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001:ランドルという車を探すシゴト

ランドルという車を探すのが僕のシゴトだ。

ランドルールという車が、都会では良く走っているのを見かける。僕はその車が好きなのか分からないが、ある日、俄然、探し始めたのだ。

車に興味がない人間が、興味を持ち始めるというのはこういうことかもしれない。

ランドルを探すとはいえ、探しにいく感覚ではない。
散歩していて道路を走っている車を時折、本当に自分が気になるタイミングで、あとは視界に入った時に、見るということをしている。

探すというよりも、あった、みつかった、みたいな感覚を得るために「探している」といったほうがいい。

探し始めて、ランドルに詳しくなった。そして、今では型番や年代はもちろん、価格帯、メーカーの思想まで述べられるようになった。なぜか?面白かったからとしか言いようがない。友達や家族にはあまりそのことはいってない「変わっているねえ」としか言われかねないからだ。

良くないことではあるが使える車だからこそ、犯罪組織も目を付けていてこのランドルを好むらしい。だからそれと間違われないのも重要だと思う。冗談ではないけれど。ただおかげで、ランドルについて詳しいということから、車についてのコメント、それこそ取材記事などを書くようになったもの、ランドルのお陰様だ。メーカーに足を向けて寝ることはできない。

ある時は、強盗犯の逃走車に出くわすシーンがあった。ランドルに似ていたが、ランドルかどうかの目撃情報で警察側から意見を求められた。ランドルに詳しいことがここでも役立った。正直うれしい。

漫画やアニメなどで、作中の車としてもランドルを出したいこともあるようだ。その時にどういうランドルがいいか、適切かみたいなこともアドバイザーとして関わることになった。

最近では、車両判定AIなども進化している。一方でわからないとか判定できないとか、さらに判断を高めたい時は、僕がそのランドル判定などのコツをAIに教える業務なんかもしている。

車を探すことがシゴトになるとは思っていなかったし、どういうきっかけで興味がない「車」に興味を持つかはわからない。だから僕からいえることは、一つ。「興味がない」でなくて、「面白いっぽい」ならやってみたら。

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