コロナ禍で難病と診断されるまで③

の続き

◆2021年4月25日
座っているときの違和感が消える。座り続けていても、辛くない。
歩いているときの違和感も殆ど感じず、排尿痛さえなければ!という状態までになる。食欲が徐々に戻ってきた。正確に言うとこれまでも食欲はずっとあったのだが、排尿痛が辛いため意図的に何か口にするのを最小限にしていた。

◆2021年4月26日
久しぶりに仕事を再開する。上長や会社の偉い人がとても心配してくれていたので、「ベーチェット病という病気の疑いで、通院が続いています。」と説明。会社の方々の温かい心遣いと、在宅勤務という勤務体制に有難さを感じた。思えばコロナが流行らなければ在宅勤務にもならなかったわけで、不本意ながらコロナに助けられてばかりいる。
トイレで排尿する勇気はまだ出ない。徐々に痛みが引いているのを実感しているが、予定通り生理がきてしまったので、生理のせいで治りが遅くなったらどうしよう、、、と心配になる。シャワーで洗い流されてしまうため、トイレのたびにステロイド軟膏を患部にぐりぐり塗りまくった。こんな時でも予定通り来る生理、滅んで欲しい身体機能オブザイヤーNo.1。

◆2021年4月27日
トイレで排尿ができるようになる!
痛みはゼロではないが、ピーク時の痛みが100だとすれば20程度になった。いちいち風呂場へ行ってシャワーをあてながらでないトイレは実に簡単で、当たり前の行為ができることに感動した。生理の血で流れてしまうことを危惧し、トイレのたびにステロイド軟膏をぐりぐり塗り続ける。

◆2021年4月28日
まだ少し痛む。陰部潰瘍の痛みが引いていくにつれ、切り取った部分の皮膚が痛む気がする。無意識に手で押さえる癖がつく。
また、私は生理のたびに背中ニキビができていて、ニキビ痕も茶色いシミのように残っていたのだが、プレドニンを飲み始めてから綺麗になくなった。驚いた。一時期は美容皮膚科へ行こうか悩んでいたレベルだったのに。

◆2021年4月30日
通院日。皮膚科で主治医に陰部潰瘍を見せると「潰瘍が劇的に良くなっています!ボコッと窪んでいた潰瘍の部分から、新しいお肉がでてきていて、今まさに再生しているところです。」と言われ、とてもハッピーになる。事実、29日の時点で痛みはなくなっていた。
首元の皮膚炎症も、すっかりよくなっていた。生理のたびにできていた背中ニキビ&ニキビ跡が、プレドニンを飲み始めてからすっかり良くなったことを主治医にさりげなく伝えると
「生理前~生理中に免疫力が下がって、炎症症状が出やすい体質なのかもしれませんね。」
と言われる。これには凄く心当たりがあって、高校生の頃には生理のたびに水を飲むのも苦痛なほどの扁桃炎を起こし高熱を出して、全摘手術をするまでになった過去があった。生理、諸悪の根源過ぎる生理はクソ。ついついお口が悪くなってしまいます。

症状が回復に向かっているため、一日あたりに飲むプレドニンの量を20㎎から15㎎へ減らすことに。

◆2021年5月1日
彼氏と住んでいる家へ帰る。
陰部潰瘍ができた場合、いつから性行為をしていいのか主治医に聞けなかった上に(母も同行していたので…)ネットで調べても調べても出てこない。

お互い我慢できず、私も痛みを感じていなかったので性行為をする。(ベーチェット病の陰部潰瘍はウイルス性ではないため、他人に感染しません。)
久しぶりだったためか、圧迫感がいつもより強かったかもしれない。違和感や痛みはなし。行為後ティッシュに少量の血がつくが、いうて生理終わりかけなので生理の血だと思うことに。

◆2021年5月4日、6日
それぞれ1日に1回性行為をする。痛みはないが、行為後ティッシュにすっごく水っぽい少量の血がつく。とはいえ、陰部潰瘍ができる前から少量の血がつくことがあったため、潰瘍のせいとは言い切れない。ぶっちゃけ陰部から血が出ても最早何も思わない。生理は身体のクソバグ。ついつい、お口が悪くなってしまいますわ。

◆2021年5月7日
通院日。
「陰部潰瘍、綺麗に治っています!」と主治医に言われ、ハッピーになる。プレドニンの量をさらに減らし、1日10㎎へ。
GW中、実家にステロイド点眼を忘れてしまい、点眼を指していない間ずっと左目がボヤっとするような、瞼が怠いような違和感があった。6日に実家へ帰って即点眼すると治った。眼科でその話をし、また色々検査をすると、左目の炎症は完全に治まっていないと言われる。日常生活には支障がなく、視力低下もなし、ステロイド点眼をすれば問題なさそうなため、薬を増やすことなく経過観察を続行することに。

◆2021年5月14日
通院日。
今日は久しぶりの採血日で、採血の苦手な私はちょっとドキドキ…。

いざ、採血。
「今日は5本分とります」という看護師さんの言葉に「多いな?!」と思い、緊張。というか若い女性看護師さんで、その方の緊張が私にまで伝わってきてしまった。私の血管は見つけづらくないはずですが、左手でダメで、「採血者交代します!」と宣言される。
まじかよ、また打つのかよ!と思い、今度はベテランそうな、おじいさん看護師がやってくれたものの、血を抜かれている間にどんどん気持ちが悪くなって強い吐き気・目眩が。
初めて、血管迷走神経反射を起こしました。
呼吸が浅くなり、手先が細かくブルブルと震えて、手汗が大量に出る。気が付いたら大勢の看護師さんに囲まれて、近くのベンチに横にしてもらっていた。採血室の外で待っていた母にも来てもらい、15分ほど横になっていたら痺れが治まりました。今後ますます、採血恐怖症になりそう…。

念のため、車椅子で皮膚科へ移動。

この日にようやく検体検査の結果が出て、皮膚科ではその結果を報告していただきました。皮膚の断面の模型を見せてくれながら丁寧に説明してもらい、丁寧に説明してもらったけど覚えているのは「脂肪の層まで炎症が起こっており、ベーチェット病患者の典型的な炎症との検査報告です。」というもの。

こうして、正式に私の病名が「不全型ベーチェット病」とわかりました。

最初に症状が出てから約1ヶ月かかりました。
ベーチェット病は特定が難しく、人によっては何年も病名がわからない方もいるそう。私は早めにわかった方なのかな?
大学病院へ紹介状を書いてくださった婦人科の先生には本当に感謝しています。

そして世界中で新型コロナウイルスが蔓延している中、私みたいにコロナとは全く無関係の難病にかかる人も迅速に処置を受けられたのは本当に有難いことです。日本の医療制度の素晴らしさと充実さをしみじみと体感しました。医療従事者の方には感謝してもしきれません。

ベーチェット病は治らない病気です。寛解期をいかに長く保ち、症状が再発したらいかに早く抑えるかが肝心だそう。症状も人それぞれなので、対処の仕方も予防も人それぞれです。ちなみに私は、95%以上の確率で出現する口内炎症状は一切ありませんでした。口の中の違和感はゼロ。(これはありがたい)人生で一度も虫歯になったことないのが関係しているのかどうか…。
死ぬまで付き合っていかなくてはならない病気なのです。今後もなにかあれば記録として残そうと思います。


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