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「自分の頭で考える」本の読み方


空っぽな高校生

高校時代、オーストラリアで1年間の交換留学を経験した。

いきなり留学の話が続くが、あなたが今読んでいるのは
本の読み方」で間違いないのでどうぞ安心して欲しい。

語学習得のための留学、ある程度まで伸びる目安は1年だ。
それをこなしたにも関わらず、わたしは最後まで満足できなかった

というのも、簡単な日常会話であれば特に問題はないのだが、
自分の意見を伝える、感想を述べるなどといった、
いわゆる”発信”というものが、どうも満足にできなかった。

でもそれは、自分の英語力が足りないせいだと思っていた。
日本に帰ってからも、研鑽を続けなければと意気込んでいた。

ところが、日本に帰ってきてからわかったことがある。

私は英語で話せないのではなく、そもそもなにも話せなかったのだ。

言葉は誰かに情報を伝達するための手法に過ぎず、
いくら言葉を習得していても、中身のないやつからは何も出てこない。

そう。私は空っぽな高校生だった。

勘違いした大学生

幼少期は本が大好きで、階段を登る途中で我慢できなくなり
2、3時間も読みふけってしまうような子供だった。

ところが、中学に上がってからはサッカーに打ち込み、
高校では留学の準備に、帰国後は受験勉強に追われ、
読書の時間なんてまるでなかった。

大学生になった私は、”空っぽ”から抜け出すために、
もういちど本と向き合うことにした。
大学生協や図書館、近所の書店やBOOKOFFにあしげく通い、気になる本を片っ端から読んだ。(節約のために、3時間立ち読みして1冊読み切ることも)

在学4年間で、述べ100冊ほどにはなっただろうか。
それでも私は、何かを語れるだけの”中身があるやつ”にはなれなかった。

モノは知っている。
だからどうしたという話だ。

以前として、私からは何も出てこない

こうして”勘違いした大学生活”が終わった。

やっとわかった大学院生

大学卒業後、そのまま大学院に進学することにした私は、
1年間で120冊の本を読むことになる。

幸運なことに、120冊のうちの数冊目で、ある本と出会うことができた。

ドイツの哲学者ショーペン・ハウアーの『読書について』だ。

歴史的名著である本書の中でも、ひと際有名なのがこちらだろう。

本を読むとは、自分の頭ではなく、他人の頭で考えることだ。

ショーペン・ハウアー著. (2013). 読書について. 光文社古典新訳文庫

ここで私は、これまでの読書が間違っていたことを知った。
(当然、これもハウアー先生の脳で考えられたことではあるが。)

私は自分の頭で考えることをせずに、
他人の脳で考え抜かれた”知識”を増やしているだけだった。
ただ少しだけ物知りな、なにも生み出せない若造だった。


だけども、はたして『自分の頭で考えること』とはどういうことなのか。

そして気づいた。
「ああ、こういうことなんだな。」

『自分の頭で考えること』について、
私はすでに自分の頭で考え始めていた。


自分の頭で考える

「自分の頭で考えること」について、
私の大好きな外山滋比古先生が、
著書「思考の整理学」の中で大きなヒントを与えてくれている。

思考の整理とは、低次の思考を、抽象のハシゴを登って、メタ化していくことにほかならない。

外山滋比古 著. (1986). 思考の整理学. ちくま文庫

読書によって得られる知識や情報は1次情報であり、
自分の血肉とするにはまだ”思考”が足りていない。

知識や情報を蓄えて満足しているのでは、
あなたは”空っぽな高校生”のまんまだ。

本などを通して得た「具体的」な知識や情報は、
「抽象化」することで他の場面にも適用可能な「理論」となる。

ここで大事なポイントは、抽象化の際に自分の思考を加えるということ。
ただの要約では意味がない。

「理論」とは、ある種「仮説」のようなものになる。
要は「持論」である。

この「持論」をもつことこそが、自分の頭で考えるということなのだ。
持論があるから、さらに考えることができる。
「知識を入れる読書」から、「持論を検証する読書」へと変わる。

あなたの思考が加えられた、その仮説的な理論(持論)。
それがあれば、「何も語れない」なんてことにはなろうはずかない


だがここで満足してはいけない。

「理論」だけを集めても仕方がない。
それでは「物知り」から「理屈人間」に成長(?)したに過ぎない。

知識も理論も「行動」ありきだ。

だから、抽象のハシゴを登ったその「理論」は、
今度は自分の身の回りにある仕事や生活などの「具体」に落とし込む、
ハシゴを降りる作業が必要なのだ。

実践「自分の頭で考える読書」

いよいよ「自分の頭で考える読書」の実践だ。

これまでの話を踏まえた「自分の頭で考える読書」
ポイントは次の3つだ。

  1. 抽出(具体)

