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理系専門職の複業支援エージェントが感じる「#複業の壁」

こんにちは、RD LINKの三浦です。
日経COMEMOさんの公式noteで「#複業の壁」というテーマで投稿募集企画がありましたので、RD LINKもリリースして約8ヶ月経ち正に今直面している複業の壁について書いてみたいと思います。

はじめに、そもそもRD LINKとは

はじめましての方がほとんどだと思いますので、まずは簡単にRD LINKの説明をさせていただきたいと思います。

私たちRD LINKは(株)RDサポートが事業展開する「理系専門職の複業支援サービス」です。日本の研究開発分野を活性化したいというビジョンのもと2020年3月に正式にリリースしました。

RD LINKは企業の研究開発や品質保証、生産技術部門などでご経験を積まれたエキスパート人材を、業務委託という形で別の企業にプロジェクト型でアサインするサービスを行っています。
・機能性表示食品の開発、申請をしたい
・既存原料を応用した新商品を開発したい
・新製品の薬事申請を進めたい
・生産ラインの効率化を図りたい
などの企業様からのご要望に対し、課題解決ができるスキルや知見を保有したエキスパート人材をご紹介し、現職で企業にお勤めの方、定年(早期)退職をされた方、個人事業主の方問わず、業務委託の複業というスタイルでの働き方を支援しています。

RD LINKが直面している3つの「#複業の壁」

そんな私たちRD LINKが直面している「#複業の壁」とは主に3つ。企業側の壁と人材側の壁、そしてそれを繋ぐ環境面での壁。

①複業人材を受け入れる企業がまだ少ない(秘密保持の壁)
②複業の始め方がわからない人が多い(ノウハウの壁)
③企業と複業希望人材の出会いの場が少ない(出会いの壁)

①複業人材を受け入れる企業がまだ少ない(秘密保持の壁)

RD LINKがクライアントとしている企業の開発部門や品質、生産部門に関しては、企業の組織体の中でもとりわけ秘密保持の意識が強いということが、複業人材の受け入れに対する高いハードルとなっています。

これらの部門には企業の根幹を担う専門技術や知恵が集結しており、社内でさえ人の立ち入りが容易ではなく、転職者の受け入れはせずプロパー社員のみで構成しているという徹底した企業もあります。

そのため、これら理系部門では外部の人材をスポットで活用するということに非常にためらいがあります。新しく生まれる技術には特許が絡んでくる可能性もありますし、当然のことと言えます。

なので、同じ企業でもマーケティングや経営企画部門では外部コンサルタントを活用していても、理系部門に関しては活用が進まないという状況です。技術顧問を採用している企業様もありますが、顧問の仕事はプロジェクト型ではないため、なかなか現場が望んでいる実績に結びつかないというジレンマも耳にします。

私たちはクライアント企業様によくお伝えしていますが、「複業人材だから機密が漏れるわけではない」と考えています。

正社員であれ他社から転職して来た人材が以前の会社の情報を漏らさないとは限らないですし、自社から別の企業へ転職した元社員が情報を漏らさないとも限らない。

なんだかネガティブに聞こえますが、要するに機密が漏れる漏れないは雇用形態の問題ではなく、その業務に従事する人の人となりや倫理観の問題の方が大きく影響するのではないでしょうか。

エキスパート側も専門職の方でご自身のやってきたことに誇りを持っており、秘密保持への意識は相当高く、自社に不利益を被る、あるいは自分に不利益を被る可能性のある業務には手を出しません。

自社で複(副)業が解禁されている場合、複(副)業禁止先企業を定められているケースもありますし、明らかに競合となりえそうな企業には私たちもご紹介をしていません。

もちろん私たちは仲介するエージェントとして、情報漏洩のリスクを最小限に留めるべくNDA締結を行い、不安なく外部人材を活用していただき新しいチャレンジを実現する企業様を少しずつでも増やしたいと思っています。

②複業の始め方がわからない人が多い(ノウハウの壁)

複業に興味があるエキスパート側に感じる壁としては、ご登録にいらっしゃる方々の話を聞いても、圧倒的に多いのが「そもそもやり方がわからない」という声です。

個人事業主のように既にご自身で活動をされている方は業務委託という働き方に慣れていますが、民間企業にお勤めで本業を持っている方や、定年退職や早期退職をした方などは、「複業には興味がある」「何かやってみたい」という思いはあっても
・自分にできるのだろうか
・どんな仕事を選べば良いのだろうか
・契約はどうしたらよいのだろうか
・変なトラブルに巻き込まれないだろうか
などわからないことだらけというのが実態です。

研究開発や品質保証・管理、生産管理・技術などの職種の場合、専門性が高いゆえに、ご自身の経験が活かせる範囲が限定的であり、また企業側同様、機密保持の観点でも提供できる情報が限られ、企業側の期待に応えられないのではないかと考えている方は非常に多くいらっしゃいます。

複業には税金の問題や本業とのスケジュールバランスなども考える必要がありますが、話を聞いていると「そもそも何から手を付けたら良いのか」という一番入口の部分でつまづいている方が多いと感じます。

③企業と複業希望人材の出会いの場が少ない(出会いの壁)

今は働く人を求める企業(案件)と複業希望者をマッチングするプラットフォームも充実しています。ただ開発や品質などの分野においては、企業側もエキスパート側も、かなり細かいキーワードでのマッチングを求める傾向にあります。アミノ酸、グルコサミン、βグルカン、乳化技術、パイプライン、GLP、GMP、など列挙すればキリがありません。

前段でも少し触れたように、企業側もエキスパート側も専門性が高い分野ゆえに、完全一致のようなピッタリのマッチングでなければお互い意味がないと捉えている傾向にあります。しかし実際には企業側が課題を課題として明確に認識していることは少なく、エキスパートの知見を壁打ちとしてまずは課題抽出を行う(課題が分からないことが課題というよくあるパターン)という活用事例もあります。

第3の壁はこれまでそういった企業の理系部門と複業希望の理系専門職の方をプロジェクト型で繋ぐプラットフォームやエージェントが無く、両者が出会う場がまだまだ少ないということです。出会いの場が無ければ生まれるものも生まれません。私たちRD LINKが少しでもその出会いの一助となることができれば嬉しい限りです。

複業解禁!というだけでは複業は実現しにくい

「#複業の壁」は1枚ではなく2枚3枚とあり、私たちがクライアントとしている企業様やエキスパートの方、そして私たちRD LINKは、今1枚目の本当に入口の壁にぶつかっていると感じます。私たちもその1枚目の壁を壊すべく、こういったnoteを活用して発信するという活動を行っています。壁というよりはTOP画像の階段のようなイメージかもしれません。

実際に複業支援のビジネスを行う中で今感じていることは、複業は解禁した、されたからといってすぐに実現できるものではないということ。「複業解禁になったのであとはどうぞ!」と言われても、うまく機会を掴めない企業や人がたくさんいます。

企業がスムーズに外部人材を受け入れられるように体制を整える、希望者がスムーズに複業にチャレンジできる環境を整える、といった、まずは入口部分を整備することが大事だと感じています。それには、最初にほんの少しだけ誰かが背中を押してあげることも必要なのではないでしょうか。

どのような業界、職種においても少なからず存在している#複業の壁。壁は簡単に壊れることはないと思いますが、少しずつ少しずつ皆で力を合わせて壊していけたら良いなと思います。壁の向こうには新しい世界が広がっていると信じています!

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#日経COMEMO #複業の壁

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