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147.世界救けのパラドックス
相も変わらず娘の友達の親御さん達仲良しグループは、休日の度に会場を各家庭持ち回りにしてホームパーティーに興じ、ワイワイ親密にしている。
誰かの家のリビングで遅くまでワイワイ賑やかしくしたり、誰かの家の庭でコンロを囲んでBBQをしたりと、とにかく楽しそうにやっているご様子。
妻はよく、娘達を連れてそういった集まりに顔を出す。
そんな日は、冷蔵庫の残り物を片付けるようにして、テレビを観ながら静かな夕食をしているピーナッツ。
まあ、長男はそこのホームパーティーズの親御さん等と関わりがないので、二人でご飯を食べているわけだけれど。長男ひとり置いていくわけにもいかないからこういう形になるのは当然だった。
コーラとポテチを広げて長男と二人で色んな映画を観ていたりした。
それに、如何せん宗門の徒であり、日頃から宇宙意識的な観念と戯れてばかりの非リア充である私には、おおよそ不釣り合いな会合だと一歩距離を置くように敬遠していた。「長男置いていけないでしょ」は真っ当な理由であると同時に、参加せずとも角を立てることのない都合の良い言い訳でもあった。
そんなある時、いつものように集まりに参加していた妻が、ふとしたキッカケで夫である私の職業を誰かから尋ねられ、「天理教のなんかをやってる」的なことを言ったことで、何やら意外にも興味を示されたようだった。
「今度は旦那さんもここに連れてきてよ」
「天理教ってどんな話するのか知りたい」
とかなんとか、そんな反応だったとか。
その時のエピソードをこちらの過去記事あとがきでちょいとだけ触れています。その時、妻は天理教のことをなんて説明したのでしょうか…。
後から聞いて私はびっくりしていましたよ↓
ホームパーティーズのメンバーの一人のお母さんが、
「そういえば旦那さん、車で走ってると〇〇町の辺りを歩いているところを時々みかけるよ」
という目撃証言が寄せられる。
○○町…あぁ、それ誠錬寮の近所の…。
戸別訪問している時、歩いていて見られていたのか💦
リア充な妻とは打って変わり、他の親御さんとはほとんど交わることもなく(本当は人見知りな性分なんで)、その不可解な時間帯の行動パターンやら、謎の存在感(学校行事の時もまるで空気みたいに意識的に影を薄くして気配を消している)に、どうやらミステリアスな印象をもたれていたようだった。
そんな彼等が抱いていた長年の謎がついに氷解の時を迎えた。
“そうか、宗教やっている人だったか‼”
きっとその瞬間、彼等の頭上には電球マークが灯っていたに違いあるまい。
しかしながら、ここに新たな問題が生じる。
「一度連れて来てよ」
…等と言われてもだ。
果たして、この世間の流行に疎く社会性にも乏しい宗教の人が、当世風の粋なお父さんお母さん等の輪の中に参集したとて、小粋な話題を共有できるのだろうか。
私は時々遠くからそっと彼等のことを見ているから、よく知っている。
あの人達は格好いい。
休みの度にホームパーティーを開いては仲間を増やし、コミュニティを盛んにすることに余念がないお父さんお母さんばっかりなんだ。
輝いているじゃないか、実に。
なんかさ、陽気じゃんソレ。
楽しそうにうまいことやっているじゃん、なんてこった‼
片や、私の方はどうだ?
彼等のようにはやれていない。
だって、残念なことに天理教は土日を利用して行事ばっかり開催しようとするじゃないか。縦も横も、直属も教区も支部も、各会も、みんなしてひっきりなしに行事やって休日を忙しくしようとするじゃないか。そうやってこれでもかと言わんばかりに行事を食い込ませてくるけど、リア充はいつもあんなんだからそんな行事になんか来ないよ!
内向きな活動のスタッフとして追われて、教外のそういった楽しそうな繋がりの場に足をのばす余裕とてない。実に残念なのだが、人との接点の機会を狭めざる得ないのが現状だ。
本当なら、外へ外へと向かってこそ、世界救け本来の躍動である筈なのに。
この本末転倒な現状はきっと瓦解した方がいい。
そして彼等の住む領域へと誘われた方がいい筈なんだ!
【2018.6】
おまけ
当時の苦悩を思い出す度に、ほろりとします。
行事が忙しくて他の人と遊ぶ機会がないことに、妻も「これだから天理教は!」と苛立ちを募らせていました。
いまでは私の意識も大分変わり、もっと家族やひとりひとりのことを大切していく方で物事を判断するようになってきました。
天理教のために人がいるんじゃない。
人ひとりひとりの生き方を支えるために天理教があるんだ、ってね。
あの行事総崩れだったコロナ期間は一筋の光明であり、覚醒の時だったと感じています。
まあ、また追々書いていきますね、そこらへんの意識変革についても。
今日は午後から次男の参観日なのでこれから行って来ます。
というわけで今回はここまで。
お付き合いいただきありがとうございました!
それではまた(^^)