いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -9- #ppslgr
飛来したコーン粒の一つが強かにA・Kのみぞおちに被弾!その間もこっちはこっちでイナゴ禍の様に襲い来るコーン粒を片っ端から斬り捨て叩き落す。足元にはコーンスープの下ごしらえどころではないコーンの切り屑が溜まっていく。
「ちょ、ゲホッ、クソいてぇ……コーンの癖に滅茶苦茶硬い……」
被弾の苦痛に悶えながら草藪に埋もれるA・Kをかばうために、得物を振りまわしながらも彼とコーン粒の嵐の合間に立つ。やはり見る間に溜まっていくコーン粒の山。
「R・V!こういう輩には指令塔がつきものだが君の視点ではどうだ!?」
「現状では判断できないな!核になる粒が居るなら少なくともこの弾幕の中にいるわけがない、だが視界に入ってくるコーンは全てこっちに向かってきている!」
コーン嵐に矢の雨でもって相殺し続ける王子に可能な限り分析した内容を伝える。銃弾ほど一発一発は致命的ではない物の、滅多打ちが続けばあっさり死ねる程度の威力はある。
しかし不可解なのはこのコーンの群れのコミュニケーション能力だ。こいつらは明らかに連携を取ってこちらを狙ってきている、決して闇雲に荒れ狂っている訳ではない。
「どうやって連携を取っている…?電磁波か、光か」
いぶかしむ俺に対し、先ほどから音程が上下しながらも唸り続ける特徴的な鳴りに気づく。この音はコーンの戦闘種が現れた最中は常に鳴り響いていた。
「A・K!スマホはいじれるか?」
「お、おう……でも応戦しなくていいのか?」
「立派な応戦だ!こいつらの鳴き声を録音して再生してくれ!」
「なんだかわからねぇが任せろ!」
俺の言葉に立ち上がってスマホをコーン嵐に向けるA・K。もちろんお遊びではなく大真面目に考えて依頼した事だが、その絵面たるやシュールレアリスム以外の何物でもない。正気値は潤沢に持っている方だが、だからと言って再現なく削りに来られるのも困るのだが!
一分弱にて俺と王子が防戦一方な合間に彼が録音し終えると、その特徴的な唸りをコーンの雨あられに向かって最大音量で流し始めた。
「f?f?」
双方向から流れてくる唸りに対し、しばし滞空した後にボトボトと地面に落下するコーン粒。そのコーン粒を油断なく割り、矢じりで直に貫く。
「……ドユコト?R・V説明してくんないとわかんねー」
「シンプルな話だ、あのタービン音こそあのコーン達のコミュニケーション手段なんだろう。だから双方向から同じ波長の音が送られてきた事で混信して無力化したんだ」
「命令してるとこに大声で邪魔してやったような?」
「そゆことだな」
このことが分かっただけでも充分だ。録音して再生し返すだけでも混乱を誘えるというのも手間が少なくて済む、だがしかして、すぐに追加の増援がやってくる振動がこちらにまで伝わってくる。
振動の質は大きなおもりが平たい底面を大地に打ちつける様な感触の物であり、先ほどのコーン・ケルベロスの茎脚のそれとはまた異なる代物だ。実に多芸であることだな!
【いざなうはワールド・コーン・ラビリンス -9-終わり:その-10-へ続く】
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