8月26日(金)体育のボール運動は、まずオフィシャルルールから離れよう〜体育論文より〜#197
みなさん、おはようございます。(こんにちは。)(こんばんは。)
またまた昨日の記事との落差が大きい記事を書こうと思います。(昨日はアニメについて笑)
そうです。今日は体育論文についての記事です。
では、今回の論文はこちらです。
この論文で研究されていることは、体育授業のゲーム(ボール運動)をミニ化していくことの意義についてです。
特にこの論文の中でのゲーム(ボール運動)は、サッカー、バスケットボールなど攻守が入り乱れる侵入型(ゴール型)を主に指しています。
またミニ化とは、その種目をそのまま行うのではなくて、コートに入る人数を減らしたり、コート自体を縮小したりする工夫になります。
早い話が、
体育授業のサッカーやバスケットボールなどのゲーム(ボール運動)は、人数を減らしたり、コートを狭くしたりした方が効果的だと仮説を立てたのでそこを研究してしてみました
ってことですね。
なぜこんな研究がされたかというと、理由は明白です。
このサッカーやバスケットボールなどのゴール型のゲームが、子どもの技能の差によって特定の子どもにボールを独占されやすいゲームでもあるからです。
ボール操作やスペースに走り込む技能や状況判断が必要とされるような運動は、経験の有無によっても大きな能力差が生まれ、それは実際のゲームに色濃く反映されているのではないかという仮説が立てられています。
だからこそ、子どもたちが技能差に関わらず意欲的に取り組み、学習成果を上げるために、ここではゲームのミニ化にスポットを当てているわけです。
さて、すぐ結論を書きますね。
ゲームのミニ化がされていない授業では、ゲーム中に攻防に参加していない子どもが多かった。(特定の子どもばかりだった)
ということです。
特に技能が低い子どもは、ゲームの攻防に関われていないだけではなく、オフタスク(悪ふざけやおしゃべりなど学習から逸脱した行動)も高い割合で見られています。
逆に、技能の高い子どもは、ボールを積極的に保持している時間もゲームの攻防に関わる時間も長いことも分かりました。
そして、もう一つが
ゲームのミニ化をすることによって、特定の子どもだけではなく、それぞれの子どもが動かなければならない状況をつくることから、全ての子どもに学習する機会を与えることに繋がる。
よって、
ゲームをミニ化することは、すべての子どもに技能習熟における達成やゲームでの勝利の機会(楽しさ体験)を保証する前提条件になる。
というような形で結論づけてあります。
しかし、この後にゲームのミニ化はあくまでも教材づくりの一部であり、そのゲームで「何を学ぼせたいか」という学習内容の明確化に位置付けられたゲームの修正の必要性も述べてあります。
また、ゲーム中の大半がオフザボール(ボールを持たない時の動き)であるため、状況判断や行動の選択の認識が重要な役割を果たします。
そこで、「動き方が分からない」というゲームにならないような工夫の必要性にも触れてあります。
さて、ここから自分の考えを書きます。
今回の論文を受けて、ゴール型の体育授業をどう作っていくかを考えてみるのですが、いろんな要素が関わってくるし、実態によっても変わるので絶対解のようなものは述べられません。
ただし、一つだけ言えることは、
盲目的にオフィシャルルール、つまり実際の競技に近い形でやるのは絶対にやめた方がいい
ということです。
小学校段階のように、初めてそれに触れたり、経験の差が大きかったりする中では特にです。
この論文にも結果の1つとしてありますが、実際の競技ルールは、技能を平等に競い合うために最適化されているところがあり、技能の高い子が活躍できるようなルールになっているのです。
そうすると、経験が少なく技能の低い子どもはどうやってもボールに関われる回数は減りますし、その少ない回数で「失敗をしたらどうしよう」とネガティブな感情すら生んでしまうこともあるでしょう。
かと言って、新しいルールでのボール運動をイチから全て作り出すことは難しい。
だからまず基本的に全てをオフィシャルルールで行わないことが一つできることだと思います。
そこからできそうなことを考えていくと、この論文にもありますが人数やコートを工夫することに加えて、
子どもたちがつまづくポイントであろうボール操作や状況判断の差を補う工夫を、ボールなどの教具やルールに取り入れることです。
例えばですが、サッカーならコートの内側でも外側でもよいので、相手に邪魔をされずにボール操作ができるスペースをつくる(ラインサッカーやグリッドサッカー)、バスケットボールならボール操作の際のケガの恐怖心を減らすために、硬いボールではなくてスマイルボールなどの柔らかくて跳ねるボールを使用するなどが考えられます。
このような工夫をすることで、少しでも技能差を埋めてゲームを楽しめるようにしていきます。
今ここに書いたのは、ボール操作や状況判断の面ですが、他にも多くの子どもに得点チャンスが生まれるように得点におけるルールの工夫も取り入れるとよいと思います。
具体的にすると、最初の得点は全員が5点もしくは10点になり、2回目からは1点にするという得点ルールの工夫です。
そうすることによって、得点していない子にも得点させようという流れが生まれます。
またそこでは、今回の論文にあり、自分も先程書いたコート内の人数を減らすことや、邪魔をされずにボール操作できるスペースを作ること、恐怖心を取り除く教具がさらに効果的に働くことでしょう。
いろいろと書いていくと、長くなるのでこの辺りで終わりにしますが、体育授業におけるゲーム(ボール運動)は競技ではありません。
よって、
技能差を比べて勝ち負けを決めることを重視したプロスポーツのようなところから授業者がまずは意識的に離れる必要があります。
そのために
オフィシャルルールをそのままルールとして採用しない
ということなんです。
体育のゲーム(ボール運動)における授業づくりは、簡単ではありません。
しかし、まずはここから始めてみてはいかがでしょうか?
というわけで、今日の記事は終わりです。
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