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トムクルーズ映画『ワルキューレ』42度目の失敗!最後のヒトラー暗殺未遂事件の真相

娯楽映画を続けて見ると、その後にシリアスな映画を見たくなる。
そんな中で、目が止まったのが、トム・クルーズ主演の2008年公開『ワルキューレ』。
1944年に起きたドイツ国防軍将校によるヒトラー暗殺計画「7月20日事件」を描いた歴史戦争映画です。

ヒトラー暗殺は、少なくとも42回もあったらしい

『ワルキューレ』は実際の暗殺未遂事件を扱っていますが、ヒトラーの暗殺計画は分かっているだけでも42回はあったらしい。
当時は、みんなヒトラー万歳かと思っていたら、実際はやっぱり違うんだな、と。
日本も同じですけどね。

「この国にはヒトラー以外の人間もいる」

この映画やこの暗殺未遂事件で伝えたいことは、これですね。

日本人には馴染みはないけど、ドイツでは大人気のシュタウフェンベルク大佐。黒歴史であるナチスドイツ時代の「ドイツ人の良心」の象徴のようです。検索してみると、由緒正しい貴族出身で、長身で隻眼のイケメン、とっても華があって魅力的な人だったようです。

トム・クルーズは、もちろん長身ではないですが、顔の印象は似せてきています。カリスマ性やユーモアのある人柄は、映画ではあまり描かれていないので、ドイツ人には物足りないかもしれませんね。

ドイツの英雄シュタウフェンベルク大佐の伝記

『ワルキューレ』とは

ヒトラー肝入りの、有事の際に発動される危機管理オペレーションが「ワルキューレ作戦」と名付けられています。トム・クルーズ演じるシュタウフェンベルク大佐は、その「ワルキューレ作戦」を改ざんして、ヒトラーを暗殺した後のベルリンの制圧をしようと企てる話です。

「ワルキューレ」は、ドイツの作曲家リヒャルト・ワーグナーの楽劇四部作『ニーベルングの指環』の第2番目の作品名で、この作品でも流れる「ワルキューレの騎行」は、映画「地獄の目次録」の曲としてもお馴染みですね。

アドルフ・ヒトラーはワーグナーが大好きだったので、ワーグナー音楽はナチスのプロパガンダに使われていきます。
ワーグナー自身は、ナチスが台頭した頃にはこの世にいませんでしたが。

計画通りにいかない実話ならではのリアル

時代はドイツの敗戦が濃厚となった、ナチスの終焉を迎える頃。
ドイツ国内でも、ナチスを止めようと考える軍人や政治家はたくさんいたのですね。反組織が結構、派手に動いています。

様々な思惑が交錯して一致団結とはいかない作戦チーム、詰めが甘く幾つものハプニングが邪魔をして未遂になった暗殺、最初は良かったものの次々に崩されていくクーデターに、失敗した暗殺計画のリアル感がありました。
ヒトラーの死が分かるまで判断が下せなかったり、優柔不断だったり、保身に走ったり、独断しちゃったり、勝ち馬に乗りたい等の人間心理がよく描かれています。

異色のトム・クルーズ作品

見たきっかけは、ジャケ買いですね。
ストーリーを知らずに、ポチッと見始めました。

眼帯をつけたトムクルーズの軍服姿とタイトルの取り合わせに惹かれたんですね。すごくトムクルーズ好きという訳ではありませんが、彼の作品には駄作は少ないというイメージもありましたし。

トム・クルーズにしては異色の作品に思いました。
超人的・英雄的・孤高な感じのする役柄を多く見てきたので、ノンフィクションの、しかもドイツ人の将校役とは意外です。

トム・クルーズは、アメリカンなイメージが強いですが、調べてみると、実はドイツの血も少し流れているみたいですね。セリフも英語だったし、ドイツ人ぽさはあまりなかったですけどもね。

ただ、トム・クルーズが出ていなかったら、私は多分見なかったと思います。
…ということを考えると、苦々しいドイツの第二次世界大戦にまつわる映画に、超有名人のトム・クルーズが出ていることの貢献度は高いです。

ドイツ国内で起きていた事件を世界に知ってもらったり、戦争を知らない若者に見てもらいたいと思ったら、ドイツ出身俳優では目的達成は難しかったでしょうね。あの時代を知るとっかかりとして、見るべき映画かな、と。

ハッピーエンドにはならない

ヒトラーの暗殺計画が始まったことは分かりましたが、「ヒトラーの最後って自殺だったよなあ」と気づいたところで、トムクルーズの仕掛けた爆発ではヒトラーは死んでいないし、この暗殺計画は失敗に終わることも分かります。
そう考えると、もう少し汚い人間心理を掘り下げたり、個々の焦燥感を描いたりしても良かったんじゃないかと、思いました。

ドイツとアメリカ合作のリメイク作品

ドイツで作られた映画『オペレーション・ワルキューレ』のリメイクだそう。きっとこっちの方が、リアルなんだろうな。

豪華な俳優陣

冒頭からケネス・ブラナーも出てますし、名前は覚えてないけど見たことあるような俳優ばかりでした。
みんな軍服だけど、それぞれ個性と存在感あるので、見分けつきます。
さすがの実力派揃いでした。

トム・クルーズ(シュタウフェンベルク大佐)
言わずと知れた、ハリウッドきってのスーパースター。
『ミッション・インポッシブル』『トップガン』
ケネス・ブラナー(トレスコウ)

俳優としても監督や脚本家としても有名なイギリス出身俳優。
『探偵ポアロ』シリーズのポアロ『ハリーポッター』ロックハート
ビル・ナイ(オルブリヒト)
『ラブ・アクチュアリー』ビリー・マック『パイレーツ・オブ・カリビアン』デイビー・ジョーンズ
トム・ウィルキンソン(フロム)
『フル・モンティ』ジェラルド『真珠の耳飾りの少女』ライフェン
トム・ホランダー(ブラント)
『パイレーツ・オブ・カリビアン』ベケット卿、『プライドと偏見』コリンズ

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