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勝手に応援 I love Nakagomi. 好きだった街、今も好きな街 その1 September,2024

JR小海線 中込駅 
小海線は信州小諸と甲州小淵沢を結ぶ高原鉄道

1 好きだった街

 中込(なかごみ)は、かつてとても賑やかな街だった。
 1997年に佐久地域に長野新幹線が通り、市内で最も賑やかな場所は、今では佐久平駅周辺になっている。 
 自分が高校時代、あるいは大学時代に帰省した時(もうずーーっと前)、中込の街で友人たちと過ごした時間は楽しく懐かしい想い出として心に残っている。この街が好きだった。商店街があり、複数のショッピングセンターがあった。高校生でも安心して入れる喫茶店があった。ワクワクする街だった。
 かつての華やかでにぎやかだった街が、想い出の中に美しく残っている。それゆえに、時代の流れの中で、あの頃よりずいぶん淋しくなった街を、私は受け入れられなかった。
 ショッピングセンターがあった場所には別の建物が建設され、お気に入りだった喫茶店は閉店して空き店舗になり、いくつもの店舗が営業をやめてしまった。何もここだけのことではないし、仕方のないことだとわかっていた。でも淋しかった。この街が好きだった。けれど、もう過去形だった。

2 今も好きな街

 2年くらい前からだろうか、私は時々ウォーキングと称して用もないのにこの街をぶらぶら歩き、街の様子を観察していた。空き店舗がまた増えたと勝手にがっかりし、空き店舗に新しいお店が入ったと知ると勝手にうれしくなったりした。商店街の周りには、様々な季節の花が植えられ、それらが手入れされ、管理されていることを知り、感動した。お店の看板や花や木や特になんでもないものを、「きれい」とか「ここいいな」と思えばスマホで写した。いつの間にかそんな(変な)人に私はなっていた。この街のいいところを、みんなに見てもらいたいものを写真に撮りたい。いつからかそんなふうに思うようになっていた。この街が想い出の中の「好きだった街」から「今も好きな街」になっていた。


銀行だった建物に「蒸気浴NAGOMI」が
入っている
駅前のイタリアンレストラン「ぺスカ」 
ずっと変わらぬおいしさ。スープパスタが特においしい
緑が多く散歩したい場所 池には鯉が泳ぐ
 両側は商店街 中込駅から徒歩5分

 去年閉店してショックだった喫茶店の店舗が、温かくて素敵なカフェに生まれ変わった。その名もReborn Cafe。他にも、空き店舗に間借りレストランTonaRideができていたり、手作りおにぎりやさんや、デザートとドリンクが人気のおしゃれなカフェレストラン、メニュー豊富なとんかつ屋さんなど、よく見れば、この街には新しい魅力と古くから続く魅力があちこちにある。
 

「喫茶こまくさ」だった店舗に「Reborn Cafe」がオープン
懐かしい昭和のグッズも販売している
Reborn Cafeの手作り日替わりランチ
安心の素材を使ったお弁当、お菓子、ドリンクも
駅の隣には間借りレストランがオープン
日替わりで別のお店が入る 店名は「となりで」と読む(かつてビュープラザだった建物)

 中込は夜にも賑やかなことで知られた街だった。最近、夜に中込に繰り出すことがないので、今、どんなふうになっているかについて今の私は書くことができない。明るい時間帯に見る限り、スナック、バー、居酒屋等の飲食店の看板を掲げる店は今もとても多い。

3 新映画館ができる!

