Zガンダムの感想
Abemaでガンダムシリーズの全話放送をやっていたので、過去に見たもののあまり記憶に残っていないZガンダムを全話見なおしました。
で、感想を残そうと思います。
順不同です。
ロザミアの出番が早い
最初の方で出番があったとは思わなかった。
後半の強化されすぎたロザミアの印象が強すぎて最初誰だかわからなかったよ。
ああいう感じの役割を持たせるのって初期から決まっていたんだろうか。
アムロの出番がちょうどいい
所謂「前作主人公問題」みたいな問題って、媒体問わず度々問題に上がると思うんですがZガンダムのアムロはほとんど問題になっていない、むしろ良い例として挙げられているのってすごいと思う。
それと似た問題で、エンディングクレジットでシャアの名前がカミーユより上にある点も度々指摘されていますが、それでもシャア…クワトロがカミーユの出番を食っている、なんてことを言われているのは見たことないです。
ちゃんとした主役交代のお手本があったのに、その後のガンダムでそこが上手く出来なかったのはなんでなんだろうなあ。
エマ中尉のキャラ描写
Zの女性キャラはヒステリックだ、とよく言われるけど、彼女に関してはヒスじゃなくて、軍人気質の昭和の親父って感じがします。拳骨の代わりに平手でパンパン叩くし、無茶苦茶な理不尽発言をする辺りにそれを感じた。カミーユにも突っ込まれていましたね。
また、軍にいて女の役割を求められて拒絶するのは同性として共感するし、こういう描写を40年前に出来ていたガンダムって凄いと思う。
レコアさんは「男と女」に意味を見出そうとしていたが、エマさんは「男と女」なんて「同じ人間」くらいにしか思ってなさそう。
この二人は同い年だからプライベートな会話もあったと思うんだけど、ソリが合わなかったんだろうな…というのは最終戦での会話にある通りですね。
女がバンバン前線に出る
初代ガンダムから大きく変わったのがここ。敵味方問わず女性パイロットの比率がグンと上がった。逆にオペレーターやブリッジなど、後方支援する女性キャラがメインキャラに見当たらない。(←ミライさんやセイラさんみたいなキャラのこと)
Zガンダム放映開始の1985年に「男女雇用機会均等法」が施行されたので、それも影響しているんだろうか。
カミーユも劇中で「女が前線に出るような世の中になってしまった」みたいに時代を憂いています。(カミーユはファに前線に出てほしくないのでこういうことを言う)
女性陣がバンバン前線に出るので、そりゃもうバンバン死にます。
クワトロ大尉は思ったより前線に出ない
回数を数えた訳ではないですが、百式でガンガン戦うのかと思ったら思ったより前線に出ないなあって思った。終盤になると出撃するようになる。
大人キャラの描写
大人キャラたちが嫌な意味で「大人」だなと感じた。
相次いで親を亡くし「両親に親をやって欲しかった」と子供として当たり前な気持ちを吐露したカミーユに、ろくな慰めの言葉をかけない大人たち。ここでクワトロ大尉がシャア・アズナブルの話をするのは、自己紹介か…?不器用すぎるだろ。
ブライトさんにいたっては「カミーユの父親代わりは出来そうにない」と数回に渡り言い切ってしまっているんですけど、ここは不思議と責める気にならない。地球に妻子を残してお仕事頑張ってるお父さんが、他所の子供の面倒を見るのは思うところがあるんだろう。しかもブライトさんまだ26歳ですよ。若いな…。
ジェリドの場合はライラやマウアーが精神的な支えになっていて、転落人生ではあるけど人間関係には恵まれていますね。
ジェリドがかわいそう
カミーユを腐してしまってからの転落人生、自業自得と言うには余りにもかわいそうすぎる。
互いに大事な人を殺し合って因縁を積み重ね、最後の最後にやり合うけど、ニュータイプとして覚醒したカミーユにジェリドは到底敵う相手ではなく、ライバルとしてあまりに力不足なジェリド。最後まで踏んだり蹴ったりでした。
ジェリドの転落人生はオタク心をくすぐるし、キャラ自体もなかなか魅力的なので(顔もスタイルも声も良い)こんな救いのないコテンパン(死語?)な描写、今の時代にやったら絶対炎上しそうではある。カミーユ派とジェリド派で対立するんだろうな。
(「ない」対立を妄想してうんざりしているオタク)
ヤザンが強い
オールドタイプ最強と言われるのもわかる強さ、しつこさ。
大塚さんの声が若いな~。
カツがかわいそう
こんのクソガキ…といい年したガノタに鼻つまみにされているキャラ。
色々とやらかしてはいるし、小生意気なところはあるけど、カツの思い切った行動でカミーユが救われた描写も多々あるし、小生意気な部分はカミーユと比較したらかわいいものなので、いい年したガノタの皆さんがカツをネタにするのが本当に理解できない。なんで?
