参山れい
高校の卒業式後の教室にて。クラスの女子たちが使い捨てフィルムカメラを持っている。 「写真撮ろうよ!」 「はいチーズ!」 あちこちでジーッジーッと音がする。 「あ!長谷部さん!」 「ん?」 私は前髪の分け目を整えながら呼びかけに答えた。 「写真、撮ってくれない?もう押すだけだから。」 そう言ってカメラを渡してきた。 「うん!じゃあ、はいチーズ!」 カチッ! よし、次は。 「ありがと〜う!」 次は私も…。 「じゃあね〜。」 …ですよね。運動会や文化祭の時
↓第9話 復帰してからの日々は長いようであっという間だった。 各行事に高校最後のなんたらかんたらが付き、とにかく眩しい光景。 視界に写らないようなるべく日陰に逃げた。 教室は相変わらず苦手だったため、休み時間は図書室で勉強した。 センター試験は惨敗し第一志望校は落ちたが県外の私立大学に何とか合格した。 そして待ちに待った卒業式。 『3Aメンマジ最高でした!また絶対会いましょう!ありがとう!』 『私、今まで内気な性格だったんですが、みんなと過ごしていく中で変わるこ
安心してください生きてますよ。今年の創作大賞間に合いませんでした!NOー💦 あと浪漫の箱なかなか更新できずすみませんm(_ _)m 子どもの療育(母子参加)スタート、親族の入院など色々な事が重なりバタバタしてました。 楽しみに待っている方すみませんがしばしお待ちください。
↓第8話 「そうね。学校行くのね。」 祖母が朝食を咀嚼しながら話しかけた。 「はい。だいぶリラックスできたのでいったん家に帰っていろいろ準備します。」 「ほー。何か貴ちゃん逞しくなった気がする。ここに始めて来た頃と比べたら表情が全然違うがよー。」 「いえ、これもおばあちゃんのおかげです。ありがとうございました。」 「んもーっ。ずっとここにおってんよかとよ!今夜帰るなんて…。」 「ははは。また来ますよ。」 祖母の目にほんのり涙が浮かんでいるのを見て、僕も泣きそう
↓第7話 平成3年12月1日。 不倫が発覚してからは怒涛の展開だった。 当事者同士を踏まえた話し合いは祖母宅で行われ、その場には日高夫妻もいた。 なぜならば同時期におっちゃんの不倫もバレたからだ。 アキおばちゃんの同級生より 『三郎くんと初美ちゃんがインター近くのモーテルの道(そこから先は民家はなくホテルのみ)に入ったんやけど!』 という密告があり、その人と共に尾行していたところ父との不倫現場も発覚してしまった。 僕は当時2歳であり、祖母が絶対に大人たちの戦場
↓第6話 …と、おっちゃんと初美さんの卑しい怪談話はこんなものだ。 話し終えたおっちゃんの額には汗が滲んでいるようだ。何の汗かは分からないが一気に話をして疲れたのだろう。 それから一通り畑仕事を手伝って、日が暮れる頃に夕食を作って待っている祖母の家へ戻った。 「どうやった貴ちゃん?久しぶりに体を動かしてみて。」 「…キツかったです。」 色々な意味で。 「そうかいそうかい。」 「……。」 何を話せばいいか浮かばなかった。 話したいことや聞きたいことは山ほどあ
なかなか更新できずすみません。新年早々コロナで一家全滅でした。まだ喉の違和感と倦怠感が続いております。とにかく寝まくりました。二度とかかりたくないと思いましたね。皆さんもお気をつけてください💦
2023年3月30日「眠る青春」を初投稿 吐き出すように書いて何度も誤字脱字してないかな?とドキドキしながら投稿したのを覚えています。 作品を読んでくださった皆様、ありがとうございました。 あと、今年はたくさんの作品と出会い大切に読ませていただきました。作品を通して新しい発見があったり、色々なことを学ばせていただきました。 相変わらずマイペースな私ですが2024年もよろしくお願いいたします。 ―終わり―
