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ウジャイ呼吸

考察録2のヨーガ的AEO訓練法では、呼吸法は一切お伝えしていない。それは、AEO体得にとって呼吸法はとくに必要ないからだ。変な呼吸法を習って呼吸に変なクセがついてしまったり、とらわれてしまうほうがよくない。であれば、最初から何もやらないほうがよい。

とはいえだ、個人的には呼吸はとても大切にしている。瞑想を始めた当初から、自分の呼吸のクソさ加減に気づき、徹底的に改善しようと決め、それからは日常の呼吸をウジャイ呼吸で行うようになった。ウジャイだと息のコントロールや呼吸筋群と息の連動が容易になるからだ。そして不思議なことに、恍惚体験を経るごとに、僕の呼吸はだんだんと完璧なものに近づいていった。AEO体得後は特に、呼吸の成長が加速している。

ここで注意していただきたいのは、「呼吸法」と「呼吸」は違うということで、僕がおすすめするのは「呼吸」だ。ウジャイ呼吸も「呼吸法」の部類に入るだろうが、日常化することでそれは至高の「呼吸」になっていく。

なので、ここで触れるのは「呼吸」である。

ウジャイは軟口蓋を自在に動かすことで様々に息を当てる箇所を微妙に変え、息が出る量やスピード、息が上咽頭や鼻腔に当たって鳴り響く音を微妙に変化させたりする、奥が深くて高度な呼吸だ。ひと息1分とか2分といった長い呼吸ができるようになる。

実際にどういう呼吸なのかは各自youtubeなどで確認してほしいのだが、ウジャイは「赤ちゃんの呼吸」とか「寝ている時の呼吸」などと表現される。

簡単に体験するには、口から息を吸い、吸っている途中で口を閉じて口から息を吸えないようにすると自然と鼻呼吸に切り替わる。そして吐き出すときも上咽頭付近に息を当てて音を出す。軟口蓋は上にせり上げ、鼻腔を塞ぐ形をとる。簡単に言えばこれがウジャイだ。

ただ、上記でも説明したように、ウジャイは軟口蓋を使って息を当てる場所を様々に変える。それは上咽頭から喉仏付近まで様々だ。また、ウジャイでは臍下丹田を直接ピンポイントで刺激することができるし、そこから頭頂まで1本の筒を作ることもできる、やればやるほど奥深い呼吸だ。

では、AEOのためにウジャイをやるその意味はなんなのか? それは主に以下の3点である。

・的確な丹田の刺激
・息と横隔膜、腹筋、その他呼吸に関わる筋肉群のきれいな連動
・軟口蓋のコントーロール(完全な呼吸の抑制)

ほかにもいろいろあるが、この3つが特に大きい。軟口蓋の運動はAEO発現にとって重要である。これを自在にコントロールする能力は、AEOのコントロールに直接結びつく。深いウジャイを2、3回程度するだけでもAEOが発現するようになる。

ただ、日常の呼吸をウジャイにするのにはそれなりのデメリットもある。

・常にボーっとする
・初期は軽い片頭痛
・ある程度の期間、息苦しさを感じたりもする
・呼吸にとらわれ、不自然な呼吸になったりもする
・ボケっとする時間(DMNの時間)が減る(ボケっとするのは人間にとって大事)

これに耐えた暁には、普段の呼吸が至福に変化していくが、それまでの道はなかなかに険しい(笑)。だからあまり、人にはおすすめしないのである。実は考察録2の初稿では、このウジャイ呼吸を入れていた。でも、考えに考えた挙げ句、削除した。それくらい、僕にとっては重いのである。

そのうち、みんな大好きカパラバティについて書こう。大抵の人はカパラバティだけやっているようであるが、あれはもうひとつのある呼吸法とセットで行わなければその本質から外れてしまって意味がない。本質というのはクンダリニー、つまりAEOである。では、また。


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