心不全療養指導士 認定試験ガイドブック第4章 ~心臓の働き・後負荷について~
心臓ってどんな働きをしてるの?
心臓は血液というとても大切な液体を全身に送るポンプです。
しかも心臓は前負荷、後負荷、心収縮力、心拍数などの機構によって心臓のポンプ機能を代償しているのです。
今回はその中でも「後負荷」を見ていきましょう。
こんにちは
心不全患者さんが幸せになれるよう
日々勉強中の飯沼です。
心不全療養指導士 認定試験ガイドブックの
心臓の構造の部分を参考にして
心不全に関わる知識のまとめ、心不全療養指導士試験の予想問題を作成しました。
それでは見てみましょう!
心臓の働き
心臓ポンプ機能の調節因子
心臓の働きの本質って何でしょうか?
そのひとつは、体のそれぞれの大切な臓器に血液を届けることではないでしょうか。
なぜなら血液は細胞が活動を続けるのに重要な酸素や栄養素を運び、二酸化炭素や不要な代謝物を回収するという役割があるからです。
運動時の筋肉の酸素需要の増加や外傷による出血での循環血液量の減少など、体内の様々な変化が生じた際に起こる様々な変化に対応するため、心臓にはポンプ機能を調節するいくつかの機構が備わっています。
だって、心臓に何か不具合が起こった際に「血液送れませーん」ってなったら、生命を維持するのが難しくなってしまうんですから。
そこで前負荷、後負荷、心収縮力、心拍数があるのです。
ご存じでしたか?
前負荷、後負荷よくわからないという方は多いですが、前負荷、後負荷は心臓のポンプ機能を代償するためにあるものだったのです。そう思うとしっかりと理解しなくてはと思いますよね!
後負荷
後負荷とはガイドブックによれば「心筋の収縮開始後に心筋にかかる負荷のことであり、心室が血液を駆出するときに打ち勝つべき抵抗(正確には収縮中に心室にかかる壁応力)である。」とあります。
「はい、わからん。もういいや。」ってならないでください!
前負荷と後負荷を理解するときのポイントは、
「いつ?」
「どこに負荷がかかるのか?」
を押さえることでしたね。
その文脈で後負荷をとらえると
「いつ?」→「心臓の筋肉が収縮開始後(収縮中)」
「どこに負荷がかかるのか?」→「心臓の筋肉にかかる負担」(心臓の内側の壁にかかる壁応力)
となります。
血圧と血管抵抗
後負荷にかかわる心臓の収縮時は、大動脈弁が開いているので
左室内圧≒大動脈圧(血圧)
なので、血圧が後負荷の指標として用いられます。
また、血圧は
の式で表されるため、血圧の構成要素の全身体血管抵抗も後負荷の指標になるのです。
計算式を出して余計わかりにくくなったという方もいらっしゃるかと思いますが、下の図を見てください。
血管抵抗はホース出口の狭さ
血圧がホースの中の水圧
に例えると「後負荷が高い状態」とは「ホースの出口が狭く」「ホースの中の水圧が高い」状態になります。
血管は収縮・拡張の機能がありますが、交感神経が働いて血管が収縮をしていると後負荷が高くなるのは、上の図のホースの出口を狭くしているのと似ています。
血圧と1回拍出量の関係
臨床的には血圧と1回拍出量との関係は下の図のようになります。
この図によれば平均血圧を下げる(後負荷を下げる)と1回拍出量は増加します。(青の矢印)
高血圧性の心不全(CS分類CS1)の患者さんに対して血管拡張薬によって血圧を下げる治療を行う理由は、血管が拡張して血圧を下げることで後負荷が減り、心臓への負担が減って、なおかつ一回拍出量が増えるためです。
いかがだったでしょうか?
後負荷を理解するのに少しでもお役に立てたのなら幸いです。
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