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光が届きますように
大人になるにつれて
自分には出来ることと、出来ないことがあると知った。常識を知ったり、世間を知ったり、暗黙の了解を知ったり、愛想笑いを知ったり、ちっぽけな自分を知った。その中でだんだんと自分も建前が上手くなって、嘘が上手くなって、本音を出すのが怖くなって、否定されるのが怖くなって、傷つくことが怖くなって、嫌われるのが怖くなって、ぶつかることよりも黙っている方がラクなようで。
胸が痛くて、息がしづらくなって
日に日に嫌になって、倒れる日が増えた。
いつでも胡散臭い笑顔を貼り付けておけばいいと言いながら、心は泣いていた。
なかでも、
自分という存在がゴミのように思えたり
自分という存在がムダだと思うことが
なによりしんどかった。
そういう限界がきたとき、わたしは鬱病になった。あの頃は、部屋の中に避難してお医者さんを信じて、薬を沢山飲んで、飲んで、飲んで引きこもった。けど景色は変わらなかった。何度も終わらない夜が来て、明けない朝が来て、夜は怖い生き物みたいにわたしを襲った。そんな時、どんなに情けなくて消えてしまいたくて、こんな自分じゃなかったらいいのにと思ってきたかわからない。
そうしてわたしは、
そういうことにも飽きたんだ。
どんなに悲しんでも変わらない明日に
怒り狂って
耐えきれなくなって
最後の賭けに出た。
私は最後の力を振り絞って
自分のことを応援することにしたんだ。
その日のことを今でも覚えているよ。
「これで最後だよ」といいながら
自分の未来のためにベッドから抜け出した。最後の望みをかけて神様と一騎討ち。
そこから繋がって、今日の私がある。
わたしの勝ちだよ。
いま、あの時ベッドで泣いていた私のようにどん底でうんざりしている人へ。
ほんのわずかでも光が届くように
精一杯頑張っていきます。
「こんな自分にもできることがある。」
みんながそう思えたならこの世はどんなに
ラクで、美しくて、豊かなのだろう。