【469文字の物語】 #8せつない、あるいはかなしい
♯8 マジックアワー
カナと私は親友だった。
高校の同じクラスで、吹奏楽部も一緒。
部活終わりは、よくふたりで河原の土手に座って夕焼けを見た。
「この時間帯って『マジックアワー』って言うんだって。魔法みたいに空の色が変わってすごくきれいだよね。私、この時間が一番好き」
ってカナは話していた。
カナは活発で、明るくて、おもしろい子だった。
カナといるときが、一番楽しかった。
いろんな話をして、笑い合った。
なのに、私たちの関係は壊れてしまった。
高3の6月、きっかけは些細