【子供のことば】「ちっち」は小?大?
現在2歳の次男ボンちゃん、ちょっと言葉が遅めですが、意味の分かる言葉を発することが増えてきました。
そこで今日は、いつも翻弄されている彼の「ちっち」について、言語習得の話を織り交ぜながら書いてみようと思います。
「ちっち」が小なのか大なのかわからない
ボンちゃんは、昼も夜もバリバリおむつで生活しています。
でも、幼稚園では昼寝から起きるとトイレでおしっこができるらしく、オムツを替えているとトイレを指さしたりするそうです。
1歳にはおむつを外す国があることを考えると、2歳過ぎてほとんどまだトイレトレーニングに突入していないのは遅いよなあと思いますが、トイレトレーニングは結構大変で親も心が折れるのでなかなか始められません。
ボンちゃんは家でもよく「ちっち」と言って排泄状況を報告してくれるのですが、現在は事後報告なのでトイレに連れていく機会がありません。
ここで謎なのが、この「ちっち」は小なのか大なのか?という問題。
報告を受けて確認してみると小の時もあれば大の時もある・・・でも母からするとこの2つはその後の行動にかなりの違いがあるので知りたいところです。
幼児語は子育てのことばである
「幼児語」とか「赤ちゃんことば」と聞くと、幼児や赤ちゃんが話していることば、発音しやすいことばだと考える人が多いと思います。
確かにそれもあると思いますが、むしろ「幼児語」は「子育ての言葉」であり、幼児が考えて発した言葉ではなく幼児の周りが使用している言葉なわけです。
幼児は大人の言葉を真似る過程で、聞き取れる音や実際に発音できる音を発していくようになります。
そのため、幼児語は大人が用いる同じ意味の言葉よりも発音しやすく、擬音語や擬態語からの派生が多く見られます。
例えば「ブーブー」とか「ニャーニャー」は擬音語ですし、「あんよ」とか「まんま」は「足」「ごはん」よりも発音しやすくなっています。
幼児の発音しやすい音
赤ちゃんが発する「ばー」とか「まー」「あー」のような言葉を「喃語」と言い、まずは母音と両唇音から出てきます。
母音は日本語では「あいうえお」、両唇音は上唇と下唇を使って発音する音でパ行、バ行、マ行です。
なので、赤ちゃんにとって必須の言葉はどこの国でもたいていこの音からできています。
代表的なものが「パパ」「ママ」、そして日本語だと「マンマ」ですね。
時々、おじいちゃんが「ばあばと言ってくれるのにじいじと言ってくれない」と悔しがる話を聞きますが、これはおばあちゃんのほうが好かれているからではなくて単に「じ」の発音が「ば」よりも難しいせいだと思われます。
ちなみに、最も習得が難しい音は破擦音である「つ」だと言われています。
口の中で舌が動くラ行なんかも難しい音の一つだと思います。
小さい子が「こえ、ちゅかってうー」(これ、つかってる)と拙い発音をしているのはたいていこれらの音が多いです。
幼児が使う言葉は簡単な発音のものが多いのですが、日本語の幼児に話しかける言葉には、幼児にとって発音しにくい音も結構あると感じます。
例えば、「もぐもぐ、おいしいねー」とボンちゃんに話しかけても、ボンちゃんは「しー!」で終わり。
これが英語だと「yam yam...yammy!」となって、発音面からすると幼児に寄り添っています。
改めて「ちっち」を分析してみる
ここで再度「ちっち」について考えてみると、元の言葉として次なようなものが思いつきました。
・おしっこ
・しーしー (小の音)
・うんち
・ばっちい (触ろうとするので阻止するときに使う)
排泄時に声がけする言葉には、「ち」に派生する音が多くて、ボンちゃんの中ではどれも「ちっち」になっているのではないかなと思いました。
例えばここで、家では小のことを「じょー」という言葉に統一して繰り返し聞かせたら、小の時は「じょー」、大の時は「ちっち」というふうに報告するようになるかもしれません。
ちなみに、イタリア語では小は「ピピ」、大は「カカ」。※あくまでも話し言葉
発音しやすいだけでなく、すみわけもしっかりできています。
もう少し幼児寄りの幼児語で、しかも大人も理解できる言葉がたくさんあるといいなあと日々模索しています。
以上のように我が家では子供の重要イベントである排泄の言葉が紛らわしいという実態ですが、子育ての言葉は人によっても異なりますし、地域差もあるようです。
この記事を読んでくださった方、おうちではどんな言葉を使っているのか、共有してくださると嬉しいです。
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