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dancefirst
歳を重ねるにつれて
6歳の息子「レイ」の前で、母親である私はたくさんの失敗をする。それはたとえば保育園からのお便りを無くして慌てたり、その結果忘れ物をして家に戻ったり、カレーを焦がしてしまったり、網戸が開けっぱなしだったりする。
そういう情けない私を見て、レイは言う。
「大丈夫?ママ、おっちょこちょいだなぁ」
そして私は言うんだ。
「おっちょこちょいでごめんね。でもママにはいつも助けてくれる人がいるから生きていけるのよ。感謝しないとね。」
実は同じく、息子もおっちょこちょいなんだけど。わたしは息子が水をこぼした時や、忘れ物をした時や、なんらかの失敗をした時、怒らないことにしてる。「いっしょに拭けば大丈夫。」「やり直せば大丈夫。」「わざとじゃないから大丈夫。」「助けてくれる人がいるから大丈夫。」そう言い続けてきた。それには理由がある。もちろん自分もおっちょこちょいだからなんだけど、それよりももっと。身に覚えのあることで、どうして怒れるんだろうという感情に近かった。
日本人はとにかく、「ひとに迷惑をかけないように」と気をつけている人が多い。
けど本当の本当のことを言えば、子供の前で失敗を隠すのは良くないことなんだよ。失敗する大人を見るから、子供は安心して未来が描ける。挑戦することや、挫折すること、他者を信頼することは恥ずかしいことでもなく安心であると知るんだ。それに失敗しない人間なんているわけないしね。
だからね。
誰かの失敗を見つけた時になんて言えばいいかって。
「人間らしいね。かわいいね。」だと思うんだよ。今の社会は他人に厳しすぎる。
生きていく上で1番大切なのは、人間らしさ。歳を重ねれば重ねるほど、完璧になるんじゃない。歳を重ねれば重ねるほど、人間らしくなっていくんだ。