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「採用ピッチ資料のトレンドに踊らされない!と勝手に憤り、自己解決しました」~ひよっこ人事コンサルタントの考察~

こんにちは!レイド株式会社の高木です。
2020年1月から、ひよっこ人事コンサルタントとして、採用を軸とした支援活動に取り組んでおり、目下インプットの毎日です。

今回は、2018年にSmartHR社が公開して話題となり、コロナ禍の採用活動に必須なものとしてブームが再燃している「採用ピッチ資料」について調べてみました!

<SmartHR社の採用ピッチ資料>

※今回のインプットにあたっては「採用CXの最大化」をキーワードに採用マーケティング支援をされているHeaR株式会社さん、ベンチャー企業の採用支援に特化されている株式会社Potentialightさんをはじめとした、業界関係者の皆さまが発信されている約30本のnoteやブログ記事を参考にさせていただきました(感謝)

「採用ピッチ資料とは」

「そもそも採用ピッチ資料ってなに?」という方はHeaRさんがわかりやすくまとめているnoteがあるので下記を参照ください。個人の見解ですが、ほんとうに一番わかりやすいです。サマリー文だけでもわかりやすい…

リサーチを元に理解した一般的な「採用ピッチ資料」は…

採用活動のために、今まで以上に情報をオープン化した「会社紹介の資料」

ということで、従来の会社紹介の資料(良いことだけ書かれがち)に…

・ネガティブに受けとられる可能性がある情報
・給与テーブルや評価制度など公開が限定されていた情報
・制度やValueの背景、具体的事例など、裏側や実態に関する情報

といった要素が加わったもの(オンライン上で公開されている)

「採用ピッチ」が言葉として立ちすぎて、なんだかすごい発明のように想像しちゃってましたが、求職者に向けて必要な情報が網羅・整理されたオープンにされる範囲が広がった、というだけなんですよね。それ自体がもちろんすごいんですが、冷静に捉えておきたいところだなと思いました。会社紹介資料自体はあったものの、採用に特化したツールは限られていたということでしょうか。

「採用ピッチ資料のメリット」

資料公開後、「応募数が5.3倍」になったSmartHR社のデータはあまりにも強烈すぎますが、採用ピッチ資料をつくるメリットとしては以下のようなものがよく挙げられています。

求職者へ事前に送っておけば…

・面談・面接時の説明コスト削減
・伝達事項の抜け漏れが減る
・候補者のスクリーニングにつながる

採用担当・人事としては…

・面談・面接時の説明内容のブレが減る
・リファラル採用の促進につながる
・エージェントへの説明コスト削減
・エージェントの業務支援につながる
・ミスマッチ人材の紹介が減る

そのほかにも、制作プロセスに社内メンバーを巻き込むことでエンゲージメントが高まる、採用ピッチ資料のコンテンツが採用広報にも活かせる、などなどがあるようです。

エージェントを活用している企業はもちろん、社員主導型の採用(いわゆるスクラム採用)に取り組んでいる企業にとってもメリットが多そうです。

…と、ここまで調べたものの、いくつか疑問が湧いてきました。

「これって採用ピッチ資料じゃないとできないんだっけ?そもそも会社紹介資料と比べるのどうなの?採用目的でつくっているリクルーティングページと比べたら?あと、つくっても応募数めっちゃ増えるイメージは湧かない…」

コンテンツの質・量だけでいえば、リクルーティングページも近いコンテンツが揃っているはず。コンテンツを更新して、面接でもリクルーティングページを活用できるようにフォローしたらいいのでは?とも思いましたが、だったら採用ピッチ資料の方がまとまっていてわかりやすいし、使いやすい。更新自体も手間がかからなそうです。

ましてやリクルーティングページがない企業なら尚更、ミッション・ビジョンだったり、魅力の整理はいずれ必要になるんだから、先に採用ピッチ資料をつくっておいて損はないでしょうと納得しました。

でも、採用ピッチ資料をアップしたところで、発信力が弱い企業はどう届ければいいのか…応募数はそこまで増えないのでは…?ぼくはだまされないぞ!

「採用ピッチ資料をつくって応募数を増やそう!なんて、だれも言ってない」

勝手に憤ってしまいましたが、そうなんですよね。採用ピッチ資料をつくって、アップロードして、応募数を増やそう!なんてことは、だれも言ってないんです(結果的に増えることはあるだろうけど)

「じゃあ何のためにつくるの?!」

という疑問には、この2つの記事が全力で答えてくれるはずです。

いやはや、SmartHR社の「応募数が5.3倍」がすごすぎて、迷子になってしまいましたが「採用PRの打ち手の一つ」「どんな課題を解決するのか」「効果として再現性が高いのは…」と、この記事を読みさえすればそもそもの原点に立ち返れます。

というか、SmartHR社の宮田さんもこう書かれてるんですよね。

「面接用のスライドを公開するということは、事業に例えると、あくまでマーケティングのチャネルを1つハックしたというだけです」

SmartHR社としては、どんな意図があったのか気になる方はコチラの記事を…

まとめ「その採用ピッチ資料、ほんとうに必要?」

「採用ピッチ資料をつくって、公開したって応募数がめちゃめちゃ増えるなんてことないでしょ!みんな流行りに踊らされてる!」と勝手に憤ってしまいましたが、採用活動において解決したい課題ありきの一手ということで納得しました。

「採用ピッチ資料は他社もつくってたし、とりあえずつくらなきゃ!応募数かなり増えたって聞くし!」という方は、そもそも応募数が増えるかはなんともだと思いますし、社内で事前に握り合わないと「なんか意味あったの?ムダだったねー」で終わってしまう可能性もあるので、お気をつけて。

そんな観点で各社の資料をもう一度みてみると、ねらいの違いや今後の流れもみえてきそうです。次回noteはそんな考察を書けたらと思っています。

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p.s.「なぜ採用ピッチ資料は採用“ピッチ”資料なのか知りたい」

さんざん「採用ピッチ資料」といってきましたが、実態としては…

・採用“ピッチ”という言葉からうける印象ほど短くない、濃い資料が大半(平均50ページ弱)
・SmartHRさんが公開した資料のタイトルも「会社紹介資料」(同様のネーミングが大半)
・考察記事でも「採用スライド」となっている

で、個人的には違和感があったりします。各社資料のアップ先がSpeakerdeckだったこともあって、採用"ピッチ"と名がついたのでしょうかね。あるいは「採用ピッチ的な場で使用していた会社紹介資料」なのか。

採用"ピッチ"と名前がついたからこそ、ここまで広まったのではないかとも思っていたり…。ここら辺の背景お詳しい方がいらっしゃいましたら、ぜひコメント欄でお教えください。採用ピッチ資料の名付け親。どのようなお立場で、どのような意図でつけたのか…本筋じゃないけど興味があります。

そしてこれまたズレますが「応募数は増えるとは限らない」といいつつ、オープン化のトレンドにのって、あのタイミングで、あのレベルの情報開示を、発信力を持ったメンバーが行った各社は流石としか言えないですねぇ…と感動したことも念のためお伝えしておきます。

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Kotaro Takagi
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