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カズコさんの被爆ピアノ ~「9月の風 平和コンサート」を聴いて~
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「9月の風 平和コンサート」を聴きに行った。プログラムは以下の通り。
①講演「平和の使者 被爆ピアノと私」 講師 被爆ピアノ管理者・調律師 矢川光則氏
②被爆(ひろしま原爆)ピアノミニコンサート 8名の応募者によるピアノ演奏
③「戦争を詠み 慟哭の声を聞く」 詠み人・司会 アナウンサー 佐藤真生さん ピアノ ピアノ講師 原いづみさん※ちいちゃんのかげおくり 「八月 原爆詩集」より、 「第二楽章 ヒロシマの風 長崎から」より
ピアノ調律師で被爆ピアノ管理者の矢川さんは、被爆ピアノ12台のうちの7台を管理している。その他に原爆資料館の地下倉庫には、被爆時にガラスが突き刺さったままの演奏不可能なピアノなどが保管されているそうだ。この日ステージ上にあったのは、矢川さんが2007年にカズコさんから託された、カズコさんの被爆ピアノだ。広島駅前の再開発で立ち退きをすることになり、その際に託された。ピアノは広島市南区段原山崎町、爆心地から2.6kmでカズコさんとともに被爆。カズコさんは、昨年96歳で亡くなったとのことだった。
矢川さんは、このピアノをトラックに積んで全国をまわっている。前夜も夜9時までコンサートを行い、寝ずに移動したという。静かな語り口の中に強い意志が伝わってくる。大切なことをできるだけ多くの人に伝えたいという情熱がなければ続けられないことだ。
ミニコンサートでは、8人が原爆ピアノを弾いた。演奏後のインタビューでも、平和への願いがそれぞれの言葉で語られた。世界が平和でないことに心を痛め、日本が平和だからこのようなコンサートができるのだと語った。演奏に平和への祈りが込められていることが伝わった。素晴らしかった。
休憩なしの約1時間半のイベントが終わると、ステージ上のピアノを近くで見たり、写真を撮ったりする時間が与えられた。ピアノは演奏が可能なまでに最小限の修理が施されてはいるが、できるだけ元のままの姿を残しているということだった。近くで見ると傷がついていた。こうして全国をまわり、戦争と平和についてみんなに考える機会を与えてくれるカズコさんのピアノに感謝したかった。そして、このピアノにたくさんの思い出があったであろうカズコさんの冥福を祈った。
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