過去の苦さを書き出す
ジェーン・スーさんと桜林直子さんのポッドキャスト『となりの雑談』EP.88の中で、スーさんがコンプレックスや自分の抱えたものを、書くということを通して体の外に出すことについて話していた。念のように自分にこびりついたものを、何度も体の外に出すことで、いつかその汚れのようなものがとれるのではないか、と言っていたのだ。このポッドキャストに感化されて、わたしも一旦、今まで積み重ねてきたネガティブな感情を、体の外に出すべく文章化してみることにした。
わたしが苦く感じていたことは、幼少期から、念のように心の中で繰り返し、唱えてきたものだ。ここ数年は、その感情を思いだし、繰り返すことの不毛さに悲しくなり、それらを昇華されたものと見なしてきた。
いざパソコンを開き、取り掛かると、30分ほどで2000字書いていた。恐ろしいほど風化されていない。
あの頃の苦しみや憤りや絶望は、簡単に思い出されしまった。笑った。まだ苦しんでるじゃん。
けど、書き終わった時に、息をつくと、スッキリしていた。手元にあった冷めたカフェラテを飲みながら、ざっと読み返す。何も状況は変わっていないのに、少し健やかさすら感じる。抱えるものを文章として吐き出しただけで、過去と現在のわたしが救われていた。体の中に渦巻く、ネガティブな気持ちを外に出すことは、自浄作用があるようだ。ただ一回書いただけなのに。
写真はニューヨークのハドソン川を北上した先にある、ビーコン駅から見たハドソン川。次の電車まで1時間あり、ぼうっと眺めていた広大な川。