【はじめに】能力が要らないタロットの遊び方
スピリチュアルな世界の類(たぐい)は、小さい頃から比較的信じる方だった。能力のある"らしき"人が実際に身近にいたし、魂やオーラみたいなものの存在をなんとなく「あるんだろうなぁ」と思う程度には信じている。
信じてはいるものの、私には能力がなく、自分や、まして他人の過去そして未来を言い当てたりアドバイスをするなんてことは一切できない。
そんな私がタロットをする理由は一つ。自分や自分に起こっていることを客観的に捉え、納得のいく答えや選択に導くためだ。要するに、タロットは思考の整理を手伝ってくれるのである。
人は誰しも、他人のことは「こうすればいいのに」「あんなことしなきゃよかったのに」等と他所(よそ)から勝手に考えたりするのに、自分のことはすぐには客観視できない。そこには他人には分かり得ない、自分しか知らない感情や思考があるからだ。それは時に、冷静な判断を鈍らせ、相手や自分を傷つけることがある。
人生は、選択の連続だ。まだこの時代に生まれて30年ぽっちしか生きていないけれど、本当にそう思う。すべての選択が正しいか間違っているかなんて分からないし、なんなら正解も間違いもないのかもしれない。だけど、「あの時ああすれば良かった」なんて後悔を感じたことのない人は少ないんじゃないかと思う。これを読んでくれているあなたも、できることなら後悔の少ない人生にしたいと思っているんじゃないだろうか。
さて、そろそろ本題に入るが、タロットというのは合計78枚のカードで構成される。その中の22枚が特に重要な意味を持つ「大アルカナ」と呼ばれるスタメン勢である。この連載では、私が毎晩実際にやっているのと同じように、1日1枚カードをめくり、その絵柄やカードが持つ意味からイメージを連想させて読み解いていく。予めお伝えしておきたいのが、カードの読み方に正解はない。ある程度の定説や最低限の理解は必要だが、そこから何を感じどう理解するかは読み手に委ねられている。私のカードリーディングを1つのサンプルとして、いろんな捉え方で思考の整理に役立ててもらえたら嬉しい!
~第2話へ続く~