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オレンジに溺れたふたり

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オレンジに溺れたふたり【エピローグ】

オレンジに溺れたふたり【エピローグ】

―ここ最近なのだが、毎晩同じ夢を見る。

約20年前に好きだった人との思い出と、もう二度と会えないかと思いきや同窓会で再会しめでたく結ばれる、そんな懐かしくて甘くてちょっとだけ寂しい夢。

全てにオレンジ色のフィルターがかかっているからより切なさを際立たせる。

―涙を拭いていつもの朝が始まる。

そうだ。私は未だに未練たらたらで次の恋に進めないでいる。先日ついに母から

「あんたもう35になるけ

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オレンジに溺れたふたり【第2章 第3話 幸せ】

オレンジに溺れたふたり【第2章 第3話 幸せ】

↓第2章 第2話

↓第1章 第3話 (大山才子SIDE)

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第2章 第3話 幸せ

「あ…っと…何ですか?」

大山の少し冷たく壁を感じるような口調は、明らかに俺を拒絶している。全てを壊す必要もないかもしれない。

「いや…あの、あぁやっぱいいや!じゃあまた!元気でやれよー!」
「こちらこそ今日はありがとうございました。お元気で。」

俺は逃げるように彼女に背を向け杉田たちの方へ歩き始め

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オレンジに溺れたふたり【第2章 第2話 立場】

オレンジに溺れたふたり【第2章 第2話 立場】

↓第2章 第2話

↓第1章 第2話 【大山才子SIDE】

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第2章 第2話 立場

大山の通っていた中学校に赴任してきたのはちょうど彼女が入学してくる年、28歳の頃であった。

彼女の第一印象は『極めて大人しい』

もちろん前任校でも大人しい生徒は何名かいた。しかし、彼女の場合は初めてのケースだった。

特に1年生の頃は酷く、担任は頭を抱えていた。副担任だった俺によく愚痴をこぼしていた。

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オレンジに溺れたふたり【第2章 第1話 呪縛】

オレンジに溺れたふたり【第2章 第1話 呪縛】

↓第1章 第1話 (大山才子SIDE)

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第2章 第1話 呪縛

「いただきまーす。」

テーブルには色とりどりの朝食が並んでいる。

「ねぇ光彦さん。来週の土曜さ、人参岳に登ってみない?仕事もないって言ってたでしょ?」

妻がきんぴらごぼうに箸をつけながら聞いてきた。

「あー、来週か。教え子から同窓会に誘われてるから行っていい?今の勤務先をネットで調べたのかご丁寧に学校に手紙が来てさ。

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オレンジに溺れたふたり【第1章 第3話 沈殿】

オレンジに溺れたふたり【第1章 第3話 沈殿】

↓第1章 第2話

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第1章 第3話 沈殿

私は先生に声をかけるタイミングを伺う。周りにみんなが集まって笑いこけている先生を見ていたら今まで心の奥底に眠っていた思いが突然湧き上がってきた。

―先生は永遠に"孤独"な人だと思っていた。

毎日夜遅くまで残業をし、くたくたの体で部屋で出来合いの弁当を1人寂しく頬張り、一服しながら1日を振り返る。

『大山どうしてるかなー。』

そして盛大なイ

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オレンジに溺れたふたり【第1章 第2話 別れ】

オレンジに溺れたふたり【第1章 第2話 別れ】

↓第1章 第1話

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第1章 第2話 別れ

私は幼稚園の頃から場面緘黙で外ではほとんど話せない子どもだった。特に酷かった小学生の頃はほぼ相槌のみで
「才子ちゃんってロボットみたい。」
「しゃべらないからつまんない。」
など本人たちは悪気なかったかもしれないが子どもながらに傷ついた。

「お父さんトイレ早くー!ながーい!」
「お母さん、テストで100点採ったの!」
など家では普通に話せるが、

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オレンジに溺れたふたり【第1章 第1話 再会】

オレンジに溺れたふたり【第1章 第1話 再会】

第1章 第1話 再会

10年ぶりに中学の同窓会が開かれた。最後に集まったのは高校を卒業して以来だ。私たちはあと2年で30歳になる。時の流れは早いものだ。

目の前の飲み物がソフトドリンクからお酒に変わっても、状況や見た目が大人になったくらいで相変わらずあの頃のままの懐かしい空間が漂う。

「才子ちゃーん久しぶり!相変わらず綺麗だよねぇ。彼氏いるの?」
中学時代クラスの中心的なグループにいた末永美

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