↓第5話 あれから夕方までには祖母の家に帰り着いた。 おっちゃんには「畑仕事を頑張ったふりをしろ」と言われたが、言われなくても精神を揺さぶられ過ぎて疲れた。 夕食と風呂を済ませ、布団の上に寝そべる。疲れているはずなのに眠れない。 隣の布団では登場人物の1人である祖母が大イビキをかいている。 今日のおっちゃんの話を振り返るうちに内容が映像化され頭の中で流れ始めた。 ―― ―昭和49年、三郎は28歳、初美は18歳の時、父が癌のため死んだ。 三郎は中学校を卒業してか
↓第4話 ※今回の話は卑猥かつグロテスクな描写が含まれています。なるべくソフトに表現してますが、苦手な方やお食事中の方は読むのを控えてください。 「何か!気づいとったんか!」 「はい。ひと声かけてくださいよ。」 「…手紙は?」 「見ました。初美さん、謝罪文的なもんを祖母に送っていたんですね。」 宛先不明で返ってきていた手紙はまるで初美さんの死を受け入れられていないような文章だった。 「やな。」 「娘のように可愛がっていたんですね。自分の息子と不倫したのに…。」
↓第3話 「よく来たね~。ささっ上がっくいやん。」 突然のお願いにも関わらず、祖母は快く迎え入れてくれた。 「しばらくの間よろしくお願いします。」 「そんなにかしこまらんと。これ貴ちゃん好きやろ?なた豆の漬け物!」 「あー!ありがとうございます。」 「ちゃんと漬かっちょっか分からんけど。固かったらティッシュにペッしっくいやい。」 「いや、美味しいですよ。」 「あ、ジュース飲む?あとテーブルに置いてるお菓子も食べてよかよ!みかんもあった気が…。」 それから祖母
↓第2話 写真のお姉さんを指差した瞬間、両親の顔が固まった気がした。 ほんの数秒の沈黙の後、母が口を開いた。 「…初美さんだわ。あんたが2歳の時に亡くなったの。この写真はあんたが生まれてからおばあちゃん家に遊びに来ていた時だね。」 「え、何歳で?」 「35歳よ。」 全然お姉さんじゃなかった。だが見た目は年齢よりも断然若々しい。 今生きていれば50歳。今の父より少し上くらいか。 ちなみに父は現在47歳、母は44歳である。 「何か病気で?」 「…心臓発作だった
↓第1話 「…えっ!奥さんと仲良さそうだったのに…。」 2006年9月19日の午後。 まだ残暑が残るが風が吹くとほんのり秋を感じるど田舎の林の中。 目の前にいるいきなり現れたおっちゃんは「愛人からラブレターを貰った」と、僕にとっては心底どうでもいいことをカミングアウトした。 しかし貰ったラブレターと言うものは、無理矢理真っ白にされたただの紙である。 「今は繋がっとらんが30年前くらいに貰ったやつじゃ。この間見つけてしまってな。でもゴミの仕分け係は嫁がやってる。もし
高校2年生の2学期、これから体育祭に文化祭、修学旅行とイベントが目白押し。 クラス全体が浮ついている雰囲気の中、僕は教室から逃げた。 特別嫌がらせをされたわけでもない。 何だか箱に閉じ込められているみたいで窮屈に感じていた。 毎日毎日同じことの繰り返し。 規則に縛られ、浮いているやつは吊し上げられる。 僕はとにかく人から注目されたくなかった。 ひっそり過ごしてさっさと卒業したかったのだ。 きっかけとなった出来事は、9月の連休明けの英語の授業中。2時間目だった。
初めて見ました黄色の彼岸花。 黄色の彼岸花の花言葉を調べてみたら『深い思いやり』『陽気』だそうです。 この彼岸花のように放ったらかされても強く陽気にヘイヘイヨーヨーパーリーピーポー!と咲いていたいですね。 ちなみに赤と白もいます。 ここはどこって? 私の実家です。 田舎ですが緑はやっぱり癒やされます。 ―終わり―
読んでくださった皆さんありがとうございました! なかなか書きかけの作品が進みません。 皆さんの作品を読む方が楽しい♪そんな気分です。