お金の尺度が通じないコミュニティは気をつけよう!
労働者は雇用者に雇われ、労働の対価として賃金をもらいます。同様にフリーランスであれば業務委託や請負という形で、仕事に対する対価としてお金をもらいます。そのお金で、衣食住を賄ったり、あるいは娯楽に興じたりします。
資本主義の原則です。都会で生きていれば、これは当たり前の話です。田舎に行くと、この当たり前が当たり前でなくなることがあります。田舎移住を考えている人は、ひとつの注意事項として読んでもらいたいなと思います。
農家さんの野菜を無料でもらうということの問題
田舎では、農家さんが商品にならない(とは言え、ほんの少しの傷で味に問題ないなど)野菜などをお裾分けしてくれたりします。でも、それは本業の商品を無料でいただくということです。
もし、あなたが田舎移住をしたとして、農家さんの野菜を無料でいただくことが常態化してしまったら、あなたはその農家さんに対して、本業の仕事をした時、そのお金を農家さんからいただけますか?ということです。
もしクリエイターが田舎移住したら
ひとつ具体例を出して話したいと思います。もし、1人のクリエイター(仮にWEBデザイナーとしましょう)が田舎移住をして、コミュニティ内の農家さんから商品にならない野菜を無料でいただくことが常態化していたとしましょう。
なんとなく、田舎のいいところで野菜のお裾分けだぁと何も考えずにいると、ある日その農家さんから、ネット販売で野菜の直売をしたいからホームページを作ってくれないかと頼まれたました。
その時、そのクリエイターはその農家さんからきちんとお金をいただくことができますか?
ただでさえ、田舎の人付き合いは難しいと言われています。その状況で、どういう選択肢を取るかは本当に難しいと思います。
もし、都会での生活通りお金をいただいて仕事を請け負った場合、その農家さんとは今までと同じようなお付き合いはできますか?その後、農家さんが野菜を無料でお裾分けしてくれたら、次も無料で受け取りますか?お金を払いますか?
もし、いつも野菜を無料でいただいていることが後ろめたく、無料でホームページを制作した場合、いただいた野菜の金額と制作代はバランスは取れていいますか?もし、別の農家さんが噂を聞いて、あなたにホームページ制作を依頼してきたら、次も無償で受けますか?どこで線引きをしますか?
個人の思想にもよるし、コミュニティの雰囲気もある
持ちつ持たれつ、お裾分け、助け合い、これは田舎のいいところではあります。しかし、気をつけないとその文化に足をすくわれることになります。そして、この文化は田舎は全てそうだというわけではないです。
移住した地域のコミュニティの雰囲気であったり、特定の人の個人的な思想によるものだったりします。
何度も僕がnoteで言っていることで、現地のオフラインでのリサーチを入念にしてくださいというところに繋がってきます。たまたま移住先は大丈夫だったと、ギャンブル的に移住するのではなく、きちんと見極めてから移住をするようにしましょう。
まとめ
僕は、田舎で活動する場合、農家さんから無償で野菜を受け取るということはなるべくしないようにしています。お手伝いの返礼としてや、趣味の家庭菜園の野菜は別ですが、プロの商品に対しては知り合いや仲間内でも、きちんとお金を払うようにしています。そうしないと巡り巡って、最終的に自分のプロの技や商品を無償で提供するサイクルに入ってしまいます。そのサイクルに入ると、とにかく忙しいのにお金がないということになりかねません。
そして、例え田舎であってもお金でないと払えないものは都会とさほど変わらないです。日用品の購入、携帯代の支払い、光熱費、燃料代、税金、などなど、無償でいただいた野菜が山程あって生きていくことはできても、これらの支払いができないのであればそれは生活が成り立っていないということです。
この記事が、田舎移住を考える人の助けになれば幸いです。