8月12日(金)フィードバックの視点を変える〜体育論文より〜#183
みなさん、おはようございます。(こんにちは。)(こんばんは。)
今日は、体育論文を読んで簡単にまとめ、そこから自分が考えたことの記事を書きます。
(詳しいところは、実際に論文を読んでくださいね)
前回の記事も多くの方に読んでもらえたので嬉しかったです。ありがとうございます。
↑前回の記事です。
はい、その第二弾になります。
今回の論文はこちらです。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/42/3/42_KJ00003391573/_pdf/-char/ja
さて、今回の論文はどのようなことが研究されてまとめられているかというと、体育授業におけるフィードバックの有効性についてです。
つまり、
子どもたちへの声かけです。
(改善点や評価などで軌道修正を促すための)
体育授業における教師の行動は、大きく分けると四つに分けられます。
①インストラクション
②マネジメント
③巡視
④相互作用
フィードバックは、この中の④の相互作用に分類されます。
これまでの研究でも言われてきているのが、この相互作用の量と質が学習効果に最も強く影響するということです。
教師の相互作用については、フィードバックの他にも、励まし、発問、受理、確認などの行動も含まれていますが、
今回の論文の研究においては、
①教師のフィードバック行動と表現の仕方
②そのフィードバックを子どもたちがどう受け止めたか
③そのことが学習成果に肯定的に影響するか
これらを中心に研究したことをまとめられています。(上の文は簡単な表現にしています)
ここでフィードバック行動についてですが、フィードバックも(「肯定的、矯正的、否定的」、「一般的、具体的」、「技能的、認知的、行動的」)というように質的側面では分けられており、さらに(フォーム、対象、タイミング、意図、内容)などの視点もあります。
このあたりは難しいですし、論文の中でも全てについて詳しく説明しているわけではありません。ただ具体的なことが知りたい人は論文へどうぞ。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/42/3/42_KJ00003391573/_pdf/-char/ja
で、いきなりここで結論を言ってしまいますね。
この論文で分かったことは、
教師の積極的なフィードバック行動が、子どもにとって「役に立つ助言」として受け止めれられると、大きな学習効果を生み出す
ということです。
有効なフィードバックを与えるための指標として次の四点も挙げられています。
①教師が技能的学習において「肯定的・矯正的フィードバックを積極的に与えること
②子どもに確実に伝達されるような位置、タイミング、言葉でフィードバックを与えること
③肯定的フィードバックを与える際は、感情をこめて共感的に関わること
④具体的フィードバックを与える際には、印象に残るような言葉を使うこと
です。
たくさんフィードバックをするだけじゃなくて、どう伝わるか、どう受け止められるかも大切で、そこにはいくつか気をつける視点、抑えるべきポイントがあるよ!
というところでしょうかね。
さて、ここから自分の考えたことを書きます。
今回の論文では、子どもたちが「役に立った」と受け止められるようなフィードバックが有効であると結論づけられています。
それは確かに納得できることではあるのですが、一点に気になるのが、『技能を高めるための矯正的フィードバック』
(着地は膝を曲げよう!や、踏切りは両足で力強く!など)
やはり、この辺りを多くの子どもたちが「役に立った」というように捉えているような印象を自分は受けました。
つまり技能の向上、とくに器械運動などで例えるならば、と「台上前転」や「抱え込み跳び」などのような技ができるようになることを目指していることが大前提の授業においてのフィードバックなんですね。
(あくまで自分の受けた印象です)
そうなると、「役に立った」と感じるフィードバックをするには、教師がその技などにおけるポイントなど専門的な知識を要するだけでなく、
その目の前の運動を見て、どのようなところを気をつけさせたらいいかなどを判断できるような、教師の目が肥えている必要があります。
さらに、子どもたちの技能もある程度向上することも条件となってきます。
これはかなりハードルの高いことです。
今の働き方や教師不足のことも考えると、かなり現実的でない部分が大きいです。
いや何も諦めていいと言いたいわけではないし、教師自身が教材研究の上で、それらの技について勉強する必要はあります。
(ICTなどを活用していくことが、その一手になるとは思います)
しかし、現実的に考えて、簡単じゃないことをリソースもない中で求めるほど無謀なことはありません。
(自分は体育が好きなので、好きな人が個人的に目指すのはありだし、よいと思います。)
さて、ここからは自分の妄想提案です。
特にやったことはないので、その辺りをご了承頂きながら読んでほしいのですが、
そもそもの話で、よくありがちな
技の完成度を評価するところに終始しない単元構成の授業をつくればいいのではないか
ってところです。
技の完成を目指すとフィードバックも、そこに準じた正解のフィードバックを目指します。
そうではなくて、正しさがいくつも生まれるような、むしろ絶対解がないアート的な部分(子どもたちの発想)をメインに評価できるような授業構成だったり、
そこまで解像度高くイメージできてませんが「〇〇ができるようになって楽しかった」ではなくて、「この運動ってこんなに楽しめるものだったんだ」と思えたりする授業構成にすればよいのではないでしょうか。(ふわふわw)
(この中で技能も評価していくことにはなりますが)
そうすると、フィードバックを行う上で見るべきところも自然と変わってきますし、専門的な知識も肥えた目もそれほど必要とはしません。
(何度も言っておきますが、技のコツなどにおける知識を諦めていいと言ってるわけではありません)
何度でも主張したいのが、
技能偏重型の授業からの脱却です。
今回はフィードバックに対しての論文で、フィードバックが有効なことが分かってるからこそどんなことを目的にして、手段であるフィードバックをどう活用していくか、いま一度考えていきたいものです。
あ、最後に一つ。
フィードバックは質も大切ですが、量の大切さもあります。
子どもたちは、先生にプラスの声かけをしてもらえると、やっぱり嬉しく思うし、それを認識することで意欲が高まるとも言われています。
学習に対する意欲は、大きな土台になります。
専門的なことは、今すぐに分からなくてもいいので、
授業の中では、明るく笑顔でプラスの声かけをたくさんしていきましょうね!
というわけで、今日の記事は終わりです。
お読みいただき、ありがとうございます💪
さて、こちらのnoteですが、本日で連続183日更新中です。
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では、今日も一日ご機嫌で✨
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