 惜しまれながら去年の秋、佐久地域唯一の映画館が閉業し、佐久地域は映画館空白地域になってしまった。
「映画館がない10万都市ってあまりに寂しすぎる。ここで育つ子どもたちはスクリーンで映画を見ることなく大人になっていくのか……」と嘆いていたら、救いの手が伸びた。  
 佐久地域出身の新海誠監督が関わる会社が動いてくださり、中込駅周辺に新映画館が設立されることになった。それを知った時、私は歓喜した。ありがたい。
 すでに準備室が設置され、2026年夏のオープンを目指しているそうだ。
 
 新映画館設立については、以下の記事をお読みいただきたい。

 新海誠監督が所属するコミックス・ウェーブ・フィルムは、長野県佐久市中込(なかごみ)地区での映画館設立と運営を目的とした新会社「CWF CINEMAS」を8月8日に設立した。今後は2026年夏ごろの映画館オープンを目指して、事業を進めていく。

 CWF CINEMASの代表取締役社長を務める川口典孝氏は「ここ20年の私のミッションは、3年周期で新海誠作品を製作し、日本中・世界中の観客に届けること。そして締めくくりに佐久市の映画館で監督の舞台挨拶を見届け、プロジェクトを終えることでした。しかしながら、2023年秋、長年お世話になったその映画館が閉館されました。あまりにも寂しいので自分で映画館を造ろうと思い立ちました」とコメントしている。

 取締役は中田賢司氏 m株主はコミックス・ウェーブ・フィルム、新海クリエイティブ、NT Holdingsなど。

 株式会社CWF CINEMAS 代表取締役社長 川口典孝
 いつもCWF作品を愛してくださって有り難うございます。
ここ20年の私のミッションは、3年周期で新海誠作品を製作し、日本中・世界中の観客に届けること。そして締めくくりに佐久市の映画館で監督の舞台挨拶を見届け、プロジェクトを終えることでした。
 しかしながら、2023年秋、長年お世話になったその映画館が閉館されました。あまりにも寂しいので自分で映画館を造ろうと思い立ちました。
 有り難いことに、映画館の再興を願っていた地元の方々とも繋がることが出来、この8月8日、佐久市に新会社を立ち上げることとなりました。
 これまで映画は作ってきましたが、映画館は初めてです。右も左も分かりませんが、地元の方々と一体になって精一杯やってみようと思います。
 どうかどうか応援してやって下さいませ。

株式会社CWF CINEMAS 取締役 中田賢司
 私は、地元の中込で自身の商店などを経営し、町興しにも取り組んでおります。
 この度は、川口さんとの出会いというとてつもないご縁から、映画館運営の一員として関わらせていただくこととなりました。佐久地域全体が盛り上がるよう、微力ではございますが開館へ向け尽力して参ります。
 いまはどんな映画館にするのか、地域と組んでなにができるのかをひたすら考えていて、多くの方が楽しめるような場所を作っていきます。
 ご声援をよろしくお願いいたします。

総支配人候補 堀雄太(CWF)
 アニメ―ション制作会社であるCWFが、ご縁ある佐久地域の方々と一緒に劇場を設立・運営するという新しい挑戦にワクワクし、日々、多くの人に助けられながら設立に向けて邁進しています。
 国内外のアニメーション作品の上映やさまざまな催しで、地元の方々に愛されると同時に、遠方からもお越しいただけるようなCWFならではの映画館を目指していきます。ぜひご期待ください!

AV Watch より引用

 新映画館設立をきっかけに、中込がますます素敵な街になっていくことが期待できそうだ。

4 高校生にも、いい街を通って気持ちよく通学してほしい

 中込が昔のようになってほしいわけではない。
 ただにぎやかになればいいとも思っていない。
 より「いい街」になっていってくれればうれしい。
 
 JR小海線中込駅は、橋を渡った野沢地区にある2つの高校、野沢南高校と野沢北高校の最寄り駅でもある。2つの高校は、4年後には1つの新しい高校に生まれ変わる。今とこれからの高校生たちにも、いい街を通って気持ちよく通学し、大切な青春の時を謳歌してほしいと願っている。

旧中込学校を模した喫茶店明正堂 
レトロな雰囲気が落ち着く
私が高校生の頃からからある喫茶店ぽえむ(2階)
中込駅から徒歩30秒。2階から駅が見おろせる
小海線のHIGH RAIL 1375は人気の特別列車
1375はJR最高地点の小海線野辺山駅の標高から

 「今も好きな街」を私はこれからも見守りたい。
 そして勝手に応援し続けたい。

◎お読みいただきありがとうございました。

      


 


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