ねぇ、ラプラス。
これ、今書いてる物語に入れ込みたいんだけど、どこにも全然ハマらないのでアップします。
もしピンッと来た方いらっしゃいましたら、ご自由にお使いくださいm(_ _)m
以下本文。
ねぇ、ラプラス。
全ての始まりと、全ての終わりを理解する、と言うことは、とても大変でしょうね。
途方もなく、膨大で、その身を焼かれるような苦行でしょうね。
知識は時に人を苛むものよ。
だってあなたがわたしと共に存在している現在だって無数に存在している。
平行線状に、それはもう数えきれないほど無数に存在している。
わたしと共に存在している現在も・存在しない現在も。
今ここに存在していながら、全ての過去・全ての現在・全ての未来:その全てを把握し熟知していると言うことは=わたしたち人間の人智を遥かに越え過ぎているから、わたしには到底理解することは出来ないわ。
───生まれたてのラプラスは膨大な記憶に酔って、その口からどばっと吐瀉物を吹き出した。
───(彼/彼女)の脳内へ、どうどうと音を立てながら途方もない記憶が大河の如く流れ込む。
───抱えきれず、吐き出しても、容赦なく、引っ切り無しに流れ込んでくる。
そうしてラプラスは、心を失い、自我を失い、やがて魂までも失って、『記憶装置』となってゆく。
無情で・無慈悲な、:感情の消え失せた=『記憶装置』となって行ってしまったのだ。
この日、アカシックレコードを自らの身体に融合させられた、『記憶の怪物』がここに誕生した。
しかし、それも全て『神の思し召し』でなのである。