」「帰りたい」気持ちが強くなります。また、喫煙をしているかたなら強制的に禁煙をさせられることになりますから余計に苛々してくるでしょう。
この時点で、自分でも上手く対処できないことへの苛立ちに加えて、他者からの対応に苛立つようになります。
そして、自分がうまく生活が行えていない不安も認知症の始まりから持ち続けています。
忘れたころに「自分が認知症であること」を突き付けられ、何度もショックを受けることにもなるでしょう。
今回はアルツハイマー型認知症の初期後半まではを書きました。
ここまでマイナスばかりを書いていますが、認知症の方が感じているであろうことを抽出して書いています。
また次回、続きを書こうと思いますので、良ければ続けて読んでください。
認知症の対応方法や経過、実際の症状などについてもこちらで書かせてもらっています。今回の記事と合わせて読んでいただけると今している介護から少し視点がかわります。
よければ読んでみてください。
普段よりも長めでしたが、読んでいただいてありがとうございました。
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