  2. 理論化(抽象)

  3. 実践行動化(具体)

1. 抽出(具体)

まず、本を読む中で「ここポイントだな」という部分を抽出する。

【抽出】人類の発達は、情報のメタ化と並行してきた。

外山滋比古 著. (1986). 思考の整理学. ちくま文庫

2. 理論化(抽象)

先に抽出したポイントを、自分の思考と言葉で理論化する。
ただ、良書であればあるほど「具体」のあとに理論化された「抽象」が記載されている場合が多い。
その時は自分の言葉で言い換えるのがいいだろう。

【抽出】人類の発達は、情報のメタ化と並行してきた。
【理論化】知識は抽象化させることで、他分野でも応用が効く知恵となる。

3. 実践行動化(具体)

理論を理論のまま置いておくのは勿体無い。
すぐに実践できる具体的な行動に落とし込もう。

【抽出】人類の発達は、情報のメタ化と並行してきた。
【理論化】知識は抽象化させることで、他分野でも応用が効く知恵となる。
【実践行動化】得た知識を自分の言葉で抽象化させて保存しておけるNotionの読書テンプレを作成し、今後の読書で実践する。

以上の3ステップが「自分の頭で考える読書」である。

私はこの「自分の頭で考える読書」を、
総合情報管理ツール”Notion”を使って実践している。

今回このnoteを書いたのも、Notionテンプレを
ぜひあなたに試して欲しいと思ったからである。

Notionテンプレ 『Denkenlesen』

読み方は「デンケンレーゼン」
ドイツ語で「考える読書」という意味である。

Denkenlesenにはこれから紹介するように様々な要素を含ませた。
・本ごとに読書時間が計測できるストップウォッチ
・ポモドーロタイマー
・欲しい本リスト
・ジャンル別リスト
などなど

だが、いずれも「自分の頭で考える読書」には直接的には関係がない。
本質からズレた機能満載なので先に断っておきマス。

ホーム画面

Denkenlesenのホーム画面

書籍ページ

Quick Actionにある「本を追加する」あるいは「”欲しい本リスト”に追加する」ボタンをクリックすると、書籍ページを追加することができます。

クイックアクション

ボタンを押すと、中央にこのような画面が開くので、書籍に関する必要な情報を入力してください。

書籍ページ

左上の↖︎↘︎をクリックすると最大画面で開くことができます。
実際に読書をする際は、書籍ページを最大画面で開いて使用することをお勧めします。

最大画面で開いた書籍ページ

Denkenlesen
今回のテンプレの本質はDenkenlesen部分になります。
先に説明した「抽出」「理論化」「実践行動化」が入力できるようになっています。
「自分の頭で考える読書」の実践における根幹ですね。

各書籍ページでは、その書籍のDenkenlesenが、
そして最初に見せたホーム画面中央には、このテンプレに保存してある全てのDenkenlesenが表示されるようになっています。

読書ノート
Denkenlesenとは別に、書き写しておきたいことやメモしておきたいことは、この読書ノート項目をお使いください

ノート
この本を読んで思いついたアイデアや、別途一つのノートとして保存しておきたい場合は、ここにページを追加してください。
すでにNotionをお使いの方で、ご自身のノートデータベースがある方は、リンクドデータベースとしてここに配置してご使用されるのもいいかと思います。

ポモドーロタイマー
「25分作業 - 5分休憩 - 25分作業 - 5分休憩」でお馴染みのポモドーロタイマーを設置してあります。人間の集中力に基づいた時間設定なので、長く集中して読書をしたい方はぜひご活用ください。
なお、ただのウィジェットですのでご留意ください。
Notionに時間が記録されたりとかいう機能は持ち合わせておりません。

この本を読んだ時間
こっちはNotionに記録されます!
「開始」でタイマーがスタートし、「終了」で記録を終了します。
その合計時間が記録されるようになっています。
複数回に分けて記録した場合でも大丈夫です。
ちゃんと合計を出せるようになってます。

ボタンで記録が可能
複数回の記録でも合計で算出

終わりに

全てを説明するとここまでの倍の長さになりそうなので。
根幹部分だけで終わります。
使ってればだんだんとわかってくると思います。
特に、すでにNotionをお使いの方なら、ふつう〜に使っていただけます。

もしわからないことがあれば
下記𝕏にDMくださいませ。
(クレームは怖いからやめてね笑)

@ray_artlas

ダウンロードはこちらから

Denkenlesenのダウンロードは下記リンクからできます!
無料ですので、お気軽にどうぞ!
ページを開いて右上の複製ボタンから、ご自身のNotionに複製してお使いください!

最後までご拝読いただきありがとうございました😆


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