記憶の約束
旅の3日目。
今日は宮古島とおさらばし、羽田空港から都心のど真ん中を突っ切って帰路に着いた。その途中にふと思ったんだ。
都会のビル群にはビル群の当たり前がそこにあり、沖縄の離島には島の当たり前がそこにあった。満員電車には満員電車の当たり前があって、私には私の当たり前がそこにあったんだと。それはつまり「当たり前」なんてなかった。「当たり前」はいつも曖昧で不確かだったのだと。環境次第で人は歩く速度も違うし、食べるものも表情も、生き方そのものさえ違う。
旅に出るまで私はどこかで自分の毎日(当たり前)が、これ以上にもこれ以下にもならずずっと続いていくと思い込んでいた。でもそれは勘違いだった。
自分次第で明日は面白くもなるし、生き方はガラッと変わる。生きる場所や人を選べば、未来はどうにでもなるんだなと知った。そして
そうやって人生を面白くするために、今を生きるのは自分なんだと。帰り道約2000kmを縦断してわかったことだった。
思えば
宮古島の旅、最後の一日は神様がくれた晴天だった。どこまでも澄んだ青空の下に広がるあの海の美しさは生涯忘れないだろう。これからも小さなことに頭を悩ませたり、明日に希望が持てない日もあるかもしれない。けどそんな時、「それでもまだやれることはある」と挫けないためのお守りにしていたいと思う。明日の自分を明るくするのも、暗くするのも自分次第だって。暮らしは自分で決めるもの。
この旅で私が私に教えてくれたこと。記憶との約束を胸に明日へ向かう。