患者さん同士が病棟で性行為!?
若い患者さん
依存傾向の患者さん
愛着形成に問題がある患者さんが
入院してくると
ある懸念材料が増えるなぁと個人的に思う。
もちろんほとんどの患者さんは
大丈夫なのだが
数年に一回くらいの周期で
病棟内で患者さん同士が
性行為に至ってしまうことがある。
男女混合病棟では
そういうトラブルを起こさないように
部屋を西と東に分けたり
そういう怪しい関係性になってきたら
その患者さんの入院する病棟を
変えたりするのだが
結局はいたちごっこで
隠れて夜の作業療法に勤しむ
患者さんが後を絶たない。
病室
広いトイレ
音楽室などの共同スペース
病棟外の小高い丘のような場所など
どんな場所でもお構いなし。
そして現場を発見した時
人の裸を見て
こんなに絶望することは
他にない。
「ちょっと!途中だから!」
という男性側の声を遮りながら
2人を引き離し
お互いに同意があろうがなかろうが
他害行為を行ったとして
行動制限されます。
問題はこの後です。
家族に連絡し
状況にもよりますが
女性側が未成年の場合など
病院の責任者とともに謝罪し
インシデントレポートという
いわゆる事故報告書を
書かねばなりません。
これが本当に辛い作業。
患者さんに聞き取りをしながら
何が行われたのかを
詳細に書かねばなりません。
「夕食後、彼女の方から
音楽室に来るよう誘ってきた。
最初はただ会話をしていただけだった。
すると彼女が突然、
お兄さんかっこいいね、と顔を近づけ言ってきた。
最初はベタベタと触ってくるぐらいだったが
少しずつ際どいあたりまで触られ
気がつくと彼女は上半身裸になっていた。」
「最初は断ろうと思ったが
久し振りに見た女性の身体に
職員さんにバレるとは思ったが
気持ちを抑えることができなかった。」
そこから先はとても書けないが
そんなに詳細に教えてくれなくてもいいのに…
と内心思いながら聴取していく。
聞いてしまった以上
看護記録には患者さんの発言を
そのまま記載しなければいけないという
ルールがある。
だから患者さんに言われたことは
そのまま書かなければならないので
どうにかして事が始まってからのことなど
余計なことは言わないように
工夫をしなければいけない。
基本的にはあまり詳細に語りたがらない
患者さんばかりではある。
しかし時折、事細かに話される患者さんだったり
「なぜ断れなかったのか?」
と問うと
「相手が堤さやかに似てたから…昔大好きだったんで…」
とそんなことまで言わなくていいのに的な
発言をする方もいらっしゃる。
「俺は明日、堤さやかを女性の職員に聞かれたら
どう答えればいいんだよ」
と頭を悩ませながら
状況を聴取して
記録に残さなければならない。
官能小説のような
看護記録を記載し
他病棟のスタッフから
「アレ、読んだよー」
と、もはやベストセラー。
対策案には毎度
巡視の強化などの
根性論ばかりで
具体的な解決策は見当たりません。
そして私たちは
ラブホテルの清掃員と化し
現場の後処理を行う
精神科ナースなのでした。
フォロワー300人突破しましたので
何か特別な記事にしようか
それともいつも通りの更新をしようか
考えていたのですが
こういう精神科の〝闇〟の部分についても
書いておこうと思いまして
いつもより楽な感じで読んで
いただけていれば幸いです。