後半、再登場してからは理屈っぽいカミーユの言動がカツにスライドするので、カミーユが成長したように見える描写が上手いなあ。
カミーユのカツに対する叱責やカツの行動が、それぞれカミーユへのブーメランになってるのが面白い。後輩が出来るってこういうことなのよね。
サラの件からやけっぱちになっているのが本当にかわいそうだった。
フォウがすごい
その後のガンダムで「強化人間枠といえばこの人」として語り継がれるようになるだけある。ハッとするような印象的なキャラデザとネーミングセンスがスバ抜けている。島津冴子さんのお声もすごい。
ハマーンの出番が遅い
大物キャラですが、出番は4クールの前半くらいから。
ハマーンの役の榊原さん、兼役が多い印象があるのですが意図があるのかな…。
カミーユに心を覗かれてブチ切れる誇りの高さにシビれます。
レコアさんの生き様
一人で生きて行ける女もいれば、男に縋らないと生きていけない女もいる。
レコアさんは後者でその過程が細やかに描かれていた。全50話もあればそれが出来る。
クワトロ大尉が支えてあげれば良かったのかと言われたら、大尉にはその気がない。クワトロ大尉の思わせぶりな態度は大人の付き合いと言えばそうなのかもしれないけど、人を選んだ方が良いですよ。そういうの本当に良くないですよ。クェスにもそうでしたよね…。
それでシロッコ(理解ある素振りを見せるだけの彼君)のところに行ってしまうのが、人を見る目がないというか、つくづく残念な人だ。
色々あって男性不振になったが、結局は男を求めてしまった人。
「あなたは女でありすぎた」っていうエマの言葉が深い。
クワトロ大尉が楽しそう
Zのシャアは楽しそうだよね~ってのはよくわかる。
上司がいて、そこそこに手のかかる弟のような部下がいて、アムロとの距離感もちょうどよい。そんな愉快な仲間たちに挟まれた中間管理職的なポジションが一番合ってるんだと思う。会社経営じゃなくて、現場でバリバリ働きたいって人。
これって素なんだろうな、という俗っぽい描写もあって、そういう所もなんかかわいい。モテるのも仕方ない。
だけど、本人の出自とカリスマ性が原因で周囲がそうはさせてくれない。本人にはその気はないのに、様々な役割を押し付けられてるなって印象がある。
カミーユとの関係はかなり良さそうに見えたのに、色々と惜しい。
シンタとクム
こんのクソガキ…と思いながら見てた。この子供たちが目立つと面倒を押し付けられているファの心労が増えるため、あんまり目立ってくれるなよ…って思ってた。
でも、この二人を閉じ込めることなんて簡単に出来そうなのに、そうはしないで好き勝手にのびのびと育てているエゥーゴの気風は好き。
ファに世話を押し付けられてたのって、階級が一番下なのもあるけど、戦いに向いてないから…みたいな変な気回しの結果かな。あんま意味なかったけど…。
あとは、こんな子供たちが乗っているアーガマは落ちない、みたいなフラグ管理をしている部分もあると思う。一回ヤバい時があったけど落ちなかったし。
カミーユがかわいそう
かわいそうすぎて今更いろいろと語るのも野暮が気もしますが…。
カミーユと言えば最終回のアレですが、最終回の数話前くらいから既に精神が壊れてるんですね。最終回でいきなり壊れた、ではなく徐々に壊れていき最終回が決定打になった。これはアニメを一気見するとわかりやすい。
フォウの件でメチャクチャにされて、畳みかけるようにロザミアの件でボロボロにさせ、その間にサラの件もやって、ジェリドとタイマンをやり、味方機はどんどん落ちて…とかいうカミ虐展開は笑っちゃうくらい酷い。
シロッコが精神的な道連れをしなくても、最後はああなってたと思う。
Zガンダムはおもしろい
奇怪な思考をするキャラが多いし、ストレスを感じる描写もあるので一気に視聴すると辛いものがありますが、やっぱり面白い。
メインキャラ以外の描写もきちんとしているので物語の厚みが半端ない。
分割nクールになるとなぜか作中の月日も休止中の時間以上に進むのが嫌なので、ぶっ続けで1年見せてくれるガンダムやってほしいよ。
(現時点でジークアクスが何クールかわかりません)
劇場版は観たことがないのですがそのうち観ます。