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心不全療養指導士 認定ガイドブック 第6章 ~禁煙支援~

こんにちは
心不全患者さんが幸せになれるよう
日々勉強中の飯沼です。

心不全療養指導士 認定試験ガイドブック第6章
心不全の療養指導 ~禁煙支援~
まとめと勝手に予想問題、さらに、試験を思い出して作成した過去問です。

禁煙を支援する際、困った経験ありませんか?

自身の健康のためにも普段喫煙されている方にも必見です!

それでは見てみましょう!


禁煙について

ガイドブックには「喫煙は心血管疾患の危険因子であり、心不全進展ステージのいかなる段階においても積極的に禁煙を進めるべき。」と書かれています。6章では、なんと6ページにもわたって書かれているため、その重要性が伺えます。

見て見ぬふりをしてしまいがちですが、たばこの箱にはこう書かれています。

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私も禁煙経験者ですが、禁煙の方法にはいろいろあります。
私は当時流行った「禁煙セラピー」という本を読んで禁煙しました。
喫煙のリスクと損失について、禁煙によって得られるベネフィットと喫煙の害が懇々と説明されている本で、良い方向に洗脳されていく感覚でした。


喫煙による心血管系への影響


たばこの煙に含まれている有害物質は「ニコチン」「タール」「一酸化炭素」が3大有害物質とされています。その他、200種類以上の有害物質と40種類以上の発癌性物質が含まれています。主な心血管系への作用は以下の通りです。

ニコチン:血中に吸収された後、副腎を刺激し、カテコラミンによって末梢血管の収縮、血圧上昇、心拍数の上昇(下図)

一酸化炭素:血中のヘモグロビンと強力に結合するため、動脈血の酸素欠乏状態を引き起こし運動耐容能を低下させる。

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循環器疾患の禁煙の効果


ここでは、せっかくなので禁煙することで得られる良いこと!
禁煙の効果を「American lung Association」がまとめてくださっているのでご紹介します。

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1年間の禁煙という比較的短い期間で狭心症や心筋梗塞のリスクが減るというベネフィットが得られることはしっかりと伝えていきたいですね!


心不全疾患管理の中での禁煙のエビデンス


ガイドブックには載っていませんが、エビデンスレベルも確認しておきましょう。

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減塩や節酒が推奨クラスⅡaであるのに対して、喫煙はクラスⅠの推奨度となっており、禁煙が有効であると推奨されています。


禁煙支援の具体的方法


それでは具体的にどうやって禁煙を支援していけば良いのでしょうか?

指導をして嫌がられてしまった経験、禁煙を断固として拒否されてしまった経験はありませんでしょうか?

ガイドブックでは5Aアプローチが大きく取り上げられています。(下図)

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ポイントはAdviceで「はっきり・強く・個人にあった」メッセージで禁煙を促すことが大切です。

ついつい、「できれば禁煙した方がいいですよ」とか、「本数を減らした方がいいですよ」などと曖昧な指導となってしまっていないでしょうか?

あくまでも「はっきり・強く・個人にあった」方法で禁煙を促すことが重要です。ここ、テストに出るところですよ(笑)

お知らせ

クラファントップ画像

私たちのクラウドファンディングは7月12日をもってsuccessしました。
80名を超える多くの方々からのご支援を頂き、70万円以上の支援が集まりました。ここまで応援くださった皆様、本当にありがとうございました。
まだ何者でもない私たちのプロジェクトに少しでも共感を頂き、具体的な支援をくださり、心から感謝しております。皆様のご支援で自分たちの描きたい未来が日を追うごとに形になっていく様子を見ることができ、心から感謝を申し上げます。皆様のご支援と期待
を背負い、このプロジェクトを通して「生きがい」を取り戻した人々の笑顔が多く生まれますよう、よりいっそう努力してまいります!


予想問題&過去問


それでは予想問題&過去問に行ってみましょう!


予想問題8
以下の記述のうち心不全における予防の重要性についての説明で誤っているものはどれか、1つ選べ
1. 禁煙をしてから72時間後には肺活量が増え、呼吸が楽になってくる。
2.禁煙をしてから1年後には虚血性心疾患のリスクが低下する。
3.喫煙は心血管の危険因子であるため、心不全進展ステージのB以降のステージでは積極的に禁煙を進めるべきである。
4.禁煙のためのアプローチとして5Aアプローチが有効である。4.禁煙のためのアプローチとして5Aアプローチが有効である。


答え 3

1.〇 禁煙後、72時間後には肺活量が増え、呼吸が楽になってくる。禁煙の効果「American lung Association」参照。
2.〇禁煙後、1年後には虚血性心疾患のリスクが低下する。禁煙の効果「American lung Association」参照。
3.×喫煙は心血管の危険因子であるため、「心不全進展ステージのB以降のステージでは」が×で「すべての心不全進展ステージにおいて」、積極的に禁煙を進めるべきである。
4.○禁煙のためのアプローチとして5Aアプローチは有効である。


過去問(2020年試験を思い出して作成しています)

次の文章を読んで〇か✖を選びなさい。

禁煙の指導は「できれば禁煙することが望ましい」「本数を減らすところから開始する」など可能な範囲で禁煙を指導することが望ましい。


答え;✖


5Aアプローチでは、Adviceで「はっきり・強く・個人にあった」メッセージで禁煙を促すことが大切です。ついつい、「できれば禁煙した方がいいですよ」とか、「本数を減らした方がいいですよ」などと曖昧な指導となってしまいがちです。あくまでも「はっきり・強く・個人にあった」方法で禁煙を促すことが重要です。


いかがだったでしょうか?
ではまたお会いしましょう!

よろしければサポートをお願いしたいです。 心不全の患者さんや心疾患の患者さんがよりよく暮らせる社会の実現のために、支援活動を行いたいと